ベストマスター

2015年4月のベストマスター
ばくだん焼本舗小樽運河店

山崎 健佑マスター

 小樽出抜小路内に店舗を構える「ばくだん焼本舗小樽運河店」の店長・山崎健佑さんは、27歳の小樽っ子で礼儀正しい好青年。

 同店舗は、平成19年4月にオープンし8年目となる。山崎店長は、ガラス販売や飲食店での経験を生かし、接客業が好きなこともあり、2年前から勤務している。

 従業員3名が交代で勤務する中、山崎店長は、発注から調理・接客・掃除と、店内業務をなんでもこなす働き者。

 ばくだん焼とは、秘伝の生地の中に、うずらの卵やしめじ・ウインナー・あさり・揚げ玉など、10種類の具材を閉じ込め、こんがり焼いた直径8cm・重さ200gもある、たこ焼き・お好み焼き・もんじゃ焼きの良いとこ取りの、見た目は巨大なたこ焼きのような食べ物。

 店長のおすすめは、チーズでコーティングしたアツアツトロトロの”チーズミックス”で、当店人気No.1商品。

 札幌や後志から土日ごとに訪れるコアなファンや、全国各地や海外からのお客さんも多いという。常連さんからは、差し入れも度々届けられ、親しまれている。

 出抜小路は運河浅草橋斜め向かいに位置し、多くの観光客で賑わい、常に笑顔での対応を心がけ、観光の思い出にと、撮影にも応じている。

 山崎店長は、同店を運営する会社との出会いで、人生に対する価値観が変わった。会社の理念に共感し、毎日、楽しく仕事していることも、以前とは随分違うという。

 上司のすすめもあり、昨年、猛勉強して小樽案内人2級に合格。今年は、見事1級に合格した。小樽に生まれたのに、あまりにも知らないことが多く、小樽はすごい町だと興味が湧き、小樽の歴史が頭にすらすら入ってきて、さらに勉強が進んだそうだ。世界に誇れる町だと自負してる。

 今後、マイスターの資格が取れるまで頑張る予定だ。エプロンの胸元には、おたる案内人のバッチが光っている。

 そんな仕事熱心な店長の趣味は”マラソン”。会社のマラソン部に所属し、運河ロードレースでは、ハーフに出場。仕事が終わると、週1、2回10kmほどを走り、トレーニングしている。ホノルルマラソン出場を目標にしているという。

 「寿司や海鮮の美味しい町だが、古い町並みを散策しながら、ばくだん焼のびっくりするアツアツさと美味しさを体験してもらいたい。夏の運河の夜景を楽しむのもおすすめです」とPRした。

 若手の小樽っ子が小樽の町で頑張り、心を込めて焼いた「ばくだん焼」をご賞味あれ!

ばくだん焼本舗小樽運河店

小樽市色内1-1-17小樽出抜小路内
電話:0134-23-5101
営業時間10:00~19:00(延長あり)
定休日:無休
客数:5席

2015年3月のベストマスター
藤崎最中種製造所

藤崎 祐士マスター

 和菓子の最中の種(皮)を製造する「藤崎最中種製造所」の2代目・藤崎祐士さん(52)は、父親が、昭和34年に開業した家業を継いで22年となる気さくな人柄の職人。

 以前、10社以上あった市内の最中種の製造所も、現在は2社にまで減少。道内では、苫小牧市に1社あるだけで、貴重な製造所となった。

 藤崎さんは小樽出身で、中学校ではサッカー部に所属し、活発で元気な少年だった。高校卒業後、他社の最中種製造所で働き、夜は札幌学院大学へ通った。25歳から30歳までは、石狩でサラリーマンを経験、30歳で家業を継ぐこととなった。現在は、4名の従業員と最中の種の製造に励んでいる。

 最中の種の原料はもち米で、100%道内米を使用。道内各地の菓子屋から注文があり、様々な土地の特産物をモチーフにデザインした型が100個以上あり、注文にあわせて製造。

