清水 正己マスター
「ラーメンは自己主張である」と、小樽にさっぱり味だが、コクのあるとんこつラーメンを定着させた店“あっぱれ”のマスター。
店をオープンするまで、全国のラーメン食べ歩きは2,000件に及ぶという。色内小、長橋中、千秋高を経て、第1ゴムに入社。のち、和弘食品に12年間。ラーメンのタレを売り歩く新規開拓営業マンで、社長賞のほとんどをもらっていたが、失敗も多く、始末書も何度も書いたと笑う。
この後、ヤマモリ(株)に入社。札幌営業所でラーメンのタレの開発研究に励む。お客さんの要望に合う味を出す工夫を重ねたという。しかし、高卒の中途入社では、先が見えているサラリーマン生活に嫌気がさし、平成7年に手宮にラーメン店を開業。
「ラーメン屋にタレを売りに行ったが、まさか自分がラーメン屋をやるとは思ってもいなかった。一生サラリーマンで終わると思っていた。」
手宮店がうまくいき、札幌大通のテレビ塔地下街に進出。フタを開けたら全然駄目で、お先真っ暗だった。トウキビ売りのおばさんや観光バスの運転手に無料券を出したり、ようやく女性客を獲得し軌道に乗った。宮の沢店では“あっぱれ”の店名のまま、全く違う味のチンタン(清湯)スープでラーメンを出したら、客からそっぽを向かれ失敗。店を閉め退却する決断は本当に難しいと知ったと話す。
ラーメンの味にも、日々挑戦。カレーラーメンや金ごまラーメンなども試行。札幌店では金ごまが一番人気に。「せっかちだからいつも試行錯誤している。」サッカー、スキー、テニス、ゴルフもこなすスポーツマンでもある。
来年4月にオープンする石屋製菓の出抜小路にも出店が決まり、新しい塩ラーメンと金ごまラーメンで勝負を挑む。
口調の穏やかさにさわやかな笑顔が浮かぶ。ラーメンの話をしたら止まらない。ラーメン道を追い続けける夢追い人でもある。昭和25年生れ。