ベストママ

2011年4月のベストママ
ラビアンローズ

田口 綾子ママ

 歯科助手から花街へ一変して20年。スナック「ラビアンローズ」の2代目ママ。

 高校卒業後、歯科助手として市内の歯科医院に就職し、「資格を取りたい」と衛生士専門学校へ。知人の母親からおこづかい稼ぎにとスナックのアルバイトを紹介され、そのまますっかり夜の仕事を続けることに。「やっぱ資格を持った方が良いと思って専門学校に入ったが、全く畑違いの仕事になったの」と笑顔を見せる。

 「20年前に花園で働き始めたが、今と比べるとすごく景気が良かった。でも、大ママからすると、20年前でもすでに景気が悪くなっていた。もうこれ以上景気が悪くならないだろうなと思って、大ママから店を引き継いだが、それ以上に悪くなっている。今まではアルバイトとして夜の仕事をしてきたが、経営者になると全然違う。挫折しそうになったこともあるの。結構打たれ弱いの」

 食べ歩きが趣味で、客の口コミには敏感に反応。「美味しいと聞いたら、次の日に車を飛ばしてでも行く。食べることが大好き。食べに行くついでに、景色を見ながらドライブしてくるのが良い」

 2年ほど前からゴルフを始めたが、体調を崩し今は休憩中。「ゴルフ道具はあるのに、まだへたっぴのまま。機会があればまた始めたいな」

 「仕事にはやりがいを感じるが、経営者になると今までとは全く違う目線で、大ママの気持ちがやっと分かってきた」と苦悩しながらも、元気いっぱい夜の花園を笑顔で明るくする。

ラビアンローズ

小樽市花園1-11-24
TEL:0134-23-2552
営業時間:20:00~01:00
定休日:日曜日・祝日

2011年3月のベストママ
BUSENA(ブセナ)

田中 沙貴ママ

 今の店舗に移転して、4月21日に5周年を迎えるスナック「BUSENA(ブセナ)」のママ。

 苫小牧の美容専門学校に進学し、国家試験に合格。美容師資格を取得し「小さい頃から憧れていた」美容師となり、札幌や東京などの美容室で働き、腕を磨
いた。

 5年前、小樽に戻ってきて、美容師から一転スナックのママに。「しばらく小樽を離れていたので街のことを知らず、お客さんも全くいない状態で始めた」

 当初、かま栄通りに店を構えていたが、2年前に新しい今の店舗に移転し、カラオケスペースを、店内で区切っている。

 そして昨年、「お客さんには、その日の気分で店の雰囲気を楽しんでもらいたい」と、ガールズバー「BRoop(ビーループ)」をオープン。

 ママやスタッフと談笑しながらゆったりと酒を飲みたい人は「BUSENA」へ、若い雰囲気で明るく飲みたい人は「BRoop」へ。ママは、2店舗を行ったり来たりしながら、それぞれのお客に対応している。

 「色々な年代のお客様にいらして頂き、知り合えることが嬉しい。美容師もスナックでも、接客が好きなんだと思う。ただ、あまりお酒は強くないので、酔うとすごくおしゃべりになっちゃうの」

BUSENA(ブセナ)

小樽市花園1-9-13
TEL:0134-33-6400
営業時間:20:00~01:00
定休日:日曜日・月曜日

お店のHP
2011年2月のベストママ
焼魚おでん ふるさと小樽 さかな旨い処 きらく

荒町 不二子ママ

 稲穂第一大通りより一本港側の旧日蓄小路に、さかな旨い処「きらく」を構える荒町不二子ママ(74)。

 忍路の漁師の娘。「家が貧乏だったので、早く勤めて一人前になりたかった」と、中学卒業後、歯科医院に住み込みで働き、一生懸命貯金をした。「いつか自分で店を持ちたいという夢があった。お金をまったく使わない時は、給料を丸々貯めることが出来た」

 市内のウナギ屋やスナックで働き、客商売のイロハを学び、46年前に花園で店を開いた。「自分で開いた小さい店。花園の店舗を変え、今の場所が5軒目。自宅なので家賃がかからないの。最初は景気が良かったけれど、ここ10年ぐらいは全然だめ。それでも、昔からのお客さんが来てくれるか続けている」

 今は、娘と妹と、妹の娘の4人で切り盛りしている。漁師の娘だけあって魚にはこだわる。「足腰が痛いけれど、やっぱり自分で作った料理が美味しいと言ってくれるから頑張る」。中でもしめ鯖は自慢だ。