 早い時は4:30頃から、通常は6:00から製造を開始。父から教わった伝統的な製法で、1枚1枚丁寧に作っている。

 はじめに、もち米を洗米して、製粉機で粉状にする。その後、セイロで蒸し、石臼の餅つき器で餅をつく。つき上がったら、打粉をして2~3mmの厚さに素早く伸ばし、短冊状に切り、釜に載せ約2分かけて焼き上げる。自然に焦がした色の最中は、香ばしくて美味しいそうだ。

 1回に4kgのもち米を使用、これを10回繰り返し、1日40kgのもち米で最中の種を製造している。工場には3台の焼き釜があり、火力はガスを使用し、夏場の作業場の室温は30℃以上にもなる。月曜日から金曜日まで製造を行い、休む間もなく、土曜日と日曜日は、配達や集金・営業に充てている。

 仕事熱心な藤崎さんは、多彩な趣味の持ち主で、20歳から始めた登山と山スキーを現在も続け、富士山登山は3度、京極、喜茂別、倶知安、真狩から羊蹄山へ4往復する過酷な登山を楽しんでいる。

 28歳で結婚し、新婚旅行でニューヨークマラソンに出場。その後、北海道マラソンは毎年出場している。サロマ湖100Kmウルトラマラソンにも3度出場経験があり、昨年、53kmでリタイヤした悔しさを、今年はリベンジするため出場を決めた。

 だた登るだけの登山ではなく、過酷な富士山周辺を一周する「ウルトラトレイル・マウントフジ」に出場。累積標高9,600mに慣れるため、藻岩山を20往復してトレーニングした経験も。

 登山の魅力を尋ねると、「途中あまり見られない景色を楽しみ、達成感が得られる」と答え、「今ではお菓子にもいろいろな種類があり、菓子屋が廃業するなど厳しい面もあるが、健康で仕事を続け、いつまでも登山を楽しみたい」と笑顔で話した。

藤崎最中種製造所

小樽市奥沢1-24-27
電話:0134-23-2063
FAX:0134-25-5613
製造時間:月~金曜日6:00~17:00
定休日:土曜日・日曜日

2015年2月のベストマスター
小樽 福鮨

木村 健太マスター

 堺町通りのど真ん中に店舗「福鮨」を構える代表の木村健太さん(38)は、苫小牧出身で、気風の良い職人気質が滲み出る男前のマスター。

 家業が寿司屋だったこともあり、寿司を握る父親の姿を見て育ち、いつか父親を超える寿司職人になりたいと、寿司の本場である小樽を修行先に選び、寿司の名店・日本橋(稲穂1)に勤務。小樽に住んで20年が経つ。

 日本橋の支店として営業していた「福鮨」の店長として長年勤務していたが、女将の厚意で、2014年6月から受け継ぎ、独立し代表となった。

 店内は、カウンターとテーブル席・座敷などで、収容人数は約70名。20名の従業員が働く大所帯の中、木村さんの仕事は、仕入れから営業・接客・寿司を握るまで、すべての業務をこなしている。

 「国内外の観光客が賑わう堺町通りのど真ん中で、寿司店を営むことが出来てとてもありがたい。恥じないように、新鮮かつ旬のネタで自慢の寿司を握るよう心がけ、自信をもって仕事をしていきたい」という。

 苫小牧の友人が、小樽へ観光に来た時に訪ねてくれた時は、とても嬉しいそうだ。ここ小樽で、2人の子どもの成長を楽しみながら暮らしていきたいと、優しい表情で話した。

 そんな職人気質の木村さんにも、辞めたくなった時もあった。その挫折を乗り越えこそ今があり、周りの人に助けられていると、日々感謝の気持ちを忘れない。

 木村さんは、「アットホームでくつろげる店を目指し、会話を楽しみながら小樽の寿司を味わってもらいたい」とPRした。

小樽 福鮨

小樽市堺町5-26
電話:0134-23-2939
営業時間:10:30~21:00(LO~20:30)
定休日:不定休

お店のHP
2015年1月のベストマスター
CROSS bar

濱谷 晋平マスター

 ダーツが楽しめる「CROSS bar」のマスター濱谷晋平さんは、32歳で生粋の小樽っ子。

 子どもの頃は、元気ないたずらっ子で、中学生からバスケットボールを始め、今でも地元の社会人チームに在籍する現役プレイヤー。

 飲み屋さんで働いていた経験を活かして店を持ち、今年9月で丸4年目が過ぎた。7年前から、父親の経営する会社の灯油配達部門を任され、冬場は、朝7時から夜9時まで働き、それから、店を切り盛りする超多忙な働き者のマスター。

