ベストママ

2014年4月のベストママ
スナック プラス一

佐藤 末美子ママ

 4月14日で8年目を迎える「スナックプラス一(いち)」の佐藤末美子さんは、66歳とは思えない若々しくてキュートなママ。

 函館出身で、OL勤めをしていた。23歳で小樽へ嫁ぎ、3人の子どもを育て、40歳近くまでは専業主婦だった。その後、パートに出たこともあったが、ママになったのは58歳の時。

 当時「スナック一」という店があり、そのママの勧めでこの道へ入り、「スナックプラス一」のママとなった。

 名前の由来は、一(いち)から始まると、あとは下がることもない。プラスをつけて良くなるようにとの思いが込められている。

 初めてママとして接客をした時、ビールを飲むのは好きだったが、お客さんとの会話に困った。何も話せなかったが、励まされ元気をもらいここまできた。

 店内は、8席のカウンターとテーブル席が1つ。カラオケを楽しんだり、美味しいお酒を飲みながら、ママとの会話に花が咲き、ママの優しい話し方に、癒されるお客さんも多い。

 毎日とはいかないが、お通しに魚の煮付けなど家庭料理でもてなすこともあり、とても喜ばれるという。

 4月が近づくと、開店当時を思い出す。「3ヶ月で潰れる」と言われたりもしたが、「良く頑張っているね!」と励まされ、お客さんに助けられた感謝の気持ちを忘れない。10年を目標に頑張って続けたいという。

 最近のエピソードは、19:00の開店直後に来店したお客さんが、気がつくと、閉店を過ぎた夜中の2:00まで楽しんでいたこと。7時間も店で過ごしたという。ゆっくりとくつろぐお客さんが多いそうだ。「若くて綺麗なママだったら、気を使っちゃうけど、私だったら気にならないのよ?」と、笑顔で話すママは魅力的。

 「お店を続けて良かった。人との出会いが宝もの。人の良いところを見て見習いたい」と言う。小樽の人の印象は、「私も充分小樽の人になった。みんな良い人。情に厚い」と答えた。休日は、友達と食事へ出掛けたり、家でゆっくり過ごしたりしているそうだ。

 「おひとり様でも、初めての方でも、いらしてください。観光客や夫婦、団体など、来店者はさまざま。みなさん、ゆっくりしてくださいね!」とPRした。

 心温まる「スナックプラス一」のママは、悩み事も聞いてくれそうな、なんでも話したくなる癒し系のママ。今日も来客を元気づけている。

スナック プラス一

小樽市花薗1-8-6 フジノビル1F
電話:0134-27-8331
営業時間:19:00~24:00(延長あり)
定休日:日曜日

2014年3月のベストママ
スナック 霧子

高橋 純子ママ

 開店19年目になるカラオケスナック「霧子」のママ高橋純子さんは、着物が似合う素敵なママ。古平出身で、この仕事に就く前は、水産会社で事務員をしていた。

 20年前、人生の岐路に立ち、ひとりで生きてゆく手段は何かと考えた。父親の反対もあったが、人に出会うことも歌も好きで、好きなことを生かし健康であれば続けられると思い、まったく知らないこの世界へ踏み入った。店を持つにあたり、1階で明るいビルを探し開店。現在のビルは2店舗目となる。

 ママの本名は純子であるが、店の名前をつける時に、同じ名前の店があったら失礼だと思い、電話帳を見ると、やっぱり“純子”という店があり、当時、フランク永井の「霧子のタンゴ」という歌が流行っていて、「霧子」と命名した。お陰で、沢山の人が集まり、「霧子のタンゴ」を店のカラオケで熱唱した。

 店内は、スナックとしては広めで、50人くらいのパーティーもOK。純子さんの他、昼間と夜にひとりずつスタッフがいる。店の特徴は、昼も夜も営業し、カラオケ中心で、歌が好きな人が集まる。カラオケの音量が大きく、歌った人はスッキリ歌った実感があると評判。小さい音では、声がうまく出ないという。市内はもとより、札幌からの常連客も多い。