 映画監督の山田洋次や俳優の蟹江敬三、安達祐実などなど、有名人も新鮮な魚を求めて店に来る。「その時期のものを食べられるようにしているし、魚の種類は豊富だよ」とニッコリ。

 「小樽は景気が悪くて本当に何とかしてもらいたいよ。ま、ここまで店を続けたらもう少し頑張るさ。アハハ」

 明るい笑い声を店に響かせる。

焼魚おでん ふるさと小樽 さかな旨い処 きらく

小樽市稲穂2-7-10
0134-27-1892
営業時間:17:00~22:00
定休日:日曜日・祝日

2011年1月のベストママ
スナック Rien

九谷 光紀ママ

 花園繁華街かま栄通り沿いの第二潮銀座ビルウエストタワー1階にあるスナック「Rien(リアン)」のママ(30)。

 高校卒業後、飲食店やホテルで、OLを8年続けた。「人との触れ合いが好き」と、夜の世界へ転職。アルバイトで経験を積み、昨年11月に自分の店をオープンした。

 「自分でお店を持つつもりはなかったが、新しく出来たこの店を見せてもらって、雰囲気に感動して決めた。こじんまりやろうと思ったが、可愛い子がアルバイトに来てくれて、お客さんもたくさん来てくれるようになった」。週末はママと8人の女の子が酔客に対応する。

 オープンして1年。平日も週末も常連客や新規の客で店は賑わい、どんどん輪が広がる。「様々な職種のお客さんが来てくれて、色々なお話をしてくれるから嬉しい。お婆ちゃんになってもお客さんが来てくれるなら続けたい。お客さんと毎日充実した生活が送れるなら、結婚しなくても良いかな」

 気分によって和服か洋服で接客する。「着付けを習っていて、柄や帯、草履それぞれに意味があり、和の歴史を学ぶことは楽しい。和服は体型も隠れるし好き。休日に呉服屋さんに行って、スーパーローンで買うの」

 頻繁にバイク仲間を自宅に連れて来ていた父親の影響で、幼少期からバイクに興味を持ち、「体を動かしたいし、女の子がバイクに乗っていたら格好良いと思った」とOL時代に免許を取得。

 定休日には、毎週のように、仲間や客とツーリング。小樽・後志を疾走する。「風にあたって走るのが気持ち良い。途中で美味しいものを食べるのも楽しみの一つ。ふふふ」と思い出し笑い。夢はハーレーでツーリング。

 仕事とバイクが大好き。「Rien(絆・フランス語)」を大切にする人当たりの良いママ。

スナック Rien

小樽市花園1-9-19 第二潮銀座ビルウエストタワー1階
0134-33-0010
営業時間:19:00~02:00
定休日:日曜日

2010年12月のベストママ
南風(はえ)

増川 尚恵ママ

 洋食料理「南風(はえ)」(色内2)の尚恵ママ(46)。余市町出身。OLをしながら、叔母が堺町通りにオープンした喫茶店「游心菴(ゆうしんあん)」のサポートをしていた。友人の紹介で、17年間沖縄に住んでいた小樽出身のマスター・通さん(53)と知り合い、結婚。7年前にマスターが「南風(はえ)」をオープンし、料理人としての腕も買われ手伝うこ
とになった。

 昼間、仕事をしていたことから、当初は夜だけの手伝いだったが、3年前から昼も夜も夫婦二人三脚で営業することになった。

 「マスターは、料理は見て覚えろという人で、最初は大変だったけれど、小さい頃から料理することが好きだったし、游心菴でもやっていたのでなんとかやっていた」

 最初は洋食料理屋で、沖縄料理はゴーヤチャンプルー1品だけだったという。しかし、常連客のリクエストに応えていく中で、沖縄料理のメニューと泡盛の種類が増えた。今では、沖縄料理の「南風(はえ)」と言われるようになった。

 ちょうど慣れてきた頃、突然マスターが体調不良で入退院を繰り返す状態に。「昼も夜も手伝うようになっていたから、通常はなんとか一人で出来たが、週末はアルバイトの女の子に来てもらっている。それに常連のみんなに助けられて営業出来ている。みんなセルフサービスで、ビールも自己申告してもらっている」