 3年前に、ソフトダーツ2台とハードダーツ1台を設置し、ダーツを楽しむことのできる店内に改装した。市内に7店舗あるダーツバーのひとつ。

 同店にダーツチームを結成し、現在8名が在籍している。12月14日開催の小樽投矢祭りにも参加し、11月には、札幌でのダーツ大会に出場して、個人の部で優勝している。ダーツは、普段の実力が試合でどう活かせるかが、勝敗を左右するというメンタルスポーツ。

 同店でもダーツハウス(大会)を主催し、ダーツ仲間が集まり試合を楽しむ。日曜日はほとんど、道内各地のダーツ大会へ呼ばれ、出場しているそうだ。

 この時期は、寝る時間がなく大変な思いをしながら頑張っているが、みんなでダーツをしたり、お酒を飲んだり楽しんでいるという。

 今年初めて、小樽を盛り上げ、地元の人達との親睦を深めようと、7月の潮まつりや9月のサンモールビアガーデンに合同で出店。潮まつりは、悪天候で大変だったが、来年も出店を予定している。

 「小樽は、札幌ほど大都市じゃないが、繋がりがあったり、町の良さがある。丁度良い距離に位置している思う。花園の店舗は、店同士の交流もある。カラオケやダーツが楽しめ、人が交われる空間でありたい。2次会では、30~40名の大人数でもOK。飲み放題プランも用意している」とPRした。

CROSS bar

小樽市花園1-9-22 ユウビル2F
電話:0134-33-0966
営業時間:21:00~ラスト
定休日:日曜日・水曜日

2014年12月のベストマスター
il PONTE(イルポンテ)

永田 琢也マスター

 天然皮製品と硝子の販売と制作体験の店「il PONTE(イルポンテ)」の硝子工房チーフを務める永田琢也さん(28)は、福岡市出身の九州男児。

 漫画好きの少年が、中学生でガラスに興味を持ち、高校卒業後、富山県にある専門学校に入学、勉強に励んだ。卒業後は、山口県にある硝子工房に就職し、その後、縁あって小樽市内の工房へ。小樽に移り住んで7年になる。

 同工房の本社は、株式会社太閤コミュニティー(本社:埼玉)で、小樽に出店して13年となる。現在の店舗は、小樽運河工芸館(色内2)跡に2年前に移転し、硝子工房も併設。永田さんがチーフとなった。

 同店は、革製品・ガラス製品の製造販売と革小物・吹きガラス制作体験を行ない、永田さんは、ガラス部門を担当している。

 「il PONTE」の「ポンテ」は、イタリア語で「橋」の意味があり、ガラス制作時に使われる専門用語でもあることから、商品とお客さんの架橋になれればと名付けられたそうだ。

 永田さんの仕事は、ガラス製品の製造と、吹きガラス体験のインストラクター。小学生から大人まで、国内から海外まで広い客層が体験に訪れているという。

 永田さん自身も、市内のガラス作家さんと積極的に交流を持ち、常に学ぶ姿勢を忘れない。職人さんから直接話が聞けるのは、小樽のガラス工房の良いところだそうだ。

 小樽ゆき物語に関連して、JR小樽駅エントランスホールで開催のガラスアートギャラリーに4度目の出展。今回、スカル(頭蓋骨)を取り入れた作品を発表した。スカルをモチーフにした制作の注文を受けたことをきっかけに、そこからイメージが湧き広がっているという。

 また、夏と冬に開催のがらす市の実行委員会に参加。グラスデザインコンテストの審査員や小学生卒業記念硝子製作体験実行委員会の委員長を務め、子ども達にガラスの魅力やものづくりの楽しさを体験してもらおうと活発に活動している。

 永田さんにガラスの魅力を尋ねると、「柔らかさや透明さ、輝き、シンプルなところ」と答えた。

 今後は、オーナメント系が主力商品となるよう開発に力を入れ、人気商品を生み出したいという。机などに置くだけではなく、壁に掛けたり発展させた商品を発表できるよう力を注いでいる。

