志田 有央マスター
アクセサリー作家の志田有央さん(43)は、千葉県生まれの京都府育ちで、広島県市立大学芸術学部で彫刻を専攻。さらにデザインの知識を深めながら、アクセサリー制作の手伝いをしていたのが、この道に入るきっかけとなった。
30歳代の頃、小樽出身の女性と一緒にこの地に移住。地元と思えるほど居心地の良い小樽に“COAS”を立ち上げ、自宅兼工房で制作に励んでいる。
初めての活動の場所が小樽運河だったこともあり、名称は、Canal(運河)・Otaru(小樽)・Accessory(アクセサリー)・Shop(ショップ)の頭文字を並べた造語。
主に真鍮(銅と亜鉛の合金)を使用し、小樽のクラシックな建物を想起させるようなデザインを施し、アンティークやビンテージな雰囲気を大切に作品を制作している。真鍮は長く愛用することで、独特の味わいが出るなど変化が楽しめる。
展示会のため小樽を離れた時には、自分の作品に小樽の町の風情が表現されているのがより鮮明に感じられるという。
初めての販売場所に小樽運河の路上を選び、そして人生初の路上販売を経験。地べたに座るか座らないかが作家人生の分かれ目となり、今後の覚悟に繋がったと振り返る。
流行は追わず長期的にみて、人の心に残るものを作ることに心を砕き、昨年末の展示会では、陶芸と真鍮のコラボレーションを実現させた。小樽に工房を構えるキムラヤの木村泰明氏と共同で、陶器と真鍮を融合させ、お客さんの評判も良かった。
現在はショップを持たず、小樽の新しい取扱先の「UNGA↑」をはじめ、札幌・釧路などで委託販売、札幌や東京での展示会に出店しているが、今後、COASをアクセサリーブランドにして、小樽に本店を構えるという夢がある。
ニトリが主催する旧三井銀行小樽支店会場で行われたあったマルシェにも参加。「今後このようなイベントが多く開催されるよう、一端を担えればと思う」と、小樽を盛り上げたい意欲を示した。