2019年 ベストマスター

2019年12月のベストマスター
酒食音 樽男

加藤 一寛マスター

 2019(令和元)年12月末に、店を経営し20年となる、多趣味で話題豊富な加藤一寛さん(47)は、音楽と酒が楽しめる「酒食音 樽男」の店主で、小樽花園にも詳しいひとり。

 19歳で花園からこの業界にデビューし、23歳で浮世通りに「パブカズ」をオープン。その後、大阪や名古屋で飲み屋やペンキ屋などを経験し、東日本大震災が起きた年に小樽に戻った。

 人生5件目となる同店を、2012(平成24)年6月14日にオープン。最初の店の常連が、今でも来店してくれるという。

 名古屋にいた頃、小樽と言えば“ルタオ”、そこから“たるお”を連想し、心の中で2年間温め続け、「樽男」に。

 2ヶ月に1度のペースで、DJやヒップホップライブを開催。豊富な種類の飲み物はオール500円に、居酒屋やホテルでの経験を生かした料理も提供。

 一寛マスターが作るオリジナルカクテルは、ネーミングがユニークで、「愛とは何か」、「僕の青春」、「三年目の浮気」、「運河のはしっこ」、「中学生」など、どんな味なのか気になるところだ。これは700円で販売している。

 歴代の店ではカクテルとビールを提供してきたが、樽男になってからはサワーも登場。中でもカツゲンサワーは一番人気だ。

 趣味のビリヤードは、9年前のプレ国体のアマチュア大会で優勝するほどの腕前。3回出場して金・銀・銅を獲得ほど。ビリヤード歴30年、知る人ぞ知る名選手。

 現在は、テニス肘の術後観察中のため、残念ながら休止中。年末の大会出場で復帰を目指している。また、今年人気のラグビーを、中・高・社会人と続けていたラガーマンでもある。

 飲み屋だからと気負わず、待ち合わせにしたりと気軽に来店出来る店、ジュース1杯でも寄れる店にしたい。

 これまで出会った先輩から、料理だけではなく接し方や接客を学び、営業中は、1滴たりともお酒を飲まないと心に決め、1号店からずっと守り続けているという。

 小樽の高齢者や体の不自由な人、子どもも楽しめる遊び場を作りたいと夢を語るマスターは、「ぜひ、気軽に立ち寄ってください」とPRした。
 

酒食音 樽男

小樽市花園1-12-6
営業時間:月〜木曜日19:00〜26:00
     金・土曜日19:00〜27:00
定休日:日曜日
電話:090-6211-4729

お店のHP
2019年11月のベストマスター
小樽山小家 BACK PACKERS

山岡 大マスター

 小樽山小家 BACK PACKERSと姉妹店のOTARU NUPURI HOSTELの2軒の宿屋を営む山岡大さん(37)は小樽出身。各地を旅し小樽に戻って7年となる。

 旅が好きでバックパッカーで泊まり歩くうち、宿屋を開きたいとの思いから宿での仕事経験も積み、高知出身の妻・麻希さんと共に、地元小樽で夢を実現させた。

 2014(平成26)年9月にオープン。苗字の山岡と、小さいな家の意味から「山小家」と名付けた。

 得意なスノーボードを活かしてニセコや富士山8合目の山小屋で働き、ご来光や雲海をいつも見ていたという山岡さんは、宿屋オープン前には、小樽観光を紹介しながら人力車の俥夫も経験。今ではその経験を生かして、宿泊客に小樽の名所や魅力も伝えているという。

 家族が過ごすリビングルームを開放して、旅人同士が交流したり会話を楽しむ場所を提供。リビングルームの窓からは電車が見え、隣の和室には旅や山・音楽・小樽に関する本もあり、毎年10月開催の本とアートを楽しむ「おたるBook Art Week」にも参加している。

