古川 節男マスター
小さなフクロウ2匹がちょこんと座ったフクロウ時計やキノコ時計。カボチャやトマトの表札。彫り手のやさしさが溢れ出た木彫り作品の数々。
JR小樽駅隣の船見坂を少し登った工房兼自宅のギャラリーには、ユニークな木彫り作品が並ぶ。見ているだけでも人にやさしさと安らぎをもたらしてくれる。
木彫り作家の古川節男さん(48)は、隣町の余市出身。実家に縛られたくないと、東京や札幌へ。札幌で木彫りの世界と出会い夢中になる。技術を身につけようと修行に励む。
勤務先の集まりで、妻のゆかりさんと知り合って結婚。定山渓に引っ越し、自分で工房を開く。しかし、冬の定山渓は思いもよらなかったほど厳しく、下界に降りようと小樽での生活を始めた。
小樽に移り住んですでに11年。ユニークな木彫り作品も北海道物産展などで人気を呼ぶようになり、今では全国に広がっている。
仕事の息抜きに小樽市内を散歩することが趣味。小樽の街は、季節が変わると違った表情を見せるのでそれが面白く、毎日、小樽の街をうろついている。気に入った写真を撮るとブログにすぐに掲載する。
「小樽はマンションが次々に建ってしまい、海が見えなくなって随分変わってしまった。10年前はもっと活気もあったが、マイカルが出来てから市街にはシャッターが下りてるところが目につくようになり、今は更地が多い。小樽は本当に良いところだから、もっともっと活かれせばいいのに」と、小樽の街の衰退を嘆く。
職人技が光るマスターは、小樽ライフを仲良し夫婦でエンジョイする自由人。メガネの奥の視線がどこまでもやさしい。