ベストママ

2007年3月のベストママ
炭火自家焙煎珈琲 アルチザン

杉山 みどりママ

 市内稲穂2丁目にある炭火自家焙煎珈琲“アルチザン”のママ(43)。店内の装飾や料理のアイディアなど、オープンからずっと焙煎職人・亘希マスター(44)をサポートする。

 みどりママと亘希マスターの2人は、小樽出身で、高校時代からの長い付き合い。高卒後、亘希マスターが、ウエシマコーヒーに就職し、岩見沢支店配属。みどりママは、小樽に残り、札幌などのデパートに販売員として勤務。5年間の遠距離恋愛のあと、マスターが小樽に戻り市内のカフェに勤め始めたので、2人はゴールイン。

 1998(平成10)年にアルチザンをオープン。焙煎職人のマスターの横で、コーヒーや接客の勉強を始めた。「お客さんからお金を頂いて飲んでもらうので、美味しく飲んでもらいたい」と、テイスティングコーヒーを飲み過ぎて具合が悪くなったこともあったという。

 オープンからすでに9年が経ち、二人三脚で店を営み、小樽の街の変化する様子を2人で見てきた。オープン当初は、大手企業などの社員がよく足を運んできたが、築港にマイカルがオープンしてからは、企業の撤退などで客足がどんどん減ってきた

 オープンしてから、小樽はめまぐるしく変わってきている。どんどん悪くなってきている。でも、この店を気に入ってくれている地元のお客さんに支えられている。

 メニューには、炭火焙煎のコーヒー8種類と自家製パンが用意されている。「主人の愛がこもったコーヒーを、ちょっと一息つきたい時に飲んでもらいたい」と笑顔で話す。生まれ育った大好きな街小樽に、炭火焙煎のコーヒーの香りを漂わす。

炭火自家焙煎珈琲 アルチザン

営業時間 9:00~20:00 不定休
小樽市稲穂2-5-110号
0134-23-3300

2007年2月のベストママ
華婉(かえん)

高田 寧子ママ

 “いらっしゃいませ” 素敵な笑顔で客を迎え入れる花園ネオン街「華婉」(かえん)のママ。

 小樽長橋出身。今も実家に母と住む。高卒後、8年間OL人生を送り、スナックでのアルバイト経験も。酒は弱かったが、この仕事を始めてから強くなったと話す。

 2005年12月に店をオープン。「アルバイトの経験しかなかったけれど、思い切って始めました。経験が無かったから出来たのかもしれません」と笑う。

 客からは「今日もきれいだね」と声を掛けられるママは、21歳の時にミスおたるに選ばれた。上司に「行って来い」と言われ、営業の仕事かと思ったが、ミスおたるの選定会場だったという。東京や広島など全国に小樽のPRに回った。

 趣味はサウナと温泉。休みの日には、近場の温泉で疲れをとる。一番ホッとする場、癒される所。アウトドアも好きという行動派。家の庭で焼肉したり、夏場は日光浴に散歩。

 「小樽が好き。義理や人情が好き。一度も出たことがない」と、これからも店を続け、酒酔い人を迎え入れる。7人もの若いスタッフに囲まれ、どんなに忙しい時でも、素敵な笑顔で客を楽しませる。

華婉(かえん)

営業時間19:00~25:00 日曜・祝日定休
小樽市花園1-12-4 第3とみたビル1F
0134-22-8633

2007年1月のベストママ
小樽地獄坂酒亭 すえおか

末岡 睦(むつみ)ママ

 小樽に“すえおか”のママありと知られている。80才を超えても、その記憶力・判断力・説得力には、いささかの緩みも見せない。

 樹齢350年のニレやタモの巨木にこだわった木造りの店は、花園で20年、富岡にそっくり移築して21年、計41年間の過ぎ去った時の重みをしっかりと刻み込んでいる。

 小樽地獄坂の酒亭「すえおか」のママは、酒は一滴も飲めないのに、培った人脈の広さと情報力で、81才になった今でも現役バリバリで、周囲からは一目も二目も置かれる存在だ。酒亭のカウンターの向こうから、小樽の街の盛衰を自分の眼でしっかりと見てきた。小樽に生まれ育ち、東京の津田塾で英語を修得した“才媛”の足跡は地球を何回りしてもたりない。