 「ガラスと革の制作体験ができ、珍しいエゾジカの革を使用した制作体験もできる。ガラスと革のコラボ商品なども増やしていきたい」と話した。

 休日には、子どもと遊ぶ時間を大切にするなど、優しいパパの顔ものぞかせていた。

il PONTE(イルポンテ)

小樽市色内2-1-19
営業時間:9:00~18:00
定休日:月曜日(祝日は翌日)
電話:0134-32-7880
FAX:0134-31-5679
吹きガラス制作体験2,160円~、グラス・皿・ジョッキー・花瓶など
制作時間:約10分~、引渡しは、後日店頭または郵送

お店のHP
2014年11月のベストマスター
田中生花店

田中 彰一マスター

 花園の公園通りにある老舗花屋「田中生花店」の代表取締役・田中彰一さん(45)は、三代目店主。

 祖父の代から花屋を営み、父へと受け継がれ、現在、母と妻の協力のもと、店を切り盛りしている。

 もちろん、小樽っ子で、学生の頃から店を手伝い、大学卒業後は、札幌へ就職し、6年間会社員を経験した。28歳の時、父に頼まれ、家業を継ぐことに。

 彰一さんの仕事は、仕入れから花の管理・アレンジメント・接客・配達となんでもこなす。祝いの花束から葬儀の花輪など、花のことなら何でも、お客さんの要望に応えたいとしている。

 昔からの花屋で、夜8:00まで営業し、市民や近隣のお年寄りに愛されている店。店内には、所狭しと様々な種類の花が並んでいる。毎日、花と過ごす彰一さんに、花の魅力を尋ねると、「花を通じて四季が分かり、花にも旬があり、それを仕入れ届けられること」と答える。

 常に花の鮮度に気を配り、新鮮な花を回転良く、価格の変動にも影響されないように、組合で決まっている範囲内で、極力、良心的な価格に抑えるよう心がけている。

 これから冬を迎え、寒さが辛い季節となるが、夏の暑い時期に、花の鮮度を保つためにエアコンを入れた店内にいるのも辛いそうだ。

 元日と会議がある時だけ店を閉め、ほとんど年中無休の働き者。その中でも、子ども達の教育に関心を持ち、現在、小樽市立菁園中学校のPTA会長を務めている。子どもが小学校へ通う頃からPTA会長となり、なり手のない役員を何年も続け協力。来年3月で子どもが卒業となり、会長業も卒業できる予定。

 今は時間がないが、以前には、釣りやバンドを趣味としていた。釣りは、夜が明けないうちに積丹へ、明け方の数分をねらい釣りを楽しむために、毎日のように通っていたこともあったそうだ。

 昔からご贔屓のお年寄りが、最近、だんだんと減り、寂しさを感じるそうだ。今後については、「細く長く店を続け、地域の人との付き合いを大切にしたい。様々な場所へ顔を出し、人間関係を築き、ご縁があって商売に繋げられればと思う」と話した。

 「ご相談いただければ、要望に応えられるよう力になりたい」とPRした。

田中生花店

小樽市花園1-12-8 和光ビル1階
営業時間:9:00~20:00
定休日:1月1日
電話:0134-22-5081
FAX:0134-22-5084

2014年10月のベストマスター
おそうじライフ小樽

多田 健一マスター

 主婦の悩みに応え、働く女性を助ける掃除のプロ「おそうじライフ小樽」の代表多田健一さん(47)は、小樽出身で、この道21年のプロフェッショナル。

 以前勤めていた掃除業界の会社を2006年に退社し、おそうじ本舗に加盟、ハウスクリーニング業を妻と一緒に歩み続けてきた。2011年5月に、現在の「おそうじライフ小樽」を開店させ、今年で3年目となる。お客さんが覚えやすい名前を店名に付けたという。

 多田さんの仕事は、レンジフードや換気扇・キッチンや浴室などのハウスクリーニングをメインに、一般家庭から業務用エアコン・床のワックスかけ、引越しの清掃など、強力な助っ人である妻とともに、主婦や働く女性、高齢者と幅広い利用者に支えられ、お客さんに満足してもらえる仕事を常に心がけている。