 小樽を気にってもらえるよう、小樽の良さを伝えることを心がけている。利用客には、日本人も多く、リピーターや仕事で長期宿泊する人も。

 この宿が気に入り、毎年訪れてくれる人もいて、再び宿泊してくれた時には、宿屋をやって良かったと思う瞬間でもある。

 山小家での出会いがきっかけとなり、結婚したカップルも数組あり、縁結びができたと喜んでいる。

 山岡さんは、「宿として山小家を気に入ってくれて、小樽も好きになり、小樽に住みたいと思う人が増えてくれれば、なお嬉しい。家族3人で経営しているアットホームな宿に、ぜひいらしてください。一人旅大歓迎です」とPRした。

 姉妹店のOTARU NUPURI HOSTELは、2017(平成29)年1月にオープンした女性専用のゲストハウスで、ヌプリはアイヌ語で“山”を意味する。

 どちらも予約はHPから。

小樽山小家 BACK PACKERS

小樽市稲穂5-25-5
電話:0134-23-5700
定休日:無休(都合による休みあり)

姉妹店
OTARU NUPURI HOSTEL
小樽市稲穂3-7-14 平田ビル2階
電話:0134-55-5780

お店のHP
2019年10月のベストマスター
Tomo's carving

佐藤 友保マスター

 小樽出身のカービング(木工芸彫刻)作家・佐藤友保さん(62)は、自宅を改装して、今年6月2日(日)カービング教室と工房、ギャラリーを備えたカフェ「Tomo’s carving」オープンさせた。

 場所は、豊川町郵便局側にある郊外の住宅地。子どもの頃からものづくりが好きで、個展の反響もあったことやいつか店を持ちたいという夢と、妻の勧めで、3月末の退職を機に新たなスタートを切った。

 店内の棚や壁は、佐藤さんの手づくりで、2階へ続く階段を本棚で仕切った工夫も施され、寛げる雰囲気に溢れている。

 カフェでは、中央市場にある友人の焙煎コーヒー店「CHAFF(チャフ)」から仕入れた豆を使用したコーヒーを味わいながらの作品鑑賞ができる。オーナーのおススメは、アイスクリームにエスプレッソをかけた「エスプレッソアフォガード」。昔ながらのカキ氷やビールも。

 ギャラリーとして、雀やベニマシコなどの鳥、友人や家族、著名人などの人形ガービング作品20点をはじめ、カード立てやマグネットなどの小物も販売している。

 友人や知人がモデルのカービング作品は、完成するとモデルになった人にプレゼントしているため、ギャラリーでは、プレゼントした人から借りて展示しているという。

 また、4年前から工芸部門(カービング)で道展にも挑戦し、2016(平成28)年の初応募は、中学校の副担任をモデルに特徴を捉えた作品。2017(平成29)年は、昔の写真に映る祖父と幼い佐藤さんを製作。2018(平成30)年は、ロッククライミング練習場の赤岩の壁をカービングで再現した、ロッククライミングを趣味とする佐藤さんならではの道展入選作品も展示している。今年の道展応募作品は、すでに完成しているという。

 カービング教室も開講し生徒を募集している。カフェの営業時間にあわせて、1回2時間で月4回6,000円(月謝)で、都合の良い日を選び、木製スプーンやペンダント、作りたいものの写真を持参し、楽しみながら学ぶことができる。

 「木が少しずつ形になっていき、もっと先に進みたくなる。ものづくりをする人なら、みな感じることでは」とカービングの魅力を語る。

 今後は、自分の作りたいものを作品にして販売したいとし、「カフェでお茶を飲みながら作品を観て、作りたい気持ちになってもらえれば」とPRした。

 これまでに、あとりゑ・クレール(梅ヶ枝町)、市立小樽美術館(色内1)、東京銀座で作品展を開き、長橋なえぼ公園内森の自然館に展示中のバードカービングは、佐藤さんが製作して寄贈したもの。

Tomo's carving

小樽市豊川町17-12
電話:090-9758-4910
営業時間:13:00~20:00
定休日:水・木曜日

2019年9月のベストマスター
串焼大将花園店

佐々木 健二マスター

 浮世通りにある「串焼大将花園店」のオーナー・佐々木健二さん(42)は、小樽出身で、小樽・札幌に串焼店舗等を展開する株式会社北海道テイストの代表取締役。(写真右奥が佐々木氏)