 日本山岳会の会員で、世界の名だたる高峰に何回も出掛けた。1968(昭和43)年には、ネパールからヒマラヤのエベレストにトレッキングに行った。「エベレスト・ビューホテルから、真向いに見たエベレストが忘れられない。飛行機の窓から、雲のはるか彼方にカンチェンジュガが見えたのにはびっくりした」という。以降、7~8回もヒマラヤに行き、日本人がヒマラヤに行く先駆けとなった。「最後のツアーは4、5年前に行ったのよ」と、当たり前に語るやわらかな口調は、まるで年齢を感じさせない。

 アラスカのマッキンレー、アフリカのキリマンジェロ、中近東やシリア・ヨルダン・ウズベキスタンと、人の行かない所ばかりに行った。キリマンジェロに登った時に「山頂にはひからびた豹の死骸はなかったわよ」と、ヘミングウェイも真っ青にする元気さだ。さらに一昨年には、マッターホルンをスキーで、JALの機長の息子さんと滑り降りたという。

 8年前からは、PC(パソコン)を独学でマスターし、「画面に出てくるイルカちゃんとどれくらい遊んだか分からないわよ」と、インターネットを駆使する。「小樽ジャーナルもお気に入りに入っているわよ」

 80の坂で店を辞めようと思ったけど、趣味の俳句や水彩画を画いているだけだとボケてしまうからと、新年からは営業時間を夕5:00から10:00まで、料理1人3,000円のシステムで店を続けていくとますます張り切っている。

 小樽生活80年を超えて、情報発信を続ける小樽地獄坂の酒亭のママ。

小樽地獄坂酒亭 すえおか

営業時間17:00~22:00
小樽市富岡1-13-15
0134-23-4700

2006年12月のベストママ
ひろ美容室

小谷 弘子ママ

 生きるのは100歳まで、仕事は90歳まで。「死にたくないし、出来れば動ける間は現役でいたい」と、元気いっぱい69歳の現役美容師。

 母親の“身に付いたものは、はらっても落ちない。腕に職をつけよ”との一言から現在に至っている。手宮地区で生まれ育ち、“手宮のひろさん”と長年親しまれている。

 石山中学校を卒業し、美容専門学校に1年通った。市内の美容室で8年間修行し、24歳で自分の店「ひろ美容室」を開業。結婚への願望も憧れもなく、仕事に生きがいを感じ、突っ走ってきたが、27歳でお見合いをして思いもよらず結婚。2女の母に。現在は長女が、「お母さんの代で、今のお客さんをなくしたくない」と、開業45年となる店を手伝ってくれている。

 母親の一言から歩み始めた美容師の道だが、高校に進学したかったという“ひろさん”は涙したこともあった。しかし、今は「女は家で仕事すべきね。子供たちが家に帰ってきた時に“おかえりなさい”と言ってあげられるもの。幸せです。最高の仕事についた」と母親への感謝を忘れない。

 今年で4期(8年)目の小樽美容協会会長を務め、市内120ほどの美容室をまとめる。小樽市内で若い美容師たちが次々に開業しており、「意欲ある若者が自分の店を小樽で開き、小樽と美容室の活性化のために大変良いことだと思う」とニッコリ。

 今年7月の「第40回潮まつり」の潮ねりこみコンテストでは、小樽美容協会を率いて参加した。美容協会の若者たちと一緒になって、ユニークなネコメークの衣装による踊りで市民を驚かせ、見事2度目の優勝を果たしている。

 いつでも元気な“手宮のひろさん”は、地区の女性ファンからの信望が厚い。生涯現役をモットーに、ひろさんの美容ハサミの音が今日も響いている。

ひろ美容室

営業時間9:00~18:00
火、第1・第3水定休
小樽市豊川町1-11
0134-22-1847

2006年11月のベストママ
游心菴(ゆうしんあん)

菅原 恭子ママ

 「みんな元気で仕事と遊びが出来るように、きちんとした食べ物を食べなければいけない」と、無添加低農薬の素材を厳選し、身体にやさしい料理や菓子を提供する、小樽堺町にある游心菴(ゆうしんあん)のママ。

