伊藤 強マスター
小樽では珍しい、和風だしのお茶漬け専門店をオープンさせた伊藤強さん(39)は、小樽出身の小樽っ子。人生初のオーナーとなり、小樽花園を元気にしたいと郷土愛に溢れている。
場所は、2017(平成29)年4月にオープンしたおたる屋台村の新店舗・ろまん横丁内、店名は「和風だし伊藤圓」。一緒にオープンした6店舗とともに、横の繋がりを大切にしながら、店を1人で切り盛りしている。
伊藤さんは、これまで、物産展のバイヤーや小売業者へ卸す食品の営業、輸入車の営業などの仕事をしてきた。出張も多く、各地での見聞を広めてきた。小樽では見かけないお茶漬け店も、他の土地では馴染み深く、これを小樽で試みようと考えた。
自分が納得のいく気に入ったものを仕入れ提供できるのも、これまでの経験が生かされている。だしブームにあやかり、和風だしを強調してはいるが、雑貨屋風をイメージした店内は、おひとり様でも気軽に入れる雰囲気だ。
鮭節・利尻昆布・焼きあごなど、8種類の旨みの相乗効果を生かしブレンドした特製だしを使い、お茶漬けとコシがありのど越しが良い生うどんを提供している。また、酒の肴になる一品料理は、塩辛・ザンギ・つぶ貝・ローストビーフなどを取り寄せている。
マスターお奨めは“のり茶漬け”。だしに広がる黒ばら海苔の風味が絶妙。ご飯とだしに分けて提供するので、だしだけでも味わうことができ、濃厚なだしに惚れるお客さん続出。
まだ固定メニューだけだが、メニューのアレンジを考えたり、先輩のアドバイスを試作してみたり、少しずつお奨めを増やす努力を欠かさない。日々新鮮でやりがいを感じているという。6月からはランチも始め、夏季は生冷や麦も出す予定だ。
小樽観光協会の会員交流まちづくり副委員長を務め、小樽の観光に尽力してきたマスターは、小樽ナイトマップの制作にも携わり、人一倍、夜の花園を盛り上げたい強い思いがある。
お酒を楽しんだ人に、サラサラと食べられる締めのお茶漬けをと、夜中の3時、4時まで開けていられる店を検討。小樽をこよなく愛すひとりだ。
「小樽にない和風だし専門店のお茶漬けは、味のイメージがしづらいと思うが、まずは一度、来店して食べてもらいたい」とPRした。