 時代の流れから、共稼ぎが多く、若い世代は換気扇などの単発的な箇所、高齢で手の届かない箇所などが、定期的に依頼される。毎年、利用するリピーターも増えている。

 多田さんの1年は、引越し掃除が多い3月、春は窓ガラス掃除。夏は、エアコンやお盆前の水回りなどの掃除。9月・10月・11月は、レンジフードや浴室の掃除。11月から徐々に暮れの掃除依頼があり、12月は書き入れ時。年末から年明けも掃除依頼が続く。

 この業界を続けてきた理由を尋ねると、良いお客さんに恵まれ、掃除が完了すると、「ありがとう」と笑顔で返され、見違えるほどのきれいさに「うわっ」と驚かれ、感動されるそうだ。

 業務中に、お客さんに頼まれると、配管業者を紹介したり、困っている場所を解決する手助けも。利用したお客さんが、別のお客さんを紹介してくれ、人間関係の繋がり、信頼関係が芽生える。主婦の方にも安心して利用してもらっている。

 『たかが掃除、されど掃除』で、最初は、掃除のゴールが見えず、どこまで掃除して良いか分からないこともあった。お客さんの財産を守る仕事であり、気を使う部分も多々ある。

 多田さんは、子どもが通う小学校のPTA会長を務め、なり手のない役員にも前向きに取り組むお父さんでもある。

 「まずは電話を。見積もりは無料。その後、掃除日を決める。掃除が終わると、お客さんが笑顔になっている。ぜひ気軽に利用してもらいたい」と、おそうじマスターは、笑顔でPRした。

おそうじライフ小樽

小樽市住吉町16-14
営業時間:9:00~18:00
定休日:不定休
電話:0134-33-8755
FAX:0134-24-3353

お店のHP
2014年9月のベストマスター
手打ち蕎麦 そば処 月

上田 英範マスター

 手打ち蕎麦専門店の「そば処 月」の店主上田英範さん(50)は、蕎麦が大好きで、蕎麦打ち歴20年。

 こだわりの蕎麦を提供する上田さんは、小樽出身。札幌、室蘭など各地を回り、そろそろ故郷へ帰ろうと、2012年9月に小樽へ戻り、開店前に、札幌で1年間修行し準備を進め、2012年11月1日に住之江町に蕎麦店をオープンさせた。2013年9月から、花園の現在の場所に移転。

 自分で光ることができず、太陽の光を反射して輝いている“月”を店名としたのは、店も、お客さんに光をあててもらい輝き続けられればとの思いから。

 上田さんは、蕎麦こだわりを持ち、何種類かの蕎麦を用意している。上田さんがオリジナルでアレンジした「一九田舎細打ち麺」は、大変好評で、小麦粉1に対して蕎麦粉9の割合で、普通太くて短い田舎そばが、ここでは、細くて長く仕上げている。蕎麦の風味が良く、歯ごたえがあり、蕎麦通には癖になる。

 また、有名ブランドの蕎麦粉を入手したり、韃靼そばなど、珍しい蕎麦も提供。道産蕎麦粉100%を使用している。

 営業時間中であれば、夜中でも打ち、最近では、いかに乾燥をさせないで短時間で打つか、挑戦を重ね、現在は20分以内で打てるそうだ。蕎麦を打つ姿勢は真剣だ。蕎麦つゆも特製で、蕎麦打ちから盛り付けまで、すべて、上田さんが行っている。そんな多忙な上田さんの協力な助っ人は、同級生だった奥さん。店内を明るくしている。

 マッチョな店主は、蕎麦以外にも凝り性で、学生時代はサッカーに夢中で、明けても暮れてもサッカー。現在は1,200ccのバイクに夢中だが、全国大会クラスのオセロの実力も持ち、ゴルフも目標を決めてプレイしていたそうだ。

 そば打ち体験教室やプロ養成コースを開講し、蕎麦打ちを伝授。美味しいカニを求めて根室へ花咲ガニを買い付けに出かけたり、増毛のエビや寿都の牡蠣を、店のイベントを催して、お客さんに提供し、好評を得ている。上田さんも食べることが大好きで、美味しいものを食べたいと思う気持ちが行動に出ている。大変フットワークの良いマスター。