 余市町で生まれ、今も実家から通う元気いっぱいのママ。高卒後、服飾のデザイン学校に3年通い、札幌でデザイン会社に6年勤めたが、健康を害してしまった。この時、食が大切だということを実感し、現在のポリシーともなっている無添加低農薬の素材を使った健康食にこだわるようになったという。

 服飾の仕事を辞め、新たに不動産会社で働きながら、いずれは喫茶店を開きたいと、菓子作りを学んだ。小さい頃から、古い建物や神社、工芸品を見ることが好きだったというママは、現店舗の大正時代の木造商家を紹介され、1992(平成4)年に游心菴をオープン。

 店内は、アンティークな家具や陶器などが置かれ、ゆったりとした昔懐かしいレトロな空間が広がる。お客さんには「游心菴だけは別世界ね」と言われる。小樽堺町通りにオープンした頃は、古い建物が並び情緒があった。「せっかく小樽に店を出したのにがっかりしている。ホッと出来る田舎臭さがあったのに、今は古い建物を壊して、よく分からないテーマパークみたいになっている」と外を見つめる。

 游心菴では、小樽近郊の山中牧場の低温殺菌牛乳で作るオリジナルヨーグルトタルトや、黒米を使ったぜんざいが人気だ。各メディアにも多く取り上げられ、女性客に圧倒的に支持されている。クリスマスケーキなどの注文も受け付けている。プロやアマチュアのデザイナーのギャラリーとしての利用も可能。

 仕事が趣味というママは、「スタッフみんなで、無理をしないで楽しく仕事をして、美味しい物を作って幸せを分かち合いたい」と、風情のある木造の店で、訪れる客を温かく迎え入れている。

游心菴(ゆうしんあん)

営業時間11:00~19:00(11~3月17:00まで)
水曜定休・年末年始休(12月29日~1月5日)
北海道小樽市堺町3-19
0134-33-8010

2006年10月のベストママ
北運河

斉藤 千恵子ママ

 旧日本郵船(株)小樽支店脇の石造り倉庫で、レトロな雰囲気で営業する喫茶店「北運河」(色内3)のママ。こだわりの自家焙煎のコーヒーとゆったりとした時間を提供する。

 小樽市石山町に生まれ、4歳の時に、現在営業する「北運河」の建物に引越し、末広中、桜陽高校を卒業した。ママの義兄の会社の手伝いをするため、神戸に移り経理の仕事を始めたが、23歳の時に小樽に戻って来て、「自分の時間があったのよ」と、花嫁修業を始めた。

 28歳の時にお見合い結婚。パッと決める旦那さんの決断力に惹かれ、お見合いした2ヵ月後に結婚したという。二男の母となるが、結婚して11年目に旦那さんが他界。仕事があったから寂しい感情も紛れたけれど、動揺していたのか、普段はしない間違いをしたこともあったという。

 息子たちも手を離れ、自分の時間を持てるようになってから、市内の喫茶店めぐりを始めた。2002(平成14)年に兄から現在の建物を譲り受けることになり、喫茶店を始めることにした。喫茶店めぐりをしていた頃、コーヒー1杯では足りないという思いがあり、自家焙煎のコーヒー2杯で500円(税込)の良心的な値段で提供している。

 カウンターとキッチン部分を改装したが、あとはそのまま使用している。洋室のテーブルとカウンター席、畳の和室で、訪れる客は自宅に帰ってきたかのようにホッとする。1人でテキパキと仕事をこなし、楽しい話と素敵な笑顔を贈る、昭和24年4月生まれの「北運河」のママ。

北運河

営業時間11:00~18:00・不定休
小樽市色内3-8-2
0134-27-2782

お店のHP
2006年9月のベストママ
小樽観光振興公社

川口 智子ママ

 小樽観光振興公社の海上観光船“祝津・オタモイ号”で、絶景のオタモイ航路を柔らかなハンドル捌きで船を操作する道内第一号の女性船長。

 女性船長・川口智子さんは49歳。小樽稲穂で生まれ育った樽っ子だ。色内小、石山中、双葉高へ進み、卒業後は、「ニューギンザ」のデパートガールに。当時のデパートは給料が良くて、女性の人気の職場だったという。

