ベストママ

2010年4月のベストママ
味処かまわぬ

斎藤 さやかママ

 私のキャッチフレーズは“生粋の小樽っ子”。半年前に知り合った越後諒治さん(23)が経営する「味処かまわぬ」で、女将の修行に励んでいる。

 北星学園大学英文科卒業。在学中の1年間韓国に留学し猛勉強。「日本人とより、韓国人の子とばかり話をして、いつでも韓国語に触れているようにした。足りない部分は英語でカバーした」

 帰国後、韓国語と英語を使いながら、小樽の勉強をしたいと、「おもてなしボランティア」に所属。「高いお金を払って小樽に来てくれた外国人観光客の方に、無駄な時間を過ごしてもらいたくなかった。日本人は親切だなと思ってもらえるように頑張った」

 2008年には、ボランティア活動で培った知識を活かしたいと、ミスおたるのオーディションに参加し、見事選ばれた。全国各地を飛び回り小樽観光をアピール。

 今年3月から「味処かまわぬ」で女将修行を始めた。「海外に通じる仕事につきたいと考えていたが、自分の店を世界にチェーン展開したいという大きな夢がある店長の思いを聞き、自分の得意な韓国語と英語を使って、少しでもお手伝いしたいと思った。小樽に来る外国人観光客に、日本、小樽の和のお店を楽しんでもらえればと思っている」

 飲食の仕事は初めてだが、同店のコンセプトである“癒しとくつろぎの時間”を提供するため、日々努力する。持ち前の負けん気で、どんなに忙しくても笑顔でおもてなしする。

 「すごく忙しい時に必死に頑張っていたら、お客さんから頑張ってるね、接客良いよと声をかけてもらって励みになった」とニッコリ。26歳の若女将。只今修行中。

味処かまわぬ

小樽市花園1-6-4 嵐山ビル2階
0134-24-3232
営業時間:17:00~23:00
定休日:日曜日

お店のHP
2010年3月のベストママ
Cut Point KeKe

進藤 佳子ママ

 JR小樽駅前下の都通り商店街の「Cut Point KeKe」」オーナー(37)。

 車好きで、トラックの運転手になりたかったが、普通免許取得後すぐには大型免許取得の資格がないため諦めた。ガソリンスタンドで働いたり、バスガイドをして、大好きな車で積丹や余市などにドライブするのが趣味。

 20代の時にウエディングドレス販売の店で働ていたが、人手が足りなくなった近くの美容室の手伝いをすることになった。これがきっかけとなり、3年の通信教育で資格を取り、6年前に独立して店をオープンした。「やりたいと思ったらすぐやった。その時に思ったことをやるの」

 「お酒を飲むことが好きで、たまに花園に飲みに行く。仕事が終わったあと、寿司屋をやってるだんなの仕事も手伝いに行く。手伝った日は、家に帰ってから、だんながつまみを作ってくれて、これがすごく美味しいの」

 寿司職人のご主人と結婚してから7キロ増え、最近、スポーツジムに通い始めたが、「全然痩せない・・・」と嘆く。

 カット3,150円・小学生カット1,575円と、街中の美容室の中では低価格設定。「お客さんには、街場の割には安い。朝里とか、手宮、赤岩の値段に近いねと言われる。まあ、このご時世だから」

 「冬は、都通りのアーケードに雪が積もって暗いので」と、店内から青色のイルミネーションを煌かせる。店の前には、かがり火を模したモニュメントを置く。

 「出来れば小樽から離れたかったのだけれど、なんでなのか離れられなかったのよね」とぼやく。さっぱりとした人柄で親しみやすいユニークなママ。

Cut Point KeKe

小樽市稲穂2-10-14
0134-33-6333
営業時間:10:00~
定休日:火曜日・第3水曜日

2010年2月のベストママ
定食てみや家

又村 悦子ママ

 運河沿いのシミュレーションゴルフ場「赤レンガ大同」内にオープンした「定食てみや家」のママ(61)。地魚を使った“お袋の味”を提供する。

 手宮で生まれ育ち、結婚後、ご主人の仕事の都合で、旭川や苫小牧など道内を転々したが、ふたたび手宮に。

 「私、子供、孫の三代で手宮。戦後の昭和23年のベビーブームに生まれ、手宮には子供が多かったわ。1クラス60人で、それが9クラスぐらいあったと思うわ。でも今は全校児童で100人くらいで寂しい」と語る。