 全く酒を飲まなかったが、酒好きのマスターに教わり、今では相当な酒豪に。店に揃っている泡盛ならほぼ利き酒が出来る。サルサ、ラテンダンスが得意で、テキーラをワンショットし、日本人離れしたバネのあるダンスを披露する。常連客たちは、ママのダンスを眺めながらさらに酒が進む。ダンスの後に一服する姿が、なんとも“男”らしく、女性客の中には恋焦がれる人も。

 「うちは、女性の方が一人で来てくれることが多いが、男性も一人で来てくれることもあり、みんなカウンターに座って仲良くなるの。ガラス職人さんや映像ディレクター、会社員、獣医さん、色々な職種の人が集まり、和気藹々と楽しんでくれる。本当に良いお客さんばかりで、みんなのサポートがあって今がある」

 泡盛の入ったグラス片手に、常連客と会話を弾ませながら店を切り盛りし、マスターの帰りを待つ。

南風(はえ)

小樽市色内2-15-9
0134-27-8050
営業時間:11:30~14:30、17:30~22:00
定休日:水曜日

2010年11月のベストママ
談話室アニモ

山本 國の助ママ

 「中学入った頃から女性に憧れたのよ」。花園繁華街にあるスナック&食事の店「談話室アニモ」のママ?!

 京都で生まれてすぐ小樽へ。稲穂小学校に通っていた頃には、1学年上に石原裕次郎が在学しており、銀幕のスターの幼少期を同じ校舎で過ごした。
当時は1学年が7~8クラスと多く、残念ながら、裕次郎と出会うことはなかった。

 札幌の短大卒業後上京。「収入ががばちょんがばちょん入る時代だった」と、スナックで働き、30代から憧れの女装を始めた。世田谷に出店し、4人もアルバイトを使いながら利益も多かった。「儲かったのよ。マジに」と、焼酎のコーヒー割りを一口。

 小樽に残していた母親の死を機に、20年前に帰省。「パートにでも出ようとしたが、50過ぎの人間を雇ってはくれないと思って、一
か八かで店をやってみることに」と花園で店を開いた。スペイン語のアニーモー(人が集まるところ)から談話室アニモと名づけた。

 女性から圧倒的な支持を受け、深夜1時、2時と、遅くなればなるほど店は満員となる。「とにかく会話することが好きなのよ」。ユーモア
たっぷりの人柄で店はいつも笑いが絶えない。ダンスが好きで、アルコールが入ると、カツラをつけて踊り出す。吉本興業北海道の1期生だった経歴もあり、「間寛平かと言われた」とぼそっとつぶやく。

 女性も男性も帰る頃には、「この店は面白いのよ!」と口癖がうつる。「うちに来たら遠慮はなし。みんな家族なんだから。みんな我が家だと思ってるんじゃないの」。客からは“國ちゃん”と親しまれている。

 談話室は朝まで続く。閉店後は鱗友朝市で朝ごはん。3時間寝て、南樽市場へ買出しに。「年が年だからパっと目が覚めちゃうのよ」

 御年73歳。女性よりも女性らしく、元気ハツラツの國の助ママ。

談話室アニモ

小樽市花園1-7-7
080-1975-6087
営業時間:19:00~05:00又は06:00
年中無休

2010年10月のベストママ
キャバレー グランドハワイ

立川 由紀子ママ

 プロ歌手で“シャンソン系ムード歌謡の女王”として知られる、花園1のスパルビル2階にあるキャバレー「グランドハワイ」の立川由紀子ママ。

 真っすぐのびた夢の道…勇気と希望 夢をもって…。軽やかで伸びやかな歌声を花園ネオン街に響かせる。客の誘いで出場したカラオケ大会で優勝し、ひょんなことからプロ歌手になってしまった。

 生まれも育ちも小樽。保険会社に15年間勤めたが、棒グラフの成績表と睨めっこしながら日々を過ごし、良くても悪くても月を終えると、またゼロから始まる、そんな生活を繰り返している中、「自分の顔が嫌だなと思ったの。夜の賑わうところで仕事したら楽しいかなと思ってスナックを始めたのよ」。昼の仕事も続けながら、夜の仕事もこなした。

 昼夜忙しい日々を過ごし始めて2年、花園でキャバレー「グランドハワイ」を経営していた父親が他界。「5年間だけ夜の世界で働こうと決めていたが、父親の店を継ごうと決意したの。店舗を移転してグランドハワイを新たにオープンしたの」

