永田 琢也マスター
天然皮製品と硝子の販売と制作体験の店「il PONTE(イルポンテ)」の硝子工房チーフを務める永田琢也さん(28)は、福岡市出身の九州男児。
漫画好きの少年が、中学生でガラスに興味を持ち、高校卒業後、富山県にある専門学校に入学、勉強に励んだ。卒業後は、山口県にある硝子工房に就職し、その後、縁あって小樽市内の工房へ。小樽に移り住んで7年になる。
同工房の本社は、株式会社太閤コミュニティー(本社:埼玉)で、小樽に出店して13年となる。現在の店舗は、小樽運河工芸館(色内2)跡に2年前に移転し、硝子工房も併設。永田さんがチーフとなった。
同店は、革製品・ガラス製品の製造販売と革小物・吹きガラス制作体験を行ない、永田さんは、ガラス部門を担当している。
「il PONTE」の「ポンテ」は、イタリア語で「橋」の意味があり、ガラス制作時に使われる専門用語でもあることから、商品とお客さんの架橋になれればと名付けられたそうだ。
永田さんの仕事は、ガラス製品の製造と、吹きガラス体験のインストラクター。小学生から大人まで、国内から海外まで広い客層が体験に訪れているという。
永田さん自身も、市内のガラス作家さんと積極的に交流を持ち、常に学ぶ姿勢を忘れない。職人さんから直接話が聞けるのは、小樽のガラス工房の良いところだそうだ。
小樽ゆき物語に関連して、JR小樽駅エントランスホールで開催のガラスアートギャラリーに4度目の出展。今回、スカル(頭蓋骨)を取り入れた作品を発表した。スカルをモチーフにした制作の注文を受けたことをきっかけに、そこからイメージが湧き広がっているという。
また、夏と冬に開催のがらす市の実行委員会に参加。グラスデザインコンテストの審査員や小学生卒業記念硝子製作体験実行委員会の委員長を務め、子ども達にガラスの魅力やものづくりの楽しさを体験してもらおうと活発に活動している。
永田さんにガラスの魅力を尋ねると、「柔らかさや透明さ、輝き、シンプルなところ」と答えた。
今後は、オーナメント系が主力商品となるよう開発に力を入れ、人気商品を生み出したいという。机などに置くだけではなく、壁に掛けたり発展させた商品を発表できるよう力を注いでいる。
「ガラスと革の制作体験ができ、珍しいエゾジカの革を使用した制作体験もできる。ガラスと革のコラボ商品なども増やしていきたい」と話した。
休日には、子どもと遊ぶ時間を大切にするなど、優しいパパの顔ものぞかせていた。