 15周年を記念して芸人の松村一郎さんから、「霧子のしるべ」」という詩が色紙に書かれて贈られた。それを店内に飾っていたところ、千歳から訪れた人が、「素晴らしい詩に曲をつけさせて」と、「霧子のしるべ」の歌ができた。1番と2番が松村さんの詩で、3番は純子さんが作詞。みんなで歌い、縁を大事にしているという。

 店を続けて良かったのは、家庭にいては体験できない出会いが沢山あり、上は90歳代のお客さんもいて、色々な話が聞け、人生はいろいろ、自分も頑張ろうと思う時である。

 ふと、19年間を振り返り、ここまでやって来られたことに我ながら関心し、皆さんに支えられていると感謝している。純子さんは、「カラオケ音量抜群!是非、歌いに来てください。初心者も大丈夫!」とPRした。

スナック 霧子

小樽市花園1-9-23 岡本ビル2階

電話:0134-24-3309

営業時間:昼12:00~、夜18:30~

定休日:日曜日・月曜日昼休

2014年2月のベストママ
れんげ洞

奈良 智翠(ちすい)ママ

 小樽の静屋通り横小路にある北宝会館1階「れんげ洞」を営む智翠(ちすい)さん。

 小樽出身で、高校時代に華道を習い、小原流を25年続けている。現在は、生け花をはじめ、小原流の造形製作カリキュラムを学び作品を出展。賞をもらったことをきっかけに、パーティや結婚式、講演会などのイベントで造形オブジェの製作を手掛ける造形作家としても活動している。

 「れんげ洞」は2003年10月に開店。蓮の花のことを「れんげ」と呼び、仏教で蓮の花をかたどった如来像の台座から「れんげ」が浮かび、店内で様々な人のたまり場となるような洞窟を発想し、店名を「れんげ洞」と名づけた。客席10席のこじんまりした雰囲気が落ち着く。

 同店では、コーヒーなどの飲物と、同店オリジナルの季節に合わせた手作りのパンやケーキを提供。夜はお酒も楽しめる。ギャラリーとして、また、生け花を指導する教室でもある。同店を教室としたのは、歴史ある小樽で、若い世代のカルチャー人口をもっと増やし、茶や酒を楽しみながら、気軽に参加できるよう開講している。

 ずっと続けている生け花の魅力を「花も一期一会で人生の指針となる。花は儚く、誰かの手によって切られ生かされ、生ける人によって違い、他と比べられない唯一の時間となる。花をアレンジし、ひと花咲かせる感性の媒体となる。花を前にして自分も正直になれる」と話す。

 自分なりに関われる範囲で、若い世代に伝え、共に学び合いたい。花を通じて共有することが願いでもあり、夢で、このれんげ洞を続ける意味だという。

 将来は、外国を旅しながら、その土地の花を生ける 花の旅をしてみたいそうだ。

 一方、日本舞踊にも興味を持ち、花柳流と花扇流を習い、シャンソンやポップス、古典や民謡に合わせ舞踊を楽しむ、れんげ洞の店主は、おしゃれで素敵な女性。

れんげ洞

小樽市稲穂2-16-6 北宝会館1階
電話:0134-22-0332
営業時間:13:00~21:00頃
定休日:日曜日(夏場は休まず営業)

2014年1月のベストママ
Bijou(ビジュー)

安田奈央・高橋前子ママ

 国道5号線からかま栄通りに入り、左から2件目のGOTBLD2階「Bijou(ビジュー)」は、昨年の2月14日のバレンタインデーにオープンした活気のある店。

 ママは、安田奈央さん(33歳)と高橋前子さん(26歳)のダブルママ。

 2人は、生粋の小樽っ子。花園で仕事をはじめ、安田さんは15年目、高橋さんは8年目のベテラン。「いつか一緒に店を開きたいね!」と、何年も前から語り合っていた。一昨年末に、高橋さんから「いつ出す?」の声がかかり、昨年2月14日のバレンタインデー開店にこぎ着けた。