 姉のトキさん(67)が産業会館にオープンした飲食店を手伝ったことがきっかけとなり、飲食業の道へ。「産業会館は、小樽のスーパーの発祥の地。焼きそばやおやきを販売し、当初はカウンター席だけだったが、テーブル席も増やし、忙しかったの」と振り返る。

 今度は、姉のトキさんの手伝いもあり、13年前の交通記念館オープンに併せ、手宮にある同施設目の前の自宅敷地に2号店「てみや家」を開店。特技もないし、気張ったものも作れないので、家庭の延長のつもりで定食を作った。でも、それが一番落ち着く味で、漁師さんたちもよく食べに来てくれたのだが、姉が体調を崩したため3年前に店を休業。

 店を休業してからは、家事をするだけの生活だった。子供たちが大きくなって時間に余裕も出来た頃、お客さんとして来てくれていた大同の社員の方から、ゴルフ場で食堂をやらないかとお話しがあった。どこかでアルバイトするといっても、茶碗洗いは洗浄器があって必要ないし、他所では多分使ってもらえないと考え、姉の体調も良くなったこともあったのでオープンすることを決めた。

 1月7日にゴルフ場内で「てみ家」の営業を再開。焼き魚や煮魚のメイン料理に、日替わりの小鉢2品、ご飯、味噌汁、漬物をつけた定食(600円)を提供している。

 「地元の漁師さんの協力で、旬のお魚料理を出すことが出来る。春はホッケやアサバガレイなど。イカ刺しは絶対おすすめ。活きの良いものを届けてくれるので、すっごく美味しいの」と勧める。

 「儲けは少ないけど、地元の人がお昼に使うなら600円が限度だと思う。地元の人がメインに食べに来てもらいたいから、この値段で頑張る」と、姉妹で店を切り盛りする。

定食てみや家

小樽市港町5-4(赤レンガ大同内)
0134-22-3260
営業時間:11:00~15:00
定休日:日曜日・祝日

2010年1月のベストママ
スナック スマイル

広部 亜佐美ママ

 花園飲食街の小路にあるスナック「スマイル」のママ(62)。

 飲みに通っていた友人のスナックの移転がきっかけとなり、28年前に移転後の空き店舗で自らスナック経営を始め、女手ひとつで3人の子供を育てた。

 「オープンした当時は、街全体に活気があって、クリスマスの時にはお客さんをお断りすることもあった。おかげで普通の生活を送ることが出来た。店は儲かっていたけれど贅沢はしなかったのよね」

 その後のバブル時代は、毎日満席で、現店舗の購入資金は短い期間で支払いが出来た。「昔は美人だったのよ。店舗を買った20年前は、1日の売上金が十数万円だった。バブルの良い時を味わってしまった。今はどうにか四苦八苦して営業している」と苦笑い。

 5年前に体調を崩して、2年ほど体を動かすことすら出来なくなった。「“あ”と“う”しか言えず、半分死んでたの。今はようやく話せるようになって、働けることが一番の生きがいになっているの。お客さんと飲みながら話すことがリハビリね」

 店内のシャンデリア、朱色のじゅうたん、木製の椅子が、昭和のレトロな雰囲気を演出する。週刊プレイボーイの撮影にも使われ、女優の矢田亜希子が店を訪れた。小樽を舞台にしたドラマの撮影で来樽した俳優の妻夫木聡が、スタッフらと飲みに来たこともある。

 愛娘の亜佐美さん(38)との“親子漫才”が、和やかな笑いを広げる。ママと店の雰囲気が好きだと、オープン時から通う常連客も多い。「跡継ぎもいるし、あと1年、2年、3年か4年・・・もうちょっとかな。後継ぎがいると思うと安心で、出来るところまで頑張ろうと思う」