 カラオケ大会で優勝したのをきっかけに、審査員の一人からレッスンを受けることになった。そして“石北峠”の作曲で知られる桑山真弓氏から、デビュー曲「Fantasic小樽」をプレゼントされ、主婦の一記念としてレコーディングをした。そのテープを勤めていた保険会社の従業員に渡したところ、社員の弟が経営していたプロダクションに渡り、プロ歌手となった。

 店を休んで東北・北海道を回り、歌の楽しみ方も学んだ。それからも数曲を発表し、年内にも2作品をレコーディング予定。来年も頑張ろうという気持ちを込めたアップテンポの曲で、ひとつは「フラット小樽」と題し、小樽を宣伝する。

 歌手活動のほか、週4回の歌謡教室やショーの企画も行う。「店をやりながらだと大変だけれど、みんなの喜ぶ顔が見られるだけで嬉しいの」と優しい笑みを浮かべる。

 今流行の昼カラも十年前から続けており、「うちに来るお客さんは一人暮らしのお年寄りが多いから、家庭の味を楽しめるように工夫しているの」
と、最近は600円の手作り弁当も提供している。弁当箱いっぱいにおかずを入れる愛情たっぷりの昼ご飯が好評だ。

 「今は歌があるからお店をやっているのかなと思う。歌をうたい続ける限りは店も続けたい」と語る。

キャバレー グランドハワイ

小樽市花園1-11-24
0134-22-5507
営業時間:19:00~お客さんが帰るまで
昼カラオケ:13:00~16:00(土曜日12:00~)
定休日:水曜日

2010年9月のベストママ
秋ない春夏冬

小柳 聖子ママ

 「お店は屋台じゃなければやらなかった。人と人が触れ合える屋台が大好き」。

 サンモール一番街商店街にあるレンガ横丁で店を構える「秋ない春夏冬」のママ(60)。

 とにかく料理をすることが好き。高校生の時には、洋菓子店や寿司店、中華レストランなど様々な飲食店でアルバイト。学校帰りに、同級生を家に招き、スパゲティやカレーライスなどを作り、ご馳走していた。

 「お店で食べても、自分が美味しく感じるものがなかったので、自分で作ってみたの。ただ美味しいものが食べたかったの。作って食べてを繰り返していたら、人にも食べてもらいたくなったの」

 高卒後、昼は製菓会社の事務職として、夜はキャバレーの厨房で、昼夜働きづめの毎日を繰り返していた。市内のスナックで呑んでいたところ、若い3人組の男性と席が隣り合わせになった。食べ物の話で盛り上がり、今度家に食べに来なさいと誘った。「逆ナンしたの」

 そのうちの一人が現在のご主人で店のマスター・秀勝さん(44)だった。一度、家に招待してから交流を深め、「プータローだった僕の胃袋をつかまれた」(マスター)と同棲するようになった。一緒に住み始めてから、ママが体調を崩し入院。その看病にあたったマスターも、疲労で倒れ入院。同じ病院で共に入院生活を送り、退院後に“年の差婚”。「歩行器に乗ってパンを持ってきてくれる健気な姿にキュンとした。体が弱く、一人で生活していたから」(マスター)。

 友人からテナントスペースが空いているとの連絡があり、旭川で定食屋を経営することになった。学校や観光バスなどに弁当を販売し、忙しい毎日を過ごしていた。たまたま小樽に帰省していた時、ママが足を骨折。「小・中学校と短距離の選手だったから走りたくなったの…」。しばらく働けなくなったことから旭川の店をたたみ、小樽に戻ってきた。

 この後、二人で東京に出稼ぎに行ったり、帯広や福岡、函館、青森などの屋台回りも経験。「お客さんとの距離が近く、コミュニケーションが取れる屋台が大好き。2人とも小樽出身だから小樽で骨を埋めようと思っていた。ちょうどレンガ横丁の話があり、2007年から営業を始めた。お店は屋台じゃなければやらなかった。そのぐらい屋台が好き」

 店には、ママ自慢の手作りおばんざいやその日市場で仕入れた魚の料理を置く。全国の酒屋から直接仕入れる日本酒も自慢だ。毎日50種以上の酒類を揃える。ただ一番の人気メニューは「ママの酔っ払った顔」(マスター)。