 相性抜群の2人は、活発な安田さんと家庭的な高橋さん、性格もキャラクターも真逆だという。そこが、また、気の合う要因でもある。

 店名の「Bijou(ビジュー)」は、フランス語で、宝石箱の意味。他にも候補があったが、フランス語の響きに惹かれ名づけた。

 2人のママと、週末には19歳から35歳の女性スタッフ8人の計10人と、ボーイも1人加わり、みんなでワイワイ楽しめる店になる。頻繁にコスプレし、ナース、セーラー服、チャイナドレス、メイドの衣装で登場し、盛り上げている。

 不景気なご時世、せっかく飲みに来てもらったので、楽しい1日だったと思ってもらえるような接客を心がけている。

 高橋さんは調理師の腕を生かし、お通しを手作りで提供している。若いが、家庭的で気配り上手。会話で盛り上げるなら、安田さんにお任せというように、ぞれぞれの持ち味を生かし力を合わせている。そんな真逆なダブルママは、休日もご飯を一緒に食べに行ったりと、2人で過ごすことが多いという。

 実は、開店することを周囲に反対されたが、今では、反対だった人も頻繁に店を訪れ、「開店して良かったね!」と認めれた時は、大変嬉しかったという。

 笑顔の裏には、ママにしか分からない苦労が沢山あり、店を持つ大変さもあるが、今では、周囲からも認められ、花園を活気づけるよう頑張っている。

 これから寒い季節となり、雪が多くて花園もツルツル路面となる。以前、階段からすべったことがあり、冬になると“怖いな?”と思うそうだ。それでも足を運んでくれるお客さんに、存分に喜んでいただけるよう、工夫を欠かさない。

 「ぜひ“コスプレ”を楽しみにご来店を!小樽で生まれ、花園で働き、人口減少にも負けず、盛り上げていきたい」と、2人のママは笑顔でPRした。

Bijou(ビジュー)

小樽市花園1-7-7 GOTBLD2階
電話:0134-24-7030
営業時間:19:00~
定休日:日曜日・祝日
客席:5席
飲み放題90分3,000円(4名から、ビール・レディースドリンク込)
初回限定・飲み放題60分2,500円

2013年12月のベストママ
産直cafe’ななかまど

田村 智ママ

 小樽堺町通りから小路に入ったかま栄の駐車場向いに、自宅を改装して開店した「直産cafe’ななかまど」がある。

 代表の田村智さんは、小樽生まれの小樽育ち。堺町通りの歴史を知る66歳。61歳まで事務員として勤め、退職。田村さんの息子や娘が赤井川で農場を営み、そこで収穫したオーガニック(有機栽培)野菜を自宅前のテントで販売していた。

 “70歳くらいまでは、何かできそう!”と、同じ職場だった友人の原田千恵子さん(66)を誘い、今年の4月27日ゴールデンウイークに、産直cafeを開店し、ふたりで協力して店を切り盛りしている。(写真左:田村さん・右:原田さん)

 店名の“ななかまど”は、店舗横にななかまどの木があり、ずっと見て過ごしてきたため、その名前を付けた。店内は、どこか温かな雰囲気で、2人の会話も穏やか、ゆっくりとくつろげる。

 産地直送の赤井川のカボチャや赤唐辛子、放し飼いの鶏の玉子や、ドライフラワー、知人の紹介で余市教育福祉村の手作りヤーコン茶、ハーブソルト、ブルーベリーやハスカップジャムなどが並ぶ。

 また、原田さんや手作り好きの作家の作品、小物入れや、クリスマスのオーナメントなども販売している。12月6日から2週間に渡り、手作り品の展示即売会「三人展」」を開く予定で、原田さんは、小物やクリスマスリースを出展する予定。

 体に優しい食材を使ったcafeは、開店10:00から11:30までモーニングセット、昼のランチセットも好評で、ミニセイロやキーマカレー、ベーコンとキャベツのハーブソルトソテー、豚肉と季節の野菜の黒酢風味のななかまど丼と、たっぷりの野菜を中心とした家庭の味を提供している。

 コーヒーは、ドミニカ共和国のコーヒー農園の豆を販売する「カフェ・ミ・カーサ」(天神)から仕入れ、素材にもこだわっている。手作りのケーキも味わえる。それぞれに長年の経験を活かした得意な料理やデザート、手芸を担当し、お互いの知恵を出し合い、2人の力は大きい。