 蕎麦に合う日本酒にもこだわり、全国の辛口種15種類ほどを揃え、女性客にも大変喜ばている。日本酒に合う肴も提供。そのひとつに、「藁焼き鰹の塩たたき」がある。だしに鰹を使う関係から鰹に目を付けた。高知県の名産で昔ながらの製法で作られたものを、新玉ネギとニンニクチップとミョウガを薬味に味わう。

 全国から、蕎麦を目当てに旅人が訪れ、東京から年2回必ず訪れる人もいるそうだ。今後の夢は、そばビルを建てること。蕎麦打ちの名士に、心まで打たれたお客さんも多い。

手打ち蕎麦 そば処 月

小樽市花園3-8-18
営業時間:平日17:00~3:00、日曜・祝日17:00~0:00
定休日:4日・14日・24日(4のつく日が金・土曜日の場合はその週の日曜日)
TEL&FAX:0134-61-1276

お店のHP
2014年8月のベストマスター
イタリア料理 バリロット(Barilotto)

對馬 武マスター

 今春から、屋台村レンガ横丁の村長に就任した、イタリア料理「バリロット(Barilotto)」のオーナー對馬武(とうまたける)さん(33)は、パスタ好きが高じてイタリアンシェフになった小樽っ子。

 本人いわく、「村長というより、校長先生や担任の先生から指示を受けて、仕事を行う学級委員長という感じです」。

 店名の“バリロット”は、イタリア語で小さな樽を意味し、小樽にちなんで對馬さんが付けた。

 子どもの頃は、小学校から高校まで野球部に所属し、現在も朝野球チームに参加する根っからの野球好き。

 カフェバーに勤務した頃、パスタやワインに興味を持ち、調理資格を取得し、市内のホテルに勤務。そこで、同僚でもあり、小学校からの同級生に朝野球チームに誘われ、そのチームの監督が伊勢鮨の社長だった。

 社長のもとで魚の見方やおろし方など魚全般についての指導を受け、コース料理の1品を提供できるチャンスをもらい、常連さんが多い伊勢鮨で修行したことは、毎回違う物を提供する勉強になったそうだ。

 伊勢鮨がレンガ横丁にも店を出し、度々訪れる機会があった。空き店舗があるのを知り、思い切って自分の店を構える決心をした。オープン前に、自分が気になっている札幌と函館の店へ研修を頼むと、快く受けてもらい、パスタの作り方など惜しげなく教えてくれたそうだ。

 現在は2名のアルバイトがいるが、最初は、仕入れから仕込み、接客までひとりで切り盛りしていた。その都度、友達の手伝いもあって、みんなに支えられながら、今年9月末で丸3年目を迎える。

 イタリア料理を選んだのは、「昔からパスタが好きで、イタリア料理は日本人に合うと思うし、なんといっても自分が好きだったから」。

 開店して、地元でお世話になったカフェやホテル・寿司店のお客さんが来店してくれたり、今までは、友達が集まる時も仕事で参加できなかったが、集まる場所をバリロットにしてくれたりと、仕事をしながらでもみんなに会えるのが嬉しい。また、野球チームの先輩に魚屋さんがいて、新鮮な食材を選んで配達してくれているなど、様々な人の繋がりに感謝している。

 開店当初は、ランチを提供していたが、仕込みが間に合わず、現在は月曜日と木曜日だけ。将来的には、20席くらいの店を持ち、気軽にパスタを食べられる店にしたいという。

 おすすめの1品は、エビのクリームソースのニョッキで、当店一番人気。北海道産の小麦粉を使いもちもち感がある。通常メニューは、パスタ8種と1品料理5?6品、本日のおすすめのカルパッチョや牛肉のロースなども用意している。

 トマトやとうもろこしはもちろん、北海道産の旬の食材を中心にした料理を提供し、地産地消を心掛けている。休日は、気になる店へ出かけ、自己研鑽も怠らない。温かな人柄の對馬オーナーが腕を振るうイタリアンを食べに出かけてみよう!