 旅行会社に勤務していた頃、山梨県の名店「串焼大将」の社長に、ニュージーランドを案内したのをきっかけに、ニュージーランド店立ち上げにも携わり、昼は旅行会社で、夜は串焼店を手伝い、店はニュージーランドで人気店となった。

 ニュージーランドで5年、オーストラリアで1年間を過ごし、自身も脱サラして店を持ちたいと、社長からノウハウを教わり、暖簾わけもしてもらい帰国。異国で、小樽を離れてこそ分かる小樽の良さを実感したという。

 父が営む塩谷の鮮魚店の横で、テイクアウト専門の串焼大将をオープンさせた。初日の売上は600円、苦いスタートとなったが、その後人気が出て、現在も塩谷で13年、2015(平成25)年6月に花園でオープンし5年目となる。

 おススメの串焼は、師匠直伝の秘伝のタレを使った大ぶりの豚串。実家の鮮魚店から直送の刺身は、売り切れるほどの人気。海老やつぶ、たこなどの魚介系串も。佐々木さんの好きなソフトクリームも提供。

 蟹漁をしている先輩直送のベニズワイガニの足を、1kg入りの蟹バケツにして1,500円で提供。ベニズワイガニが食べられるのは市内でも少なく、直送だからできる安値。昨年の11月から市民のためにと始めた太っ腹なメニュー。禁猟期と時化以外は提供できるそうだ。

 バーボンと黒糖の優しい甘味のご当地ハイボール「小樽セピアハイボール」提供店の先がけとなる。

 常連の夫婦が暫くぶりにご主人1人で来店。奥さんが亡くなられ、入院する前に最後に食べたいと、ここで食事をした話を聞いてもらい泣きし、亡き奥さんの分も席を作りお絞りとドリンクを出したと、エピソードを語ったマスター。

 経営理念にある、「自分だけの幸せではなく、スタッフも幸せになれるよう努力すること」を常に心がけている。

 今後は、2名の正社員を中心に、50店舗開店が目標。みんなが幸せになれば、自分も幸せになれる精神が常にある。

 佐々木さんは、「この店の一番は、スタッフに自信があること。ぜひ会いに来てください」とアピールした。

串焼大将花園店

串焼大将花園店
小樽市花園3-10-14
電話:0134-23-4411
営業時間:17:00~23:00(L.O22:30)
定休日:なし

2019年8月のベストマスター
パフェとお酒・・・BETSUBARA(ベツバラ)

石黒 亨マスター

 夜の喫茶店「パフェとお酒・・・BETSUBARA(ベツバラ)」の店長・石黒亨さん(35)は、小樽出身の気さくな好青年で、小樽を楽しくしようと考えているひとり。高校卒業後、上京するも故郷に戻り、28歳から自営の道へ。

 これまでの経験を活かして、パフェをメインにした店を、2018(平成30)年12月3日にスタートさせた。パフェを提供する店は石黒さんも初めてで、同店は、2018(平成30)11月に立ち上げたAMANEKU合同会社の1号店となる。

 店名は、まさに甘いものは別腹から由来している。店内は、同社の同僚が手がけ可愛らしい雰囲気のデザインが施されている。

 なぜ花園でパフェなのか尋ねると、2次会は酒を休みたい人・ゆっくりしたい人に、札幌で流行のインスタ映えする〆パフェを、小樽で、特に老舗スナックやバーが犇めく花園1丁目界隈で楽しんでもらいたいと・・・。

 お客さんの意見を取り入れつつ、自分でも食べたいパフェを開発。飲み会や食後の〆パフェは、学生や家族連れ・女子会にも利用して!と、花園に新しい風を吹かせている。

 今夏のおススメは、12~15個の角切りマンゴーが入ったマンゴーパフェ。黄色いマンゴーと白のバニラアイスに赤のラズベリーソースをかけ、豪華で見栄えが良く味も満足させる。どれもインスタにアップすると100円引きとなる特典付きだ。