 「あの時は楽しかった。昔は喫茶店だらけで、仕事帰りに職場の子たちとよくお茶したわ。ダンスホールも数え切れないほどあって、お酒も飲んで楽しい青春を送ったの」と青春時代を懐かしむ。

 川口さんは、平成10年に小樽観光公社に入社し、窓口の切符販売をしていた。2年目に市職員や色々な人から、「運転してみないか?もし免許とれたら船長やらせてあげる」と言われ、「落ちたらあきらめようと思いながら、学科は独学で勉強したんだけど、まぐれで1級の免許が取れちゃったのよ」

 2年目からオタモイの2時間コースの運転を始め、1日1回から2回、3回へと運転する回数が増えていき、4年目には本当の船長になって夢を叶えた。

 「最初は猛反対された。男の世界に女は入れないと、ロープの縛り方もすばやく出来なかった。でも出来ないからこそ素直に注意を受け入れられ、ひたすらロープ縛りの練習をして、5年目には全部の航路を運転するようになった」と当時を思い出す。

 1日7時間運転し、お昼は運転しながらおにぎりを食べる。「この観光船はね、波乗りも良くて、運転しやすいのよ。大きな波に突っ込んで行ってもへっちゃらなんだから」と、大波であろうと平気で立ち向うが、後ろのお客さんが心地良く乗れるよう常に気を配る。5月は風が澄んでいて、オタモイ周遊のパノラマが絶景だという。

 「船長は運転するだけではないの。観光シーズン前と終わりには、しっかり掃除や手入れをしてあげなきゃいけないのよ。それが一番大変なんだから」と話す。

 来年は、すでに実技試験に合格している海技士(国家資格)の学科試験に挑戦し、免許取得を目指す。どこまでも海と生きる、さわやかな笑顔がまぶしい小樽の海のママさんだ。

小樽観光振興公社

小樽市港町4-2
0134-29-3131

2006年8月のベストママ
株式会社ホリウチ

堀内 奎井子ママ

 土建建築資材などを販売する株式会社ホリウチの堀内奎井子代表取締役(52)は、飼い主に見捨てられた犬や猫などの可哀相な動物たちを世話するお母さん。

 6月に動物愛護団体「We Love Animals」を立ち上げ、毎日行き場を失ったたくさんの命のために力を尽くす。

 堀内さんは小樽市錦町出身。株式会社ホリウチの3代目社長。「生真面目で勤勉、正直」をモットーにし、道内を飛び回り、土木資材などを販売している。市内の小学校に、日本一強い強化磁器食器も導入している。

 小さい頃から犬などの動物たちを飼っており、「何も悪いことをしていないのに捨てられたり、殺されたりするのが堪らなかった」と、保健所で処分される犬たちを引き取り、新たな飼い主探しなど、見捨てられた動物のために懸命に活動する。

 今年10月に閉園する小樽市のこどもの国で飼育されていた、高齢のフラミンゴやヤギなどの動物たち77匹を、7月31日に引き取った。小樽市に代わり動物たちの飼育を担った。

 行き場を失った動物たちのために、大きな土地を借り、プレハブ小屋を建て、ボランティアで動物の面倒を見る。動物にとっては、救世主の優しきお母さん。

 「動物たちが、この新居に慣れてきたら、子供たちが動物たちと触れ合えるものを作りたいという気持ちもある。インコやウサギもちゃんと可愛がってくれる人がいるのであればお譲りしたい」と、動物の世話に明け暮れる。

 堀内さんは、「海・山・坂があり、災害が少ない町小樽が大好き」で、大好きな動物たちと、健康で明るく楽しく生きていけるように、「一生懸命働いて動物たちを養っていく」という、動物たちの優しいママさんだ。

株式会社ホリウチ

小樽市錦町17-13
0134-23-8281

2006年7月のベストママ
呑み処てまり

池田 知穂ママ

 笑顔が“めんこい”「呑み処てまり」のママは、正真正銘の現役の女子大生だ。

 池田知穂ママ(21)は、おたる屋台村レンガ横丁の「呑み処てまり」で奮闘する毎日だが、昼は札幌国際大学で、4年生として大学生生活を送る。

 21歳の初々しい知穂ママは、以前、同屋台村に出店していた寿司屋でアルバイトしていた。昨年「レンガ横丁」を襲った火災の後の8月に、呑み処をオープン。お父さんやお母さんの援助のもと、叔父の三浦義治マスターと協力して営業している。

