「東横イン」はダメよ!小樽駅前第3ビル再開発で誘致断念!(2006/3/3)

 JR小樽駅前交差点の角地という小樽の一等地にある駅前第3ビルを取り壊し、新ビルを建設する市街地再開発事業で、新ビルに入るホテルとして「東横イン」の誘致を軸に進めていた小樽市が、「東横イン」による各地での違法増改築が発覚し社会問題になっていることを受け、「東横イン」の誘致を断念。新たなホテル探しを始めることになった。

 このため、年度内にも策定しようとしていた市街地再開発計画は、先延ばしされることとなった。これは、開会中の小樽市議会の、横田久俊議員(自民)の質問に対する市長答弁から明らかとなった。

 駅前第3ビルはJR小樽駅前に建ち、核ホテルとして「小樽国際ホテル」が26年間営業を行っていたが、2002(平成14)年に同ホテルの営業が行き詰まり、水道代・電気代を巨額滞納し、廃業に追い込まれた。この「小樽国際ホテル」の廃業により、同ビルに入居している各店舗にも大きな影響が及んでいた。

 5年に渉りホテルが閉じられたままで放置され、廃墟の幽霊ビルの解消が緊急の課題といなっていた。同ビルの株主でもある小樽市は、同ビル周辺を市街地再開発事業として、国からの資金等を当てに新ビルの建設を目指していた。

 新ビルは、ホテル・マンション・ショッピング・駐車場等を含む、複合商業ビルとして機能する計画だった。このビルの核となるホテルの誘致には、これまで「東横イン」が決まっていた。

 ところが、ビジネスホテルチェーンを展開する株式会社東横イン(東京都大田区・西田憲正代表取締役)が、日本各地で違法建築を繰り返していることが社会問題化し、小樽市として、「東横イン」の誘致についての結論が求められる事態となっていた。

 3日の市議会本会議で横田議員の質問に対し、山田市長は、「法を順守しない東横インの誘致を断念し、新たなホテルを誘致し、早急に計画を再構築しなければならず、年度内の計画策定は難しい状況になっている」と、東横インを断念し、新たなホテル探しを行うと答弁した。

 これにより、核ホテルの誘致が振り出しとなったことで、市街地開発事業もずれ込むことが明白となり、何年もの間、駅前幽霊ビルとなっていた新ビルの建設にも大きな影響が及ぶことになった。

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