 小樽で提供している店は少なく、知らない人も多いため、お酒を飲む人には、ラクレット(スイス及びフランスサヴォア地方の料理)をお通しとして、儲けなしで提供している。

 お客さんと店の意見を融和させてアレンジし、次回来店時にはその変化をつまみに盛り上がり、皆が喜んで楽しみながら店を作っている。飲み放題プランもあり、常に低価格で楽しめる店だ。

 客が客を呼んで人が集まり、最近は、若い女性も多く、身の上話や恋愛相談の場になることも。

 ベツバラとしては、昼カフェと夜カフェができるようしっかりと土台を作り、企業としては、飲食をメインに昼間の開店も考えている。

 小樽を考えている1人として、小樽でも働けるように、独立したい人への橋渡しができればと語る。

 石黒さんは「とりあえず、1度来店してみてください」とPRした。

パフェとお酒・・・BETSUBARA(ベツバラ)

パフェとお酒・・・BETSUBARA(ベツバラ)
小樽市花園1-11-16 TAハイツB1階
電話:0134-26-6915
営業時間:19:00~27:00(L.O26:30)
定休日:日曜日・祝日

2019年7月のベストマスター
たじぺい

田島 真士マスター

 花園公園通りと並行する浮世通りの居酒屋「たじぺい」の店主・田島真士さん(40)は、千歳出身で、サラリーマンを辞め、2010(平成22)5月に小樽に移住。2ヶ月後の7月14日にオープン。今月で9年目に突入する。

 店名は、田島の“たじ”と、小樽出身の妻・弥生さんの父の名前“へいじ”を掛け合わせ、感謝の意を込めた。

 家飲みをしているようなアットホームな雰囲気の地酒とおうちグルメの居酒屋で、身近な食材を使い、ほっとできる手づくりの家庭調理を提供している。

 また、宴会を楽しむグループや予約して来店したお客さんには時間制限がなく、開店から閉店まで、長時間ゆっくり寛いでもらえるよう心がけているという。

 店主は接客と酒を担当。酒好きが高じて、おススメの日本酒が常に25本~30本用意され、それぞれの好みにあった酒が提供できる。

 酒を身近に感じてもらいたいと値段も手頃に。お客さんから教わる酒情報も貴重な宝、常に勉強を怠らない努力家でもある。

 一方、調理担当は弥生さん。数々の自慢料理の中から、ひとつ取り上げるとすれば、裏メニューの「たこぺい焼き」。小樽産のタコが手に入った時のみの限定品。

 四角いお好み焼きのようなたこ焼きで、子どものお客さんが「たこ焼きないの?」のリクエストがきっかけ。卵焼きのフライパンで作り、さらにアレンジして完成させた。「小樽ジャーナル見たよ!」で注文に応じてくれる。

 夫婦の絶妙なコンビネーションで、お客さんをもてなす。さらに、地域を盛り上げようと、浮世通りの店主ら5名が集まる“浮世通り界隈盛り上げ隊”のメンバーでもある。4年前から、レンガ横丁のアンテナショップや花園町でのビアガーデン、おたる潮まつりに出店し活動している。

 知人もいなかった小樽で、小樽を盛り上げようと頑張る仲間に出会い、お客さんにも恵まれ、店を広げることよりも、イベントや集まりを通して、小樽を盛り上げたいと語る。

 「家庭料理を味わいながら、ゆっくりお手頃価格で飲める店。家族連れもご来店を。また、浮世通り界隈盛り上げ隊が、おたる潮まつり会場・たじぺいブースで待ってます」とPRした。

たじぺい

たじぺい
小樽市花園3-9-6 美商ビル1階
電話:0134-33-0373
営業時間:17:00~23:00(L.o.22:00)
定休日:不定休

2019年6月のベストマスター
CAFE&BAR STANDO SHARAKU

大竹 正也マスター

 小樽中央市場3棟(3-11-3)入口横の写楽カメラ店があった場所に、2018(平成30)年12月13日から、CAFE&BAR STANDO SHARAKUをオープンさせ、半年が過ぎる。
 