 おすすめはママが作る塩辛。「もともと料理は出来なかったけれど、オープンしてからだんだん覚えてきたの。今でもまだまだ勉強中」とニッコリ。「お酒もよく分からないけれど、自分で飲んでみておいしいと思うものを、お客さんに出すように心掛けている」

 小樽が大好きで、「30分あれば山や海・川に行けるし、田舎過ぎず、都会過ぎないところが良い。札幌も近いしね」、小樽を活発させたいと、小樽グランプリのゴミ拾いにも率先して参加している。

 「卒業したらお店を辞めようかなとお客さんに言ったら、辞めないでなどと言われたことが、お店をやって一番うれしかったことで、励みになってます」という。しかし今一番の悩み事は、大学を卒業出来るかということ。

 お客さんも自分の娘の店に来た感じで、何度も足を運ぶ。笑顔が初々しい女子大生ママ。

呑み処てまり

営業時間18:00~お客さんが帰るまで(不定休)
小樽市稲穂1-4-15
090-5078-7987

2006年6月のベストママ
菜はな

大橋 美井(よしい)ママ

 「たくさんの人にホッとして頂いて、笑顔が見られればいいな」と話す、茶房&ギャラリー「菜はな」のママ。

 ママは29歳、小樽市内緑町出身。桜陽高校から札幌の短大に入り、栄養科で2年勉強した。卒業と同時に栄養士の免許を得て、小樽市内の薬局で糖尿病患者などに、健康食品の調理実習などを行った。

 さらに勉強して、管理栄養士の免許を得るも「一度海外で働いてみたい」と、ニュージーランドへ。日本食材のスーパーマーケットに1年弱勤務した。「日本で働いても海外で働いても変わらない。ただ、ニュージーランドの人はひとつの物を大切に使うということを、身近に触れて分かった」という。

 日本に戻り、管理栄養士として小樽市内の病院で1年働いた後、「祖母の経理の仕事を手伝っている時に、母が近所の知り合いの人から一軒家を引き継いだの。古くて味のある建物なので、この機会に色々な人に見てもらえるようにしたい」と、試行錯誤の末、カフェ&ギャラリーにしようと決めた。

 すぐに改装工事にかかり、仕入れ・メニュー作成など準備期間はたったの4ヶ月で、2004年9月5日にオープン。

 当初は、陶芸家であるママの妹さんと、2人で協力して営業。「お客さんに支えられて、ここまでやってこれました」と、今は、ママ一人で営み、妹さんは2階の工房で陶芸作品作りに没頭中。

 「若い人をはじめ色々な人が、作品を披露出来る場を提供したいという願いを込めて」、8畳の和室の貸しギャラリーを持つ。コーヒーや紅茶だけではなく、健康に気を使った玄米のランチメニューなども用意している。

 和洋がうまく調和した室内にJAZZピアノが流れ、ホッと出来る憩いの場を市民に提供している茶房&ギャラリー「菜はな」のママ。

菜はな

営業時間 11:00~17:00(日・水定休)
小樽市最上1-3-13
0134-24-1713

2006年5月のベストママ
ブック・カフェ シオン&珈琲工房焙煎室

工藤 美智代ママ

 国道5号線から船見坂を上り、長橋へ向かう途中にあるブック・カフェ「シオン」のママ。ママのお兄さんが丹念に作り上げた自家焙煎のコーヒーと読書時間を提供する。

 ママは、仁木町の近くの然別に生まれ、小樽の幸町で育つ。昔ながらの平屋建の日本家屋に住んでいて、「私が幼い頃、少しずつ車も通るようになってきたのよ。でも、昔の幸町は何もなかったと母に言われたの」と昔に思いを馳せる。

 札幌の短大に入学し、「卒業して就職して、25歳で子供を生んで幸せな生活を送る」という青写真を作り上げていたママは、まさかカフェのママになるとは思ってもみなかったという。しかし気付くと周りがあっという間に結婚していき、思い描いていた未来予想図とはかけ離れていった。