 そんな2人のエピソードは、事務の仕事で「ご苦労様」や「お疲れ様」と言うことが多かったため、帰るお客さんに「ありがとうございます」がなかなか出てこなかった。笑顔で接するように心掛けているが、接客経験がなく、声掛けは難しいと痛感したという。

 訪れたお客さんがほっとするような店を心掛け、営業するからには、もっとお客さんに来てもらい、地域の方々にもどんどん利用してもらいたいと願っている。

 開店して、料理を食べて喜んでもらい、「美味しい!」と笑顔で言ってもらえた時が一番嬉しいという。ここの野菜と食べ比べてみると美味しさの違いが分るという。休日には、赤井川へ野菜の収穫に行ったり、他店へ行き勉強も怠らない。

 「気軽に休んでいただきたい。体に良い野菜を見に来てもらい、時間があれば、美味しいコーヒーでも飲んでいただければと思う」と笑顔でPRした。

産直cafe’ななかまど

小樽市堺町3-19
電話:0134-23-1855
営業日:5月~10月 金~月曜日と祝日
11月~4月 金~日曜日と祝日
※12月第3週から1月第4週まで休業
営業時間:10:00~17:00
客席:10席

2013年11月のベストママ
Papillon(パピヨン)

南 李沙ママ

 小樽花園花間栄(かまえい)通りにある「Papillon(パピヨン)」は、今年7月3日に開店。広々とした店内で、若いスタッフがもてなすフレッシュな雰囲気の店。ママを務める南李沙さんは、26歳の若手ママ。

 小樽出身の小樽育ちで、子どもの頃から人と話すことが好きな女の子だった。

 最初の職場に選んだのは、ガソリンスタンド。ここでも人との会話を大切に接客をしてきた。スタンドの作業服を脱ぎ、今までとは全然違う“ママ業”に転職したきっかけは、スタンドのお客さんの勧めだった。思い切ってママの道へ踏み込み、開店4ヶ月。不安もあるが、試行錯誤しながらスタッフ5名と力を合わせ頑張っている。

 店名の「パピヨン」は“蝶”を意味し、華やかに舞う「ちょうちょ」が好きで名づけた。店の特徴は、カウンターが小さいので、ボックスがメイン。仲間連れでもお1人様でも、フレッシュなスタッフとボックスで会話と酒が楽しめる。

 店が暇な時は不安や辛さを感じるが、沢山のお客さんで忙しくしている時は、疲れも忘れ楽しくてたまらないという。日々、同業者との意思疎通を大切に、情報には敏感に反応出来るよう心がけている。

 将来は、店で娘と一緒に働くことを夢見て、今日も仕事に励んでいる。「一緒に楽しい時間を過ごしましょう!」と笑顔でPR。

Papillon(パピヨン)

小樽市花園1-9-20
電話:0134-22-2333
営業時間:20:00~3:00
定休日:水曜日
客席:30席

2013年10月のベストママ
スナック「ん SECOND」

本間 菜々子ママ

 小樽花園スパルビル1階に店舗を構えるスナック「ん SECOND」の3代目ママ・本間菜々子さん(25)は、小樽育ちの小樽っ子。

 子どもの頃から、元気でかわいい子だった。菜々子さんの祖母が初代ママで、「ん」を経営し、その後、母が2代目ママとなり「ん SECOND」と改名し、現在に至る。

 菜々子さんが、この仕事についたきっかけは、高校卒業後、就職活動をしていても就職先がなかなか決まらず、当時、店の女の子が足りないため助っ人を頼まれ、週1回が2回となり、段々と店に出る回数が増え、自然と店を任されママとなった。

 店では、6人以上90分3,000円で飲み放題(ビール込)プランを用意。もちろん、1人でも、お酒や会話を楽しむことができる。

 20代前半の女の子が5~6人出勤。バドガールのコスプレで、店を盛り上げることもある。祖母の代からのお客さんなど幅広い年齢層が来店し、常連客も多い。孫の知らない祖母の話を、当時からのお客さんから聞くこともあり、「そうだったんだ!」と改めて知り、祖母の懐かしい話に花が咲くことも度々。この店ならでは会話を大切にしている。