 「波長が合わずケンカをするが、人には分からない仲があるの」とラブラブ。大好きなマスターと二人三脚で屋台を営業するチャーミングな人柄のママ。

秋ない春夏冬

小樽市稲穂1-4-15
090-2071-6611
営業時間:17:00~お客さんが帰るまで
定休日:火曜日

2010年8月のベストママ
本格手打ちそば いろは

萩原 絵理子ママ

 住吉町にある本格手打ちそば「いろは」で、ご主人・宏俊さん(37)を支える初々しい笑顔のママ(32)。

 天塩の出身。札幌の短大を卒業後、就職はしたものの職場環境に馴染めず、その時は深く考えもせずに退職し、知人の紹介でススキノの居酒屋や焼肉店を、店の事情などで転々としていた。時間が経つにつれ、「飲食業界を離れたい」と思うようになり、介護ヘルパー2級の資格を取り、看護助手に。

 調理師だったご主人が、姑・義姉が2005(平成17)年から始めた手打ち蕎麦屋を手伝うことになり、結婚後は、飲食店でア
ルバイトした経験のあるママも、店に出てサポートすることになった。

 店は、建築家の義父の協力で呉服問屋を改装し、広い空間を使ってゆったりと落ち着ける和風仕上げに。蕎麦は、ご主人が作る更科蕎麦と姑が作る田舎蕎麦の2種類から選ぶことが出来る。人気があるのは、上品な口当たりと爽やかな喉越しの更科蕎麦だが、歯ごたえのある太打ちの田舎蕎麦も絶品だ。

 「主人と付き合っている時、蕎麦屋をやるという話を聞いていたが、まさか、こんな風に店にどっぷり浸かって働くことになるとは思わなかった」

 ホールスタッフとして働くが、営業時間外は蕎麦打ちの手伝いも。粉に湯を入れてこねる最初の作業と、生地を長方形にのし広げる最後の作業をする。
「最初と最後の良いとこ取りなの。一番大変な作業は、主人がやってくれるの。優しい人」とご主人に視線を向ける。

 男の子2人の母親で、子育てのため毎日16:30までの勤務。「小樽に移ってきたが、住み難くはない。近所の人や従業員もみな人柄が良く、ストレスを感じない」とニッコリ。

 「せっかくヘルパーの資格を取ったので、その仕事も再開したいと思っているが、主人いわく『もう店からは抜けられないよ』って」とつぶやく。明るくサッパリとした性格で、はつらつとして清々しいママ。白い肌にバラ色の頬が魅力的だ。

本格手打ちそば いろは

小樽市住吉町6-16
0134-27-7168
営業時間:11:30~21:00
定休日:木曜日

2010年7月のベストママ
スナック杉

村上 佐伊子ママ

 嵐山通りの仲店小路にある“昼カラ”(昼のカラオケ)で人気のスナック杉のママ(68)。

 昼は、小樽の問屋で働き、夜はスナック経営と忙しい毎日を過ごしていた。「何がなんだか分からないうちに何年も過ぎたわ」

 1979(昭和54)年に会社が倒産してから夜のスナック一本で、昼はお客さんとの旅行を楽しんでいた。

 「昔は、『また来てね』と言わなくても、たくさんお客さんが来てくれたわ。でも今は『また来てね』と言っても来てくれないの。オホホホ」

 常連の女性客から「昼遊んでないで一緒に昼カラオケをやろう」と誘われ、11年前にカラオケマシーンを導入。当時は昼カラオケをするスナックが少なかった。

 今では、“昼カラ”で人気店となり、毎日満席状態。カラオケのほかに、700円で刺身やつまみなど4品ついた日替わり定食が好評。安くて美味しいものを出したいと、仕入れは小樽や札幌の市場を回る。刺身の仕入れは、絶対、小樽の知り合いのお店からとこだわる。

 旅行が趣味で、日本全国を回った。行き先が分からないミステリーツアーが特に好き。「飛行機に乗るまで分からないというところが面白いのよね」

 お客さんよりも変わったことがしたいと、髪の毛の一部をパッションピンクに染めるワンポイントがお気に入り。頬紅、唇もピンクで揃える。良心的な価格設定で、人情味溢れる粋なママ。愛らしい笑顔がチャーミングだ。「体力が続く限りはお店を続けたい」と語る。

