神 章洋マスター
「色々な夢を叶えてくれた小樽に、いつか恩返しをしたい」、冗談で友人に言った「小樽に住みたい」の一言がきっかけで、札幌を離れ夢の小樽ライフを送る、おしゃれな喫茶バー「BBC」のマスター。
札幌の高校で小樽から通っているクラスメイトがいた。入学早々、そのクラスメイトと小樽に遊びに来た時、「あっおもしろいな」と、小樽に俄然興味を持ち始めたという。
趣味でやっていたギターでバンドを結成したいと、友達の繋がりで集まった仲間は小樽人だった。「あの頃は若くお金もなかったから、1週間に1回、夏は原付で、冬は電車で通ったな。丸井の裏の北海ビルの中の“BeeJay”というパブが、内装がレンガ造りでかっこ良かったんだよ。Jazzが流れる素敵なパブでさ、そこから漠然と、俺もこんな店を持ちたいって思うようになったんだよね」
「高校卒業してから、札幌で化粧品のメーカーで働き、担当じゃないのに小樽に来たくて、配達の仕事もやったりしたな」と、小樽の魅力に惹かれていった。「父親がもともと小樽の人だから、よく遊びに来たよ。海の匂いで魚臭くって、竜宮城のような感じがしたのを覚えてる」
連れて来てくれたカメは、高校の時の友達だったが小樽への憧れが膨れ上がっていった。
小樽に来る2年前に澄恵さんと結婚。デートはもっぱら小樽で、花園グリーンロードに車を置いて、小樽の中心部を歩き回った。「昼間の花園の飲み屋を歩くのが好きでね。色々な店の行燈を写真に撮ったりしたんだよ。ジャーナルさんみたいにね」と笑う。
「ある時水天宮を見つけてさ、『小樽に暮らせますように』って妻が願をかけてくれたんだよ」その後、学生時代のバンド仲間と会った時に、冗談で言った一言『小樽に住みたいな』がきっかけで、住まいを紹介してもらい、思い切って仕事を辞めて移住したという。その6ヶ月後、BBCの建物を紹介され、「いままでは、外観からしか小樽の建物を見たことがなかったけど、中を見て一目惚れしたね。そして、夢のバーを始めたのさ」
3ヶ月だけの夢の喫茶バーとして始めた同店は、オープンしてから6年が経つ。広い空間、ママとマスターの占いとコーヒーが人気。「本当に小樽の街と人に助けられた。夢をほとんど叶えてくれた。いずれは小樽の街のために、恩返しとして何か出来ることをしたい」と、現役でバンド活動するジャッキー・チェン似のギターマスター。