 また、毎年、1年に1度、遠方から店を忘れないで来てくれるお客さんがいて、その時は特に嬉しさを実感する。辛いことは、店の終わる時間が決まっていないため、朝の5、6時になることも多々あることだとか。

 心掛けていることは?と尋ねると、夕方のニュースを見て話題づくりをしたり、実は、人見知りのため、店ではそぶりを見せないように努力しているという。

 将来の夢については、今でも週1~2回の出勤をする母に対し、「いつか大ママ(母)を越えたい。一度で良いから越えてみたい。イベントや誕生日など大ママは凄い」と、母を尊敬する娘の顔を見せた。

 週に1度の休日は、家族や友達を優先し、買物へ出かけたりする時間を大切に過ごしている。店で働く女の子はみんな仲が良く、店内は明るい雰囲気。充分楽しめると思うので、是非、ご来店をとPR。また、ただいま、女の子募集中。お酒が飲めなくても大丈夫だそうだ。

 25歳とは思えない童顔な菜々子さん。祖母からの店をしっかり受け継ぐ、樽っ子ママ。

スナック「ん SECOND」

小樽市花園1-11-24 スパルビル1F
電話:0134-32-0289
営業時間:20:00~
定休日:なし
客席:40席

2013年9月のベストママ
くつろぎの御厨屋 香蔵

宮尾 祐子ママ

 日本料理を提供するくつろぎの御厨屋(みくりや)「香蔵(かぐら)」は、店主宮尾俊央さんと女将祐子さん夫婦の息のあったコンビネーションで、店を切り盛りしている。開店10年目を期に、小樽嵐山通りから今年8月にJR高架下に新店舗を構えたばかり。

 祐子さんは、現在44歳。東京生まれの東京育ち。子どもの頃から好奇心旺盛で色々なことを経験したいタイプだった。学生の頃、どうしても日本料理店でバイトがしたいと、家庭ではないプロの味に興味を持ち、洗い場でも良いからと頼み込み採用された。

 そのバイト先で、新入社員だった俊央さんと出会う。俊央さんは小樽出身で、札幌の専門学校を卒業後、就職先の本社が東京だったため、東京で働くこととなった。順調に交際が進み、2人は結婚して3人の子どもをもうける。

 祐子さんは某有名エステ店での勤務経験も持ち、その時々にやってみたいことを発見し、どんな仕事も楽しかったそうだ。

 俊央さんの病気がきっかけで、札幌の病院で治療するため、俊央さんの地元・小樽へ戻った。そして、小樽で店を持つことに。平成15年に嵐山通りにオープン。「香蔵」という店名は、俊央さんが、東京の神楽坂での仕事の話があったが、縁がなくて実現できなかった。その神楽坂をイメージし、文字は違うが「香蔵」と名づけた。

 料理は、俊央さんの担当で、東京での17年間の経験を生かし、各地の美味しい食材を仕入れ、プロの料理を提供。祐子さんは接客担当。持ち前の明るさと笑顔で、店内をテキパキと動きまわる良く気のつくママ。

 新店舗ではランチを始め、お好み御膳は、ご飯を白飯・お粥・炊き込みご飯の中から1品選べ、漬物、味噌汁、茶碗蒸しが付き、お造り・焼き物・天ぷら・煮物から2品を選ぶことができる。金額も1,150円とリーズナブルでボリュームたっぷり。日替わり定食もある。

 夜は和食を中心に、新鮮な旬の食材を提供。本日のおススメは季節や仕入れに合わせて提供。お造り、揚げ物、焼き物、一品料理、串焼き、うどん、蕎麦まであり、ロースカツ定食も味わえる。店主の意向は、北海道にはないものを食べて知ってもらいたいと、全国各地の食材の素材を活かし、腕をふるって料理する。そんな俊央さんを祐子さんは尊敬しているという。

