高石 史康マスター
「小樽にも、札幌に負けない美容室があるということをアピールしたい」
4月に、小樽桜陽高校に上る通り沿いのバス停「市立小樽医療センター前」にオープンした美容室「INCONTRARE」(長橋3・インコントラーレ)のオーナー。
漁師町の塩谷で生まれ、「漁師になれ」と育てられた。18歳の時に見たテレビドラマ「ビューティフルライフ」で、美容師を演じたSMAPの木村拓哉にあこがれたが、「美容師になりたいなんて、両親には言えなかった」とつぶやく。
高卒後、親の下で働き、カレイやヒラメなどの漁を行った。「寒さと眠気との戦いで辛かった。若かったから遊びたい一心で、寝ないで深夜2時から仕事をすると、その日はずっと具合が悪かった」と振り返る。
2年間漁師の仕事を手伝い、美容専門学校のための資金を貯めた。金を払ってしまえば、親に、美容師になりたいと強く言えそうな気がした。
学校に入学すると、札幌の美容室で働きながら技術を学ぶ日々に明け暮れた。やるからには自分の店を持ちたいと猛勉強した。努力した結果、28歳で美容室をオープンすることが出来た。
「札幌の中央区の美容室で働いていると、小樽の人が髪を切りに来ていることが分かった。なんでだろうと不思議に思ってお客さんに聞いてみると、小樽の値段が高いとか、札幌の方がうまいと思っている人が多かった。小樽で美容室をやっていきたいと思った理由のひとつがこれ。小樽でも良い美容室があるということを認知させたい」と語る。
“No Beauty No Life(美しさの無い人生は考えられない)”を掲げ、見た目だけでなく髪質の美にもこだわる。髪に優しいパーマ液を使い、オリジナルのトリートメントを作るなど、日々研究する。「俺が出来ることは、お客さんをキレイにすること」
「お子さんがいる主婦の方もお店に来てくれるが、子供がいてゆっくり時間が取れないと話す人がいる。子供を産んでもキレイになりたいという女性のために、5年後には託児所付の美容室にしたい。色々な国を旅することが趣味で、3年前に訪れたカンボジアに美容の学校を建てることが夢。向こうの子供たちは学ぶことが大好きで、学校に行きたがる。お客さんから頂いた料金から100円ずつ貯めると、100人来店して頂ければ1万円になって、1万人になると100万円になる」と、大きな夢を抱く美容師。28歳。実現のために一歩ずつ進んでいる。