スナック杉

小樽市花園1-6-4
0134-33-0661
営業時間:11:00~14:00、19:00~お客さんが帰るまで
定休日:土曜日(昼)・日曜日

2010年6月のベストママ
ソフトクリーム屋さん アンジーミルク

竹下 笑子ママ

 「国道沿いのシャッター街が寂しい。気軽に立ち寄れるお店を出せば、少しでも人通りを作れるかもしれない」

 今年4月、花園3の国道5号線沿いにある、ご主人・佳考さん(39)経営の不動産仲介業「株式会社アースライフY&T」の隣接店舗に、ソフトクリーム屋さん「アンジーミルク」をオープン。

 「私が学生の頃は、国道5号線沿いに洋服屋さんが結構あって、賑わいがあった」

 小樽出身の35歳。潮陵高の定時に通いながら、株式会社竹下建材店の事務職員として働き、ご主人と出会った。「職場恋愛だったので、別れたら気まずくなってしまうかもと、ある意味冒険だった」

 交際は順調に進み、13年前に結婚。しばらくは専業主婦だったが、「株式会社アースライフ」設立のため、生まれたばかりの長女を育てながら、不動産業に必要な宅建資格取得に猛勉強すること1年。

 2008(平成20)年に同社を設立し、取引主任者として店舗に立つと、改めて国道沿いのシャッター街が目に付くようになった。近隣の人や不動産関係者と交流する中で、街の活性化について考え始めた。「シャッター街は寂しい。何か出来ないか」

 「不動産屋には物件を探している人しか入らないが、昔、家の近くにあったソフトクリーム屋さんのような店なら、子供でも100円玉を握り締めて気軽に入れるのでは」と思い、知人の助けで、機材などを安く譲り受け、48平米の小さな店舗でソフトクリーム屋さんをオープンした。

 「子供が多いと、家族の人数分のソフトクリームを買うのに1,000円を超えてしまう。ミニサイズのソフトクリームを販売すれば、経済的だし小さい子でも持ち歩いて食べやすいと思った。子供を育てていると色々な面で工夫出来る」と、1個150円のミニソフトを販売している。

 現在は、3人の子供のママ。宅地建物取引主任。そして、ソフトクリーム屋さん「アンジーミルク」のオーナーと一人三役を兼ねる。小樽の活性化を願い、妹の加奈さん(29)と店を切り盛りする。

ソフトクリーム屋さん アンジーミルク

小樽市花園3-25-16
0134-61-7590
営業時間:11:00~18:00
定休日:火曜日

2010年5月のベストママ
Diva

北嶋 美穂ママ

 花園繁華街にあるオレンジ色のG4ビル1階にある「Diva(ディーバ)」のママ(34)。ママ歴はまだ4年と短いが、”小樽で5本の指に入る癒し系”と評判だ。

 小樽で生まれ育ち、短大卒業後は、札幌市内の病院で、病棟クラークとして患者の応対や介助、医師・看
護師をサポート。「たくさんの人たちと話すことが好きだった。事務の仕事をするよりも、時間が早く進んで楽しかった」とニッコリ。

 お小遣い稼ぎにと夜のアルバイトを始めた。最初はコンパニオンだったが、花園のスナックで働き、昼も夜も接客の仕事に大忙しだった。

 病棟クラークを辞めて新しい仕事を探していたところ、ひょんなことから、自分の店を営業することになった。「30歳になると、中々仕事がなくて悩んでいたの」

 2006年9月から、花園繁華街にあるカウンターだけの小さな店で営業を始めた。同業のママたちからの紹介で、徐々に常連客が増え、繁盛店になった。「小樽のママさんたちには本当に良くしてもらったの」

 一昨年、「一人で来てくれるお客さんが多いけれど、会社でも使いたいという要望を多く頂いたので」と、ボックス席のある現店舗に移転。平日は一人客が多いが、金土の週末は団体客の利用も増えた。「おかげさまで、毎日お客さんが来てくれる」

 趣味は、昨年始めたゴルフ。同業者や客から誘われても断っていたが、運動不足解消のためにと打ちっぱなしに通い始め、2ヵ月後にコースデビューすると、「スイングが良いね」とプレー仲間から褒められたことですっかり嵌った。「学生の頃にしていたテニスが良いのかしら?」と笑みを浮かべる。ゴルフ仲間が来店すると、「今日もナイスショットか」とからかわれることも。

Diva

小樽市花園1-11-21 G4ビル1F
0134-32-3901
営業時間:19:00~25:00
定休日:日曜日・祝日