イタリア料理 バリロット(Barilotto)

小樽市稲穂1-4-14 屋台村レンガ横丁
営業時間:12:00~14:00(月・木)、18:00~24:00(L.O.23:30)
定休日:水曜日
客席:7席・フリースペースあり
電話番号:090-1385-7974

2014年7月のベストマスター
小樽麺処 龍仁(たつじん)

鈴木 恵祐マスター

 龍宮神社隣の「麺処 龍仁(たつじん)」を前経営者から引き継ぎ、2013年12月から、鈴木恵祐さん(38)が店主を務めている。

 店主となったきっかけは、前経営会社からの誘いと建物を所有する龍宮神社(稲穂3)の本間公祐宮司の力添えがあり、兼ねてから念願だった店を持つこととなり、40歳前に夢を実現させ、新たな一歩を歩み始めた。

 鈴木さんは、埼玉県生まれの埼玉育ち。この業界に入るきっかけとなったのは、高校生の頃、ラーメン店でアルバイトをし、卒業後、社員となり、8年間の修行を兼ねて勤務。その後、来樽し、市内ラーメン店に勤務。さらに腕を磨いた。

 鈴木さんは、毎朝7:00に出勤し、仕入れから仕込み・接客・掃除まで、なんでもこなす。いつも笑顔で接客上手な妻の美雪さんと、二人三脚で店を切り盛りしている。

 塩・醤油・味噌の定番はもちろんだが、おすすめメニューは、店主オリジナル期間限定の「濃厚鶏白湯らーめん」。1月前から提供し人気となっている。口あたりが濃厚でとろみがあり、後味がすっきりした鶏のスープが自慢だという。

 また、経験を活かして研究に研究を重ね、スープに9時間もかけて仕込むというこだわりようで、絶対に妥協はしない。自分でも食べたくなるような物を常に考え、新しいメニューも開発中。

 土・日・祝日を含む毎日11:00から14:00まで、ランチとして、好きなラーメンとセットで半チャーハンやギョウザ・チャーマヨごはんが、各180円で食べられる。

 辛いことは?と尋ねると、“冬の雪投げ!”と即答。鈴木さんは、小樽へ来て13年経つが、雪かきが苦手。天気予報を見ては、がっかりしてしまったことが多々あった。

 逆に、お客さんに「美味しかった。また来るね!」と言われた時は、努力と苦労が報われ、喜びを感じる瞬間だという。

 建物は石造りで築80年の趣のある店内。しかしながら、1階が厨房で、客席が2階となるため、階段を上らなければならないが、お年寄りが一生懸命に階段を上り、ラーメンを食べに来てくれるそうだ。一方、おひとり様の女性客でも、くつろげるのが利点となっている。

 今後の夢は、もっと地元の人に店を知ってもらい賑わいたいという。

 鈴木さんは、「妻と2人で切り盛りし、アットホームな雰囲気。買い物帰りの女性客など、おひとりでも気軽に立ち寄ってもらいたい」とPRした。

小樽麺処 龍仁(たつじん)

小樽市稲穂4-11-2
電話・FAX:0134-21-2480
営業時間:11:00~20:00
定休日:水曜日
席数:カウンター5席・2人掛けテーブル2・3人掛けテーブル1・6人掛けテーブル2
駐車場:7~8台

2014年6月のベストマスター
いこいのBar 豊笑

豊田 英樹マスター

 JR小樽駅横の三角市場裏通りに「いこいのBar豊笑(とよしょう)」を、4月11日にオープンさせた、Bar長こと豊田英樹さん(38)は、小樽生まれの小樽育ち。

 子どもの頃は人見知りだったが、そう思われないように隠していたそうだ。高校を卒業後、ガソリンスタンドなどで仕事をしながら、家業の八百屋を手伝うようになった。

2008(平成20)年に店舗を南小樽から三角市場内へ移転。早朝に起き、市場への仕入れから販売まで店を切り盛りしてきた。

 8年前に他界した父親はビール好きで、父の夢で「いつか飲み屋を開きたい」と、母に話していたことをずっと覚えていた。また、八百屋だけでは厳しいこともあって、昨年の3月、バーを始めるなら、40歳前の今だと思い、準備を進めてきた。

 花園界隈ではなく、稲穂に開店を決めた理由のひとつは、小樽駅に一番近いバーになるからだそうだ。後輩にバーの経営者がいて、いろいろと教わった。苦労話を聞いたところ、“思いつかない”と言う。周りには温かい人ばかりで、恵まれおり感謝していると話す。

