谷口 尚明(なおあき)マスター
小樽の観光名所・小樽運河の浅草橋交差点角にある小樽出抜小路の鮨処「おたる」の店長。
登別市生れ。小中学校を経て、高校に進むが間もなく学校をやめ、苫小牧の寿司店で職人修業に。
その後、東京にいた叔父さんの紹介で、料理店(割烹)に勤める。10年間の東京修業が、その後の大きな力になったという。
28才で独立し、東京向島に季節料理の店を出す。5年が経過し、出店のための借金がなくなった頃、妻との離婚話が出て、「追い出された」。「貯金や車、家は、ジャンケンをして負けしまい、全部取られてしまった。アハッハ。残ったものはバイクだけだったけど、今でも3人の子供の養育費を送っているよ」
離婚後は、気分転換のため、アメリカにいた知人の紹介で、和食ブームのアメリカに。ワシントンDCにいて、車やバイクでオークランドからマイアミに旅行したりした。アメリカは、日本のようにガムシャラに働くのでなく、コセコセしていないで、ゆったりとしているので、楽しかったという。
「金土は、クラブに行ってストリップをよく見た。チップをやるとガンガン来ましたね。アハッハ。アメリカ滞在は、数か月と短かったが、良い経験になった」と笑う。
33才の時、かねてからの知り合いである小樽の寿司店の経営者に進められて、小樽にやって来た。丁度、小樽出抜小路が出来た頃で、そこの寿司店に半年ぐらいいたが、今度は、出抜小路の運営会社にスカウトされ、現場で焼鳥店を任された。今は、寿司店を任されている。入社して既に6年がたった。
「今年は震災の影響が大きかった。3月から5月までは客が来ないで、ガラーンとしていた。夏になってようやく上向いたが、10月になってまたガタッと落ちている。これから雪が来たら大変だよ」と頭を抱える。
料理の腕の良さが知られており、小樽の常連客の支持も多い。明るい性格と達者な話しぶりで、客の応対の感じの良さが心地良い。
小樽で再婚して、4才(男)と1才(女)のパパに。「いつか東京に帰ろうと思っていたが、子供が出来てしまい、もう小樽っ子になるしかしょうがないか。アハッハ」
今が男盛りの44歳の寿司店のマスター。