横山 哲也マスター
市内各地を車で移動して、焼きたてホヤホヤの“たこ焼き”と優しい笑顔を配る。
樽っ子“たこ焼き”職人は33歳。自身のラッキーカラーである黄色の軽ボックスカーで、JR小樽駅前中央通り沿いのグリーンホテル駐車場を中心に、勝納のパチンコ店駐車場など、市内各地で“たこ焼き”を移動販売する。
小さい頃から夢だったたこ焼き職人を目指し、脱サラして大阪へ。たこ焼きと言えば大阪というイメージから、3年間、大阪のたこ焼き屋で修行しながら、50店舗以上のたこ焼きを食べ歩いた。
サラリーマン時代にコツコツと貯めた金で、軽ボックスカーやたこ焼き器などの機材を購入し、3年前に蛸やき専門車「かまくら」を開業。静屋通りと道道の交差点近くの駐車場で始めたが、グリーンホテル社長から駐車場での販売を打診され、昨年の潮まつり期間から同所で営業。
かまくらの“たこ焼き”は、北海道産小麦にかつおとこんぶだしで生地を作る。生地にたこや揚げ玉、青ねぎを入れて、約20分かけてじっくり焼く。内側に空気を入れるように焼くのが特徴で、大阪修行で得た技術を使う。外側の生地はふんわり、内側はクリーミーで、口に入れるとトロ~リとトロける。火傷には要注意。「彼女と食べた時に、彼女の歯に青海苔がつかないように」と、青海苔を上にかけないで生地に混ぜている。
たこ焼きソースは3種類。マスターオリジナルの甘いブレンドソース「特製ソース」350円(税込)、だしの味を楽しみたい人に「だし醤油」400円(税込)、ねぎの辛味と酸味が強い「ねぎソース」450円(税込)。生地はだしの味がしっかりしているので、ソースなしでも楽しめるという。
「小樽で生まれ育ったので、なんとか小樽を活性化させたいと思っている。小さなことしか出来ないが、このまま衰退していく小樽は見たくない。今後は移動販売の仲間を増やして、屋台村のようなイベントを行いたい。また、福祉施設やイベントなど、要望があれば現地で実演販売していきたい」と、小学生の時にたこ焼きを食べたゲームセンターや祭りのことを思い出しながら語る。
小樽の街を移動して熱々の“たこ焼き”を販売する、夏でも冬でもサンバイザーが似合うマスター。「ハニカミ王子よりも前から被ってるんですよ」と笑う。