 店名の「豊笑」は、八百屋の「豊田商店」の“豊”と“商”を合わせ、みんなで笑って楽しめる店にしたいと、“商”を“笑”の文字に変え名づけた。

 店内の内装も自分でコーディネイト。照明は落とし気味で、天井や壁にはカラフルなタペストリーを飾り、カウンターの椅子は赤と黒で座り心地が良く、おしゃれ感満載。

 入口付近に、函館を拠点に活動する筆文字アーティスト・夢蔵さんがイメージする文字が、壁に大きく書かれインパクトがある。父親の写真も飾られ、友人らと一緒に懐かしむ。カラオケはなく、接客が好きな豊田さんのトークとお酒で楽しまてくれる店。

 健康的な笑顔が印象的な豊田さんは、夏は海、冬はスノーボードを楽しむ活発な青年。ここ数年は、忙しくてスポーツも休みがちだそうだ。早朝の八百屋の仕入れから昼間の販売。夜はバーで働く、超働き者。

 「まだ、開店して2ヶ月だが、今後、60歳、70歳まで続けたい。ちまたではよく“おもてなし”と言われるが、僕は、“おもいやり”を大事にしたいと思う。楽しみましょう」と、満面の笑顔でPRした。

いこいのBar 豊笑

小樽市稲穂3-10-16 小樽駅横 三角市場裏
営業時間:19:00~24:00
定休日:日・月曜日
電話:080-6063-1040
カウンター6席・テーブル12席

2014年5月のベストマスター
大爆笑Bar Sun&Peace

酒井 陽平マスター

とびっきりの笑顔を見せる酒井陽平さん(35)は、人力車えびす屋の俥夫スタイルの印象が強いが、この春から新たなスタートを切った。

独立して事業を行いたいとかねてからの夢を実現させ、大爆笑Bar「Sun&Peace」を、4月4日(金)に、市内花園にオープンさせた。

小樽出身の酒井さんは、子ども頃から元気で明るい子だったが、人見知りでもあった。高校卒業後、大工や土木関係、営業の仕事を経験。2004年にえびす屋に入社し、2010年からは同社の店長を務め、人力車のお兄さんと親しまれていた。

そんな中でも夢を捨ててはいなかった。自分でやっていて楽しい仕事をしよう、これからは、自分が楽しい場を提供したいと、もともと飲み屋の雰囲気が好きなこともあり、花園界隈の飲み屋に通いながら、昨年の夏ごろから真剣に転職を考え始めた。3月31日で退職し、4月2日(水)には、最速でプレオープンにこぎつけた。

店名の大爆笑Bar「Sun&Peace」」は、自分の名前の「陽」は太陽、「平」は平和の意味を組み合わせて名づけた。いつもみんなが笑顔で楽しめ、知らない人同士でも言葉を交わし、素敵な出会いがあり、人の輪を広げたいという。お1人様でのご来店も大歓迎!みんなで会話に入って楽しもう!カラオケはなく、定番の酒と、小腹がすいた人にはおつまみ程度を用意している。

爽快で気持ちの良い笑顔を振りまく酒井さんにも、苦労があっただろうと尋ねると、「苦労を苦労と思わない!」と常に前向き。そんな会話の中で、会社を辞める時に、「今の生活や家族のために続けるか?、それとも自分の夢に向かうか?」と考えたが、どうせ責任を持つなら、自分の店で持ちたいと根性で突っ走った。

今後は、イベントにも積極的に参加し協力していく。40歳、45歳とチャレンジ精神が生まれたら、また突っ走ることもありえるそうだ。

プレオープンには沢山の人が駆けつけてくれ、“酒井陽平”として付き合ってくれるんだと実感した。バーのマスターとしての酒井さんは、新しいレールの上を、しっかりとした足取りで歩き始めている。

大爆笑Bar Sun&Peace

小樽市花園1-11-18 GOT BLD No.1 2F

営業時間:19:00~26:00

定休日:不定休

席数:カウンター8席・ボックス15席

1人から飲み放題(90分間ビール含、男性3,000円・女性2,500円)