 代表を務める大竹正也さん(38)は、小樽出身で10歳まで梁川通り商店街を庭のように慣れ親しんでいた。
 
 友人の仕事を手伝うために、27歳で沖縄に移住。8年間を過ごすが、同店舗の場所で同カメラ店を営んでいた父が病気となり帰郷。父が亡くなり、3代目として店を引き継いで2年間営業を行った。
 
 気軽に立ち寄れる店をとカフェ&バーに転業。今まで営業していた店「写楽」という、小樽の人に馴染み深い名を使用し、新たな道を歩み始めた。
 
 大竹さんが店を1人で切り盛りし、沖縄の蔵元・久米仙酒蔵の泡盛も取り寄せ、地元の小樽ビール・日本酒・カクテルなど、ドリンク70種類を揃えた。
 
 立ち飲みスタイルで、チャージなしのリーズナブルにシステムを設定し、ドリンク類はすべてテイクアウトできる。
 
 おススメのピザは、手づくり生地にパルマ産の生ハムとモッツァレアチーズのシンプルなトッピング。ランチタイムではピザセットでも提供している。
 
 場所がら、観光客も多く来店するため、小樽の楽しめる場所や情報を事前に調査して案内したり、小樽について紹介できるよう下調べをして、その都度紹介している。
 
 これから沖縄旅行を計画中の人には、沖縄の穴場やとっておきの楽しみ方を教えてくれるそうだ。
 
 店では数々のドラマがあり、常連さん同士が何年かぶりに再会したり、外国人旅行者と地元の人が仲良くなったりすると、営業して良かったと実感する時でもある。
 
 今後は、商店街に飲食店などをもっと増えて、子どもの頃のようは賑わいが戻ってくれることを願っている。
 
 店舗前が祭り会場となる龍宮神社例大祭は、一緒に祭りを盛り上げていきたいと考えていて、今からとても楽しみにしているという。
 
 大竹マスターは、「近くに来た時にふらっと気軽に寄って!店で飲んだり、持ち帰りもできます」とPRした。
 

 

CAFE&BAR STANDO SHARAKU

CAFE&BAR STANDO SHARAKU
小樽市稲穂3-11-3 小樽中央市場ビル1F
電話:0134-24-1155 FAX:0134-24-1156
営業時間:11:00~15:00(LO14:30)・18:00~22:00
定休日:日曜・不定休

2019年5月のベストマスター
リラクゼーションスポット ニコ

神田 智司マスター

小樽温泉オスパ(築港7-12)でマッサージルームを構える「リラクゼーションスポットniko」のオーナー神田智司さんは、大阪出身の51歳、小樽に移住して21年。獣医師の資格を持つ珍しいセラピストでもある。

江別の酪農大学獣医学科で基礎医学を学び、在学中の春休み、タイの山岳部をレンタルバイクで旅行。タイマッサージと出会い、「なんて気持ちが良くて、痛みの取れるマッサージなんだ!」と感動。当時、まだ日本にタイ式マッサージという言葉はなかった時代だった。

卒業後は、高知県の動物病院に勤務。“天職とは何か?”と模索し、厨房で働いたり、住込みで農家の手伝いをしたり、軽トラでわらび餅とカキ氷を売り歩くなど、あらゆることに挑戦。

その中で、一番楽しくお客さんを喜ばせた仕事が、大阪で勤めたクイックマッサージ店。しかし楽しい店も、ある日閉店することに。それを機に、再び江別へ戻り、そして結婚。

家庭を持ったことで、ススキノのマッサージ店と小樽の藤原治療院を掛け持ちし、通勤時間1時間半・14時間勤務のハードワークを頑張った。1年後に小樽に引っ越し、湯の花にも派遣され、技術を磨きながら、治療院の運営も経験した。

独立を考え、タイのチェンマイでタイマッサージのライセンスを取得。その足で、ネパールへ向かい、アーユルベーディックマッサージとヨガ指導員のライセンスも取得。

帰国後、2001(平成13)年に小樽温泉オスパでベッド1台のスペースを借りて開業。現在、スタッフ5名と神田さんと妻の7名が、オスパと5軒のホテルで、リラクゼーションマッサージと足裏マッサージを行っている。