 小樽の人には、なじみのないメニューで、産地を聞かれたり注文されなかったりだったが、10年間の付き合いの中で、食べたことのなかったメニューが好きになり、「こんなに美味しい物があったんだね?」と言われ、メニューに加えた甲斐があったとじみじみと感じる。東京育ちの祐子さんには、小樽の市場には、東京では目にすることのない魚が並び、柳の舞や生タラコなど違いを感じたそうだ。

 今後の夢は、自宅と店との往復だけで、ずっと仕事をしてきたので、お客さんを通して小樽のことを聞いてはいるが、自分の目で実際の小樽を見てみたい。また、道内巡りをしたいそうだ。

 「店主厳選の日本酒や焼酎など種類豊富に取り揃えているので、こちらも楽しんでもらいたい。道内の旬の魚や国内の美味しい物を食べていただきたい」と、笑顔があったかい「香蔵」の女将・祐子さん。

くつろぎの御厨屋 香蔵

小樽市花園1-2-6
電話:0134-25-0650
営業時間:11:30~14:00、17:30~22:30(L.o)
定休日:不定休 料理・飲み放題付き等、宴会相談受付、4~30名、6人個室・16人個室あり。要予約

2013年8月のベストママ
有限会社いちふじ柴田商店

永浦 英里ママ

 小樽花園銀座商店街に本店舗を構える有限会社いちふじ柴田商店の看板娘・永浦英里さん(39)は、小樽生まれの小樽育ち。弟と2人姉弟。子どもの頃から、両親が三角市場で八百屋を営み、その姿を見て育つ。

 調理師専門学校へ進学し、調理師として、小樽のホテル(現ヴブラント・オタル)で1年間働くが、退職し、丸井小樽店の地下食品売り場にあった実家の八百屋を、5年ほど手伝った。

 その後、亘さんと結婚。旭川と札幌で暮らし、3人の子どもをもうける。現在、中1の長女、小6の次女、年長の長男と3人の子育てをしながら、店を切り盛するパワフルママ。

 札幌で亘さんは、魚屋を始め英里さんも手伝うことになり、夫婦で魚屋となってから13年目、両親の八百屋と娘夫婦の魚屋が入った現在の位置でのスーパーとなってからは、7年目となる。働き者の亘さんは、札幌まで行き仕入れを担当、旬の美味しい物を提供し、安心で安全な食材を使うように心がけている。魚をさばき、刺身やオリジナルの干物やしめ鯖を作るのも亘さん。カニ甲羅の上にカニのむき身を綺麗に乗せた「むき毛がに」は食べすい。

 夕方には、刺身の盛り合わせを買い求める人も多い。人数や食べたい魚での刺身の注文も受け付ける。一般客をはじめ、花銀の飲食店の台所となっている。英里さんは、主に魚屋だが、店内全般の販売を担当し、看板娘のように常連客から親しまれている。夫婦の仲も良く、おしどり夫婦と評判。

 英里さんのお客さんは、遠くは沖縄、九州、四国、大阪など、近くは花園の飲食店と幅広く愛されている。遠くのお客さんからは「遊びにおいで!」との声がかかり、店を通じての出会いも楽しみだという。

 英里さんは、同年代の子育てママさんに、もっと来店してもらいたいという。魚の調理法や食べ方を教えてくれるそうだ。子育ての経験を活かして、子どもに喜ばれる魚の食べ方をアドバイスしてくれるという。以前、長女が4、5歳の頃、水族館で泳ぐ魚を見て、「美味しそう」と言いみんなを驚かせたように、子ども達にもっと魚を知ってもらいたい思いがある。店頭に並ぶホッケの開きを見て、何の魚なのかを知ってもらいたいという。もちろん、野菜の食べ方も即答。「キャベツは卵焼きに入れると美味しいよ」など、ぱっと献立が浮かんくる英里さんの笑顔は爽やかだった。

 今日もいちふじ柴田商店看板娘の「いらっしゃいませ!」の元気な声が聞こえてくる。

有限会社いちふじ柴田商店

小樽市花園1-4-3
電話:0134-22-7326
FAX :0134-64-6077
営業時間:平日10:00~18:00 祝日10:00~17:00
定休日:日曜日