 パッションピンクの派手なジャケットが似合う、いつもニコニコ“スマイル”が素敵なママ。

スナック スマイル

小樽市花園1-12-2
0134-22-8565
営業時間:21:00~2:00
定休日:火曜日・元日

2009年12月のベストママ
高級婦人帽子 帽子ゃさん

山塙 征子ママ

 高級婦人帽子を揃える、小樽で唯一の帽子専門店「帽子ゃさん」のママ(66)。「どんな人でも必ず自分に合った帽子がある。帽子のことならまかせて」

 旧丸井今井小樽店の販売員として、30年以上働いたベテラン。丸井閉店後、帽子メーカーからの依頼で、同ビルで暫定営業していたサンモール・ネオ内に帽子専門店をオープンした。

 2月のサンモール・ネオの閉店後は、隣接のバッグのアカイシの一部フロアを借りて営業を始めた。場所は違えど、丸井今井にあった高級帽子を販売し続けている。

 「小樽には、帽子のことが好きな人が多いの。それに、人が被っていないものを求める人ばかり。だから店に置いている商品は手作りの一点ものばかり」

 小樽で生まれ育ち、ご主人の転勤で一度は小樽を離れたが、また戻ってきた。2人の子供を育てた後、軽い気持ちで始めた丸井今井のアルバイト販売員。洋服販売などを経験するうちに、本店に研修に行くようになり、正社員になった。閉店するまでの5年間は、ずっと帽子の販売コーナーを担当した。

 「最初は、帽子売りは嫌だなと思っていたけれど、お客さんに被り方を教えたり、似合っているものを見つけたりすることが楽しくなって、最後に喜んで帰っていくお客さんの姿を見ると嬉しくなった。丸井さんのおかげで、今の自分がいる。本当に感謝している。自分で店をやるなんて少しも思わなかったから。自分で店をやって、色々な人とコミュニケーションをとることが元気の秘訣になっている」

 同店の取り扱い商品は高級品ばかり。「本当に帽子が好きな人は、4~5万円のものを値段を見ないで買っていくの」。ここ小樽で、不景気という言葉を感じさせない店だ。

 「帽子のセンスは、洋服を選ぶよりも難しい。髪型と一緒だから。でも、お客さんが来たら、この人にはどの帽子が合うかというのがすぐ分かる。あたしプロだからまかせてをキャッチフレーズに営業している」

 「帽子が全て」とゆったりと優しい口調で語るママ。

高級婦人帽子 帽子ゃさん

小樽市稲穂1-4-16
電話:0134-32-8584
営業時間:10:00~19:00
定休日:なし

2009年11月のベストママ
バラエティーショップ 舞桜

金澤 ともかママ

 バラエティショップ「舞桜」のオーナー(37)。天狗山に向かう緑第一大通り沿いの3.5坪の小さな店で、昔懐かしい駄菓子や小学生用の文房具などを提供している。

 昨年10月にオープンした。「小学3年生と1年生の子供がいるが、最上町に住んでいるが、国語のノートを購入しようとすると、築港の喜久屋書店にまで行かないといけない。私は車を持っているので何とかなるが、持っていない人にしたら、ノート一冊でも、文具を購入するのはすごく大変。子供がゲームセンターでカードゲームをするが、1枚100円なのに同じ種類のカードを持っていると、他の子にそのカードをあげるの。金銭感覚が変だと思った。昔は100円玉でいかに多くお菓子が買えるかを楽しんだのに」と話す。

 1個10円の糸ひき飴など、近所にあった駄菓子屋と同じ商品を陳列している。小学生たちに必要な最低限の文房具も置き、緑地区の住民から重宝されている。オープン当時は、糸ひき飴が小学生の間でブームになった。緑小学校の子供たちが、口から糸を垂らして歩くのがステータスになっていたという。

 子供を連れた父親が、子供そっちのけで駄菓子に夢中になる。「大人買いすると言って、商品を1種類ずつ買ったりする姿が面白い。子供はポカンとしているけど。大人にも懐かしいと思ってもらえるのが嬉しい」とニッコリ。

 店名の「舞桜」は、「桜の花が好きなの。咲いた時と散って風に吹かれて舞うきれいな姿も好きで、咲いても散っても楽しめる桜のように、いつ来ても楽しい店にしたい」と付けた。