獣医時代の解剖や手術で、筋肉や関節の構造を直に学んだことが、今の仕事に役立ち、マッサージを受ける人の気持ちになって施術を心がけている神田さんは、獣医師ならではのマッサージを施す。

また、趣味も多彩で、冬はスノーボード、春~秋はボディボードやカヤックフィシングを楽しんでいる。趣味のスノーボードでは、怪我や疲労の度合いを、我が身を以て治療を知る手がかりとなり、この冬はオリンピックスキーハーフパイプ出場のAnais CARADEUX選手が連日来院し、とても気に入ってくれたという。

開業後は長い休みがなく、もし1週間休めたら、カヌーにテントと釣り具を積み込み、積丹半島を漕いで・釣って・キャンプして、ぐるりと巡りたいそうだ。

「タイ式マッサージと言えば、関節技ストレッチというイメージが強いですが、お客様1人1人の希望に答えるようにアレンジいたしますので心配いりません。ストレッチが苦手な方は避け、指圧の力加減は強くも弱くも調整し、辛いところとその関連筋は長めに。臨機応変オーダーメイドで受けたら、辛い気分もゆったりした気分になれるでしょう。キネシオテーピングも学んだので、希望者にはテーピングもできます。気楽にお越しください」とPRした。

リラクゼーションスポット ニコ

小樽市築港7-12 小樽温泉オスパ内
電話:090-2070-8308
オスパ:0134-25-5959
営業時間:12:30~24:00
定休日なし

2019年4月のベストマスター
小樽市民食堂

真鍋 剛史マスター

2016(平成28)年5月10日、小樽市民会館(花園5)地下1階にオープンした、有限会社山上菊池商店運営の小樽市民食堂が、今年2月18日にリニューアル。好きなものを好きな量だけ食べられる量り売りランチをスタートさせ、人気を集めている。

料理長を務める真鍋剛史さん(38)は小樽出身で、妻の亜紀さんと二人三脚で切り盛りしている。

剛史さんは、高校・短大と市内老舗蕎麦屋藪半でアルバイトを続け、その後、同店に就職。調理の世界で頑張っていたが、繁忙期の12月に、なんと蕎麦アレルギーが発覚。辞めざるを得なくなり転職。

好きな料理を作る仕事を続けたいと、同店舗の求人に応募。新メニューを開発できる人が求められていたため、入社を決意。ずっと調理を担当し、さらに蕎麦アレルギーも克服した。

リニューアル後の量り売りランチの目玉は、常連客リクエストの『からあげ』。ローストビーフやエビチリ、サラダや煮物など約20品以上の料理が並ぶが、7~8割のメニューを変え、毎日来ても飽きることなく、美味しくランチを楽しめる。

こだわりは随所にあり、道産米きたくりん・ゆめぴりか・おぼろづき・ななつぼしを日替わりで、白米と炊き込みご飯に。ご飯と味噌汁は食べられる分を自分で盛り付け、おかわりはできないが大盛はOK!1g2円で惣菜を計算する。気に入った惣菜はテイクアウトもできる。

小上がりにキッズルームを設け、ママ友同士の交流の場としての活用もできる。長時間の使用も大丈夫。

食後のコーヒーは150円で提供。コロンビアブレンド・マンデリンブレンド・吟煎ブレンド・モカブレンドの4種類を、これも日替わりで提供している。

剛史さんと亜紀さんで、可能な限り道産食材を使った料理を考え、レジは亜紀さんが担当、料理は剛史さんが作って補充する。セルフサービスの量り売りランチは、人件費削減にも貢献しているという。

リニューアルしてから、お客さんがお客さんを連れて来てくれることが多く、お客さんの口コミのお陰だと感謝している。

今後も飽きさせないよう、剛史さんは料理番組を録画しメニューの開発に余念がない。時には、ケンミンショーで紹介されものを、翌日こっそり並べていることもあるそうだ。 「ぜひ食べに来て、楽しんでください」とPRした。