 「ひとりで生きていこう」と、35歳で専門学校に入学。短大・専門学校で、色々な地方の人と知り合い、今までの価値観が変わり、それが一番の財産になったという。

 不思議な縁でご主人と出会ったのがきっかけで、カフェのママになり現在に至る。小樽で珈琲工房を持つお兄さんが、新しくコーヒーを煎る機械を据える場所を探しており、「夫が店をやりたい」と現在のカフェを2年前にオープンさせ、珈琲工房焙煎室を併設した。

 初めはママとご主人が仕事の休みを利用して営業していたが、「夫が言い出したのに、今では私がもともとの仕事を辞めてずっとこの店にいるんです」

 コーヒーに縁がなかったママだが、「兄からコーヒーが出来るまでの話を聞いて好きになった」と、今ではコーヒー通に。

 カフェの中には、コーヒー独特の煎った香ばしい香りが漂う。昔の喫茶店のように、コーヒー1杯でゆっくりしてもらいたいと、「ソファーも置きたいぐらい」と話す。コーヒーは、250円という手頃な価格からとなっている。

 もともと人と話すことが好きというママは、「人の話を聞いていて楽しいし、勉強になる。趣味でやっているような店だけれど、コーヒー1杯で何時間でもいてもらい、体や心が疲れた人にゆっくりしてもらえればいいな」とやさしく微笑む。小樽港が見えるカフェで、オリジナルコーヒーとゆったりとした時間と本を提供する。

ブック・カフェ シオン&珈琲工房焙煎室

営業時間 11:30~18:30(1~2月は18:00まで、火・水定休)
小樽市富岡2-34-10 なつ家1F
0134-27-4310

2006年4月のベストママ
スナック 待夢尚

高橋 寿美子ママ

 63歳のママは、積丹出身のバリバリのずうずう弁で客を毎夜迎える。

 小樽花園で36年間スナックを営業し、「いらっしゃいませ」と言うことが好きな待夢尚(たいむなお)のママ。

 「オラッち、一生田舎にいたくねぇ。都会に出たかったんだ」と、中学を卒業して小樽に越して来た。勉強が好きで、先生になりたかったというママは、小樽潮陵高校の定時制へ。

 昼は、雑貨屋やコーヒーショップで働き、夜は学校で猛勉強という学生生活を送った。卒業後は、北ガスに就職。電話交換手という職に就き、なまりもなくなったという。

 就職してから約10年後、知人に勧められた水商売を始めた。酒が好きでもなく、飲むことも出来なかったと苦労話もするが、大変だと感じたことはないと話す。オープン当初に雇っていた女の子たちが積丹などから小樽に来た子が多くて、みんなでずうずう弁を使っていた。「ようやくなくなったなまりもすぐに出てきたんだ」と、なまりが取れない理由を語る。

 「飲み屋で働いてる」と言われることが嫌で、美容師や着付けの資格を取り、介護ヘルパーの1級も取得。このため、現在、待夢尚は、完全バリアフリーで、全道でも珍しく、車椅子を完備しているスナックとなった。

 とにかく、働くことが好きなママは、7年間休みを取っていない。昼はカラオケ喫茶と美容室を営業して、夜はスナックと忙しい毎日を過ごす。店のつまみで出てくるものは、積丹の新鮮な魚介類や薫製など。週4日以上は必ず立ち寄る客も、「寿司屋さんが買いに来るほど新鮮なものなのよ。本当においしいの」と話していた。

 店名の待夢(たいむ)は、「ちょっと休んで行って」、尚(なお)は、易者さんに「寿美子は強いから尚子にしなさい」と言われたのがきっかけ。

 ママは、「お年寄りにやさしいスナックだからシルバースナックとも言うんだ」という。さらに、6月には向かいに新たな店舗もオープンする予定。そこは、「男の子を雇って、違う店の感じにしたい」と、ママの夢はさらに広がる。

スナック 待夢尚

営業時間:
11:00~17:00(月・火定休)
18:00~0:00(無休)
小樽市花園1-5-3
0134-27-5624