 学校卒業後に美容師となったが、椎間板ヘルニアになってしまい、一時は歩くことも大変になり退職。しかし、「今は、ずっと同じ体勢じゃなければ大丈夫。毎回、子供たちが店に来てくれた時に、新鮮さを味わってもらいたいから、店の模様替えは欠かせない」と張り切る。

 「子供の時によく行っていた駄菓子屋が、ついこの前まで営業していて嬉しく思った。今、店に来てくれる子が大人になって、子供を連れて来るぐらいまで頑張りたい」と、緑地区で頑張る駄菓子屋のママさん。

 12月6日(日)11:00~15:00には、運河プラザ3番庫(色内2)で1周年記念イベントを開催する予定。詳しくはこちら

2009年10月のベストママ
コミュニティカフェ Wa-o!Cafe

中津 江利子ママ

 中央市場ビル(稲穂3)の一角から、若いママたちの賑やかな笑い声がこだまする。

 9月に、中央市場ビルの南側の1号棟内にオープンしたママたちのコミュニティカフェ「Wa-o!Cafe」の店主。

 スキューバーダイビングやアロマ・化粧品販売など、多種多様な職種を経験。10年間の専業主婦を経て、育児情報フリーペーパー「Wa-o」の出版をしたいと企画を持ち込み、情報誌発行・坂の街出版に昨年9月に入社した。

 入社1ヶ月後の10月に第1号を発刊し、2ヶ月に1回、小さな子供を育てる主婦に向けて情報を発信している。

 これらの情報を発信するだけでなく、ママたちが集まって情報交換をして欲しいと、カフェをオープンした。食やネイルなど様々な分野でプロの講師を招き、趣味を通して育児について語る場を提供している。

 「市場が大好きで、買い物は市場で。小樽の魅力は市場にある。たまたま会社の代表がこの店舗を引き継ぐことになり、この場所でカフェをやることになった」

 「市場が廃れていくのは避けたい。市内の市場には、石畳で坂になっているところもあり、小樽らしい魅力がいっぱい。私たちの世代は、スーパーに行って、ただただ買い物をするだけ。しかし、市場に行くと、店の人と会話も出来るし、なんといっても子供の食育にもつながる」と、集まったママたちに勧めている。

 今はまだ、講習会がある時だけのカフェだが、いずれは毎日営業したいと張り切っている。主婦のフリーマーケットや作品展示会などを開催したいと夢を膨らませる。話し上手で明るい笑顔が魅力の元気いっぱいのママ(41)。講習会の情報はこちら

コミュニティカフェ Wa-o!Cafe

小樽市稲穂3-11-1 中央市場1棟
0134-29-2166(坂の街出版内)

2009年9月のベストママ
スナック 花ごよみ

西森 久美子ママ

 純和風テイストの店内にミスマッチな洋服姿で接客する、花園1のスナック「花ごよみ」のママ。

 小樽生まれの46歳。20歳で結婚して21歳で娘を生む。早くに亡くなったご主人の代わりに、昼と夜の仕事を掛け持ち、女手ひとつで育てた。

 夜の仕事は、25歳の時に知人から進められて始めた。人と話す接客の仕事は好きだったが、お酒を飲むことが不得手だった。「なんの仕事もそうだが、慣れるまで大変だった」と昔を思い返す。

 2年前に、オーナーママから「花ごよみ」を引き継ぎ、人生初のスナック経営に挑戦中だ。

 「自分で店を持つ気はなかったがオーナーママが引退するからということで、店を引き継ぐことになった。経営と雇われて働くだけとは全然違うわね・・・」

 今では、25歳になった娘も店に出て、母を助ける。ゆったりと落ち着いたママと、娘とアルバイトの若い女の子が作る、明るいアットホームな雰囲気が、この店の特徴。ゆったりと飲みたい年配者から、カラオケをしながら楽しく飲みたい若者まで、幅広い世代の客が訪れる。