市民会館のイベントに合わせ、ランチ時間や営業時間を延長することもあり、また、17:00以降は貸切使用ができるので、宴会を希望する人は連絡を。

なお、4月は、7日(日)・27日(土)が休みで、20日(土)・28日(日)・29日(月)は、ランチタイムのみの営業となる。

小樽市民食堂

小樽市花園5-3-1 小樽市民会館地下1階
電話:0134-31-6200・FAX:0134-31-6201
営業時間:11:30~17:00(L.o.16:30)
量り売りランチタイム11:30~14:00
定休日:不定休

2019年3月のベストマスター
ビストロ Katabami

酒井 満好マスター

ガラス張りのこじんまりとした佇まい、ビストロ「Katabami」のオーナー酒井満好さん(35)は、小樽生まれの小樽育ち。生粋の樽っ子だ。

ずっと店を持ちたくて、25歳の時に料理の世界へ。レストランやホテルで研鑽を重ね、夢を実現させた。

静屋通りから路地を少し入った静かな場所に、花屋だった店舗を見つけ、自分の描く店のイメージと一致。2018年1月22日にオープンし、1年が過ぎた。

ワインやフランス料理を気軽に楽しめ、お客さんと間近で接することができるようしたいと、カウンター6席のこじんまりした店内は対面キッチンにして、レストランというよりも、誰でも気軽に入れる食堂のような雰囲気を心掛けている。

店名の「Katabami(カタバミ)」は、酒井家の家紋で、非常に繁殖力の強い野草のカタバミのように根強く、「喜び」という花言葉もあり、小さい頃から人を喜ばせるのが好きだったところから名付けた。

小樽のワインをはじめ、スパークリングや赤と白を5種類ずつ用意。ボトルの他にグラスでも注文できる。

ワインが苦手でも初心者でも、ソムリエ資格を持つマスターが、料理に合うワインをチョイスしてくれる。

仕入れから仕込み、調理まで、じっくり時間をかけ納得のいくものを提供するため、日々努力している。地元の旬の食材を使い、2・3月は小樽の鰊を使ったテリーヌを提供。人気の自家製キッシュやフォカッチャは、テイクアウトもできる。

目の前のお客さんが、「美味しい」と喜んでくれるのが、何よりも嬉しいという。

リピーターも多く、ついつい会話が弾み、夢中になることも。もっと良い料理を作り、もっと喜んでもらえればと、毎日勉強中だ。

「気軽にワインと料理を楽しんでください」と笑顔でPRした。

ビストロ Katabami

小樽市稲穂2-16-6
電話:0134-26-6481
営業時間:17:00~22:00
定休日:水曜日・第2木曜日

2019年2月のベストマスター
十割蕎麦と天ぷらの店 小樽北勝庵

曽根 俊彦マスター

美味しさと健康をコンセプトに、歴史的建造物である旧後藤商店(色内1)の1階に、2018(平成30)年9月30日(日)にオープンした、十割蕎麦と天ぷらの店「小樽北勝庵」店長・曽根俊彦さん(64)は、東京から9月に小樽に移住したばかり。

出身は富山県で、「大雪には慣れているが厳しい寒さには驚いた。小樽は住みよい町で、山と海があり、こじんまりとしているが、見るところや歴史もある」と気に入っている。

曽根さんは、コーヒー店やダイニングバー、カレーショップなどを経営し、業界45年のベテラン。昨年4月末で自分の店を閉めたところに、20年来の親交がある同店社長の「地元の人と一緒に小樽を盛り上げたい」という思いに賛同し、店の土台作りや経営管理を頼まれ、店長に就任。

主に蕎麦や天ぷらの調理で厨房にいることがほとんどだが、手が空いた時は接客も行い、地元の人との会話を楽しみにしている。

グルテンフリーの十割蕎麦と米粉と色付け用とうもろこし粉を使った天ぷら、北海道産そば粉や昆布・本かつお・丸大豆醤油など、食材にもこだわり“健康美人食”をテーマとしている。