2013年7月のベストママ
有限会社マルオ 奥山商店

福島 優子ママ

 市民の台所・中央市場で活カニなどの新鮮な魚を販売する「有限会社マルオ奥山商店」の“お姉ちゃん”と親しまれている人気者・福島優子さん(48)。経営者の父と二人三脚で働く、看板娘的な存在で、元気な笑顔で接客をしている。

 小樽生まれの小樽育ち。子どもの頃はおとなしく人見知り。大学卒業後、幼稚園教諭として勤めるが結婚し、中学生の頃から手伝っていた家業の魚屋の仲間入り。3児のママとなる。当時は夫も店で一緒に働き、札幌での仕入れや配達、外回りを担当していたが、12年前に転職。その後は、親子で切り盛りしていた。昨年亡くなった母が三角市場で魚屋をずっと開いていて店名は代わったが、創業50年以上になる。現在の中央市場へ移転してからは、3年目に入る。

 店頭には、旬のウニやシャコをはじめ、いけすにはカニが泳ぎ、注文を受けてから茹でる活カニ専門店。昆布や塩辛、松前漬け、油ののったしまホッケがなど新鮮な魚が並ぶ。ひとり暮らしのお年寄りのために、海老などを使いかき揚げなどの総菜も並ぶ。以前、居酒屋を手伝った経験があり、魚をさばくのも刺身を作るのもお手の物。秋には、鮭を解体し、イクラは秘伝のタレに漬け込み、美味しいと評判。

 台湾や香港からの観光客も多く、口コミで、昨年来た人から話を聞き、香港から友人を連れて来店してくれたり、毎年来てくれるお客さんの顔を見られることが嬉しい。

 物腰が柔らかい父とも息がぴったりで、父の持ち場と優子さんの持ち場があり、バイトと3人で店頭に立つ。優子さんは仕入れもこなし、父にとっても頼りになる存在。

 いつも笑顔を絶やさず、お客さんが何を求めているか、何が食べたいのかを望むものをおすすめできるようにと心がけている。北海道の美味しいものを地元の方々に届け、世界へも届けたいという。地方発送も積極的に行なっている。

 亡くなる前にもう一度元気になって商売がしたいという母の思いを引き継ぎ、常にお客さんを大切にしなさいとの言いつけを守り、仕事をしようと心に決めた。

 お得意様には宅配も行い、高齢者に大変喜ばれている。これから、夏から秋にかけて、花咲カニが食べられる季節。是非、旬のカニを食べていただきたいという。

 夕食前の買出し時間になると、どこからともなくお客さんが現れ、今日の献立の相談も受け付け、優子さんの笑顔でお客さんも笑顔になった。

 市民の台所に新鮮な魚を笑顔とともに届ける優子さんは、名前通りの優しい人柄で癒される。小樽の市場を元気にする奥山商店自慢の娘さん。

有限会社マルオ 奥山商店

小樽市稲穂3-11-2
電話:0134-27-3593
営業時間:8:00~18:00
定休日:日曜・祝日

2013年6月のベストママ
Double

和井内 麻実ママ

 従姉妹2人で営む「Double」(ダブル)のママ和井内麻実さん(31)は、1児のママでもある。小樽生まれの小樽育ちで、子どもの頃は、引っ込み思案な女の子だったという。

 結婚を期に専業主婦となっていたが、以前から店を持つことが夢でもあり、年齢的にもちょうど良い時だと判断し、3ヶ月の準備期間を経て、昨年10月6日に開店した。店を持つなら従姉妹の世良千春さんと一緒にと決めていたので2人で協力し、2人で1人という意味も込めて「Double」を店名にした。

 従姉妹ということもあり、お互い気心の知れた長い付き合いで、息もぴったり。それでもたまには、意見が食い違うこともあるそうだ。

 店の特徴は、若い子から中年、年配まで幅広く楽しめるスナック。ママの父が漁師ということもあり、新鮮な食材で手作りのお通しを提供し、常連客に喜ばれている。

 4名以上で90分ビール込みの飲み放題2,500円。事前に予約すると料理も提供できる。

 昨年オープンしたての頃は、緊張して眠れず、1ヶ月近くは想像を絶する疲れを体験したそうだ。小樽っ子なので、たまに小学校時代の同級生がお客さんで登場することもあり、小さい頃あまり話せるタイプではなかったので、驚かれることもしばしば。人見知りも克服し、今は、楽しい会話とお酒を楽しめるよう日々努力している。