 ママは、店から離れると、パークゴルフやドライブなどアクティブに趣味を楽しむ。結婚する前は、仕事の合間をぬって、市内にあったディスコで踊って遊んでいたという。「花園にあったゲームセンター横の小路にあったエアポートというディスコによく行ったわ。懐かしい」

 普段は洋服だが、金曜日だけは、内装に合わせて和服で接客する。「娘も大きくなったし、あとは楽しく仕事をしたい」と大きな目を細める。

スナック 花ごよみ

小樽市花園1-11-25
営業時間:19:30~1:30
定休日:日曜日
0134-25-3155

2009年8月のベストママ
お食事処・居酒屋 あんちゃん

安藤 裕子ママ

 南樽市場の並びの通称“新富大通り”に、「お食事処・居酒屋あんちゃん」を7月6日にオープンした。次々に飛び出すジョークで店内を笑いで包む、ユニークなママ(53)。

 15年前、突然、ご主人が勤める札幌の自動車学校の食堂を経営することになった。飲食店経営のノウハウも何もない主婦だったので、手探りで始めることに。「素人だったから大変だった」

 そんな不安も持ち前の明るさと人柄で吹き飛ばし、教師や生徒が長い列を作るほどの人気食堂となった。安くてうまい“母ちゃんの味”が評判だった。8年間営業を続けたが、体調不良を理由にリタイア。

 療養生活を送り、体調も回復すると、今度は、市内のラーメン屋でアルバイトを始めた。1年半後、知人から空き店舗の話があり、7月に居酒屋をオープンすることにした。「飲食店を経営することが好きみたい」

 「地元のお客さんが気軽に来れるようにしたかったし、頭が弱いから計算が出来ないの」と、ランチは500円、夜の小料理は300円に設定。「料理はちゃんと出ないかもしれないが、口からデマカセならいくらでも出るわよ」

 潮見台の小中の同級生2人が、ボランティアで手伝いに来てくれる店内は、いつも常連さんで賑わう。和やかな雰囲気から、地域のお年寄りの憩いの場にもなっている。

 自らのことを“ジュリア”と呼ぶユーモアたっぷりの明るいママ。「デマカセを肴に一杯いかが?」

お食事処・居酒屋 あんちゃん

小樽市新富町11-2
営業時間:11:00~14:00,18:00~23:00
定休日:日曜日・祝日

2009年7月のベストママ
MMCコーヒーショップ小樽店

正木 芽莉子ママ

 北海道で一番最初にオープンしたMMCコーヒーショップ小樽店のオーナー(60)。花園3丁目商店会の花園映画劇場跡地横に店を構える。

 1980(昭和55)年に雇われ店長として働き始め、1989(平成元)年の移転に伴い、オーナーに。

 「三本コーヒー小樽店は、当初、三ッ山病院に隣接した店舗にあり、年中無休で人を使って営業していた。会社の方針転換で、オーナー形式に変わり、会社から、“人を使うと人件費がかかるが、使わなければ赤字にならないし、営業時間も何もかも自分で決めてやっていい”と言われたので、乗っかったの。一か八かの賭けでオーナーになったけど、息子も結婚させることが出来たし、孫も2人いるし、選択は間違ってなかったと思う」とニッコリ。

 青森で生まれてすぐに小樽へ。「生まれてすぐに、父親の実家の小樽に引越して来たから、樽っ子なの。昨年還暦を迎えたが、年を重ねるごと、小樽以外のところでは生きていけないと感じるわ。小樽には海と山があるし、なんともいっても人情が良い」

 小学校2年から日本舞踊・西川流を学び、20歳で師範に。ヨガも10年以上続けている。「今は、毎日5:30に起きて、友達と3人でぺちゃくちゃしゃべりながら、小樽公園を歩くのが好き」

 「終戦後に生まれて、芽莉子(めりこ)という“アメリカ”のような名前が嫌だったの。年をとったら慣れるかなと思っていたけど、全然慣れない。親は、芽が出て利益が出るようにと付けてくれたが、今でも名前を言わないで良いなら言いたくないわ」と軽やかな口調ながら、その場を盛り上げる。