つなぎを使わない十割蕎麦は手打ちではないが、これに合わせた機械を導入したことで、香り高くコシがあるそばが提供できる。

天ぷらも油分を4割カットする製法で、脂っこくない天ぷらが提供でき、年配の方やカロリーが気になる方にも安心して食べてもらえる。

お奨めは、「もちろん、もりそばを味わってもらいたい」が、仕事帰りには、ニセコ・小樽・旭川・富山などの日本酒1杯と酒の肴3品と天ぷら3品の「今日もお疲れ様セット」を1,000円で提供しているので、蕎麦屋の粋な嗜み方をもっと多くの人にしてもらいたいという。

常に美味しく食してもらうために、極力、お客さんの嗜好に合うよう薄い濃いなどの要望に応えている。

また、地元住民のためにイベントも企画。毎月10日は「天ぷらの日」として天ぷらALL半額、第4金曜日は「日本酒の日」で日本酒ALL300円、月末には「健康美人の日」で、もり・かけそば490円、大盛・特盛は無料で提供。

今度は蕎麦店には拘らずに、人が集う店を小樽で1、2件開きたいとのこと。

曽根店長は、「十割蕎麦をぜひ味わってもらいたい。イベントの大盛・特盛無料提供は、若い人の食欲を刺激したい」とPRした。

宴会2名~18名で予算に応じる。10名で貸切も。

十割蕎麦と天ぷらの店 小樽北勝庵

小樽市色内1-6-27 旧後藤商店
電話:0134-26-6464
営業時間
平日11:00~15:00・17:00~20:30(L.o20:00)
土・日・祝日11:00~20:30(L.o20:00)
定休日:火曜日

2019年1月のベストマスター
EZO Leather Factory

菊地 泰仁マスター

メルヘン交差点から港方面に少し歩くと、今年4月にオープンした蝦夷鹿皮専門店「EZO Leather Factory(エゾレザーファクトリー)」がある。

蝦夷鹿革を素材にした商品が8割を占め、財布やカードケースなど自社内の工房で製作したブランド“シンシア”や、札幌や帯広などの職人が作るおしゃれな商品をラインナップ。北海道に生息している鹿と職人から、「メイドイン北海道」をテーマに展開中。

代表の菊地泰仁さん(39)は、札幌市出身で札幌在住。市内のガラス工房ilPONTE(イルポンテ・色内2-1-19)内で皮製品の販売経験もあり、小樽とは馴染み深い。

蝦夷鹿の皮や角を使った商品は珍しく、観光客の北海道土産にも最適では?と、観光客の多い小樽に店を構えた。

蝦夷鹿皮の魅力は、柔らかくしっとりしていること。菊地代表も財布を愛用し、使い込むほどに光沢が出て経年変化が楽しめ、牛皮に比べて油を塗ったりするメンテナンスが必要ないので使いやすい。人気NO.1は、蝦夷鹿皮に伊達市の藍染を施した商品。最初の藍色が、使っていくうちに味が出てくる。

自社内に工房を構えることで、オーダーもメンテナンスにも即対応。例えば、財布のカードを入れるスペースを増やすなど、自分の使い勝手に合った気に入った商品が提供できる。

ブランド名の“シンシア”は、“誠実”の意味があり、理想に誠実に応えたものづくりを心がけているという。

菊地代表は、有害駆除を行うハンターでもあり、中川町が平成24(2012)年から実施の蝦夷鹿1頭の命を丸ごと繋ぐ「イノチヲツナグプロジェクト」に賛同。中川町の工場で解体し、皮・角・肉・油分と無駄なく使うことにも力を入れている。

小樽の店でも、蝦夷鹿皮・角製品に加え、鹿肉料理を提供し、鹿肉の販売もできればと、今後の夢を語る。

「“小樽ジャーナルのマスター記事を見たよ!”で、シンシアと自社製品に限り、フルオーダーとカラーオーダーを10%OFFにて提供したい。ぜひご来店を」と呼びかけている。

EZO Leather Factory

小樽市住吉町1-1
電話:0134-64-5313
営業時間:10:00~18:00
定休日:なし・年末年始(12月30日~1月2日)

お店のHP