 これからも2人で、この調子で頑張っていくつもりだという。いつも2人できりもりしているので、たまに、1人が欠けると非常に困ってしまうらしい。忙しい時には、若い女の子2人と4人で迎えてくれる。その仲間と旅行へ行くのが夢だという。

 休日は、家族で過ごす時間を大切にし、外出を楽しみ、妻業も母親業もそつなくこなす頑張り屋さん。

 従姉妹とのコンビネーションが、店内を明るくさせ、お1人様でも気軽に楽しめる「Double」のママは、チャーミングな笑顔でW(ダブル)の文字を両手で作り写真に応じてくれた。

Double

小樽市花園1-11-25
電話:0134-22-2207
営業時間:20:00~24:00
定休日:日曜日

2013年5月のベストママ
バミコ

塚田 由美子ママ

 おたる屋台村レンガ横丁に昨年10月にオープンした「バミコ」のママ塚田由美子さんは、明るく会話が大好きな好奇心旺盛な45歳。

 東京で生まれ、子どもの頃から元気で活発な女の子。高校3年生まで山梨県で過ごし、その後、東京の大学へ進学し就職。スポーツインストラクターという仕事の関係で小樽へ来て、そのまま住みつき20年が過ぎた。2人の息子のママでもある。

 開店のきっかけは、離婚後、仕事を探していたところ、人と会話することが好きなこともあり、飲み屋の世界を経験することとなる。飲み屋のくくりに抵抗を感じながらも、持ち前の明るさで会話を楽しみ、来てくれるお客さんにとって楽しい空間になればと自然体でママ業を営む。店名の「バミコ」は、店の向いにあるマスターが名付け親で、みんなに「バミコ!」と親しまれている。

 とにかく会話が大好きで、初対面であれ常連であれ会話が弾み過ぎて、通しを出すのを忘れたり、お酒を出すことよりも会話に夢中になってしまうこともたびたび。料理を作っている時も、お客同士の会話が気になってしかたがないという。観光客や出張中の人が2割ほどで、初対面なのに何度か会ったことがあるかのような口調となり、ここまでくると特技としか言えない。

 仕事以外は、お客さんが勧めるDVDを見たり、本を読む。任侠物はちょっと苦手。最近では、「藁の楯」を勧められ、ママ自身も面白くおススメだと言う。映画鑑賞も好きで、終了間近の映画をレイトショーの割引料金で貸切状態で見たり、映画の中で気に入った台詞を覚えて、お気に入りの俳優さんを見つけることも。

 幼児体育とリトミックの資格を持ち、以前スポーツインストラクターをしていたこともあり、体を動かすのも好き。北海道の中学女子の運動能力が全国最下位だと知り、子どもやお年寄りを元気に、体力作りに携わりたいとの思いもある。以前はスポーツジムに勤めていたが、現在は、スポーツジムの会員となり体を動かしている。元気の元は何かと尋ねると、「日々感動し、ときめきを感じることかな!」と答える。

 23種類の世界のビールや、カクテル。油そば(700円)、キーマカレー(700円)など人気メニューも。今年の夏へ向け、ラム酒を主体としてミントとライムのさっぱりしたモヒートを、クランベリーやアセロラなどをプラスしたフレーバー・モヒートとして力を入れる予定。

 自分が美味しいと思う食べ物と美味しい酒とを一緒に、また、料理好きをフルに発揮し、客のニーズに答えられるように提供したいと言う。

 いろいろな話題が次から次へと出てきて、時間を忘れてしまう。ちょっと落ち込んだり、寂しくなったら、ママの会話を肴に酒を飲み、元気を取り戻す回復薬のような「バミコ」のママ。

バミコ

小樽市稲穂1-4-15 おたる屋台村レンガ横丁内
電話:080-4044-2408
営業時間:日曜日~木曜日18:00~24:30、金曜日・土曜日18:00~25:30
定休日:不定休