 周辺の主婦の溜まり場で、カウンターに腰をかける客と賑やかに会話を弾ませている。

MMCコーヒーショップ小樽店

小樽市花園3-2-5
営業時間:9:30~17:00
定休日:日曜日・祝日
0134-25-8968

2009年6月のベストママ
ランチ&ドリンク ポテト

佐藤 恵美ママ

 「若い頃からお店を持つことが夢だったの」

 5月20日に、市役所前にオープンしたばかりのランチ&ドリンク「ポテト」のママ。

 バスケットやバレー、スキーなどオールラウンドで
楽しむというスポーツウーマン。小樽手宮っ子。高校生の時には、手宮市場でアルバイトしたり、実家の菓子屋を手伝ったり、とにかく接客が好きだという。

 卒業後は、苗場スキー場でスキーをしながらアルバイトしたり、黒部ダムのホテルや三宅島の旅館で働いてアウトドアを楽しむなど、3年間、全国各地を遊び回った。

 「ヒッチハイクしたりして色々な場所へ行った。小樽とは別世界で本当に楽しかった。風来坊だったわ。3年間だけだったのに、いつも色々な場所にいるもんだから、親とかに、あんたはいつまでフラフラしてるのって言われたなぁ」

 この後、小樽に戻って24歳の時に結婚。主婦をしながら仕事に出た。空いた時間には、ミニバレーチームに入ってプレーしたり、最近ではパークゴルフも始めた。

 「もう57歳なので、やりたいことをやると決めたの。実家が菓子屋さんだったせいか、自分も商売が好きみたいで、今頃になってとも言われたけれど、お店を持つのが夢だったの」と、5月に店をオープン。所属するミニバレーチームの名称「ポテト」を店名にした。

 知人の仲買人から仕入れた魚や、自分で取った山菜を使って、安くて健康的なお袋の味を提供する。「魚も安く手に入るし、あたしはメスグマだから、山行って山菜を取ってくるの。新鮮な材料を色々工夫してメニューの幅を広げるようにしている」

 友人や親戚と和気藹々と営業し、店内は仲間たちが集う部屋のよう。ママの写真にも仲間が一緒に顔を出す。「年齢も年齢だから10~15年出来ればいいっしょ」と笑顔で話す。人当たりの柔らかな手宮育ちのママ。(写真中央がママ)

ランチ&ドリンク ポテト

小樽市花園2-12-4
営業時間:11:00~18:00
定休日:日曜日

2009年5月のベストママ
やきとり参九郎

須田 京子ママ

 花園グリーンロード沿いにある“安くてうまい”が売りの「やきとり参九郎」のママ。

 札幌ススキノで20年スナックを経営していたが、小樽が大好きなご主人が花園で店を開くことになり、11年前に移住。

 最初はご主人の補助ということで店の経営を手伝っていたが、5年前にご主人が新しく居酒屋を市内にオープンしたため、自分がこの店のオーナーとなった。

 「海水浴に来て、お寿司を食べて潮まつりに来るのが好きだったが、まさか小樽に住んで、自分で焼き鳥屋をやることになるとは夢にも思わなかった。考えもしなかったことが起きるから、人生って楽しいのよね」

 “安くてうまい”の精神をご主人から引き継ぎ、焼き鳥やつまみのメニューは、110円から350円までの低価格に抑えている。「景気が悪くなって5年前よりも売り上げが半減している。でも、お客さんが来ないからといって値段を高くしていたら、もっと来なくなってしまう」

 スナックと焼き鳥屋と飲み処を長く続けてはいるが、酒はほとんど飲まないという。趣味は、温泉巡りで、休みの日でなくても温泉に浸かることもしばしば。その甲斐もあって肌はツヤツヤ。

 「札幌のお客さんには、店を辞めると言っただけなのに、どこかで聞きつけてのか、小樽のこの店にも遊びに来てくれる。小樽の常連さんにも助けてもらって営業出来ている。死ぬまで、やれるところまでは店を続けたい」と話す。

 若い客に“下宿先のお母さん”のような暖かさを感じさせるママ。

やきとり参九郎

小樽市花園3-14-9
営業時間:17:00~24:00(ラストオーダー23:15)
定休日:日曜日
0134-22-9336