浅田 百枝ママ
ログハウス建築株式会社トベックス銭函本社の自遊林内沼地の遊歩道の先にある、隠れ家的な古民家カフェ昭和の茶処「葦笛洞(いてきどう)」店主・浅田百枝さん(66)は、カフェの窓から見える四季折々の光景に日々感動し、沼地に住み着いた13羽のカモ達にも慕われる優しい女性。
この建物は、1951(昭和26)年に医師宅として建造され、窓の桟や欄間、床の間、廊下の床板などがそのまま残され、アンティークな家具やシャンデリアを揃え、昭和の雰囲気を大切に残している。これをトベックスが改装。
同敷地内にある夫が営む「樹の部屋」を手伝っていた百枝さんに声がかかり、古民家の再利用で、2008(平成20)年6月にカフェを開店し、今年9年目となった。コーヒーインストラクターの資格を持つ息子の将宏さんが店長を務めている。
お客さんに、「おばあちゃんの家に来たみたいで懐かしい」と喜ばれることもしばしば。薪ストーブからは、薪のパチパチと燃える音が店内のBGMと重なり、静かな時間が流れる。
店名の「葦笛洞(いてきどう)」は、葦が茂り、近くを走る蒸気機関車の汽笛が聞こえる場所という意味から付けられたものだという。
百枝さんは、「雪が解ける4月になると、店内の窓から水芭蕉とエゾノリュウキンカ(ヤチブキ)が見え、同時に咲く光景は圧巻。その後、庭には山野草や藤のツルが自然に伸び、力強さを感じる。四季折々の風景が楽しめる」と話す。
お客さんからは、「コーヒーを飲みながら、窓から水芭蕉が見えるなんて」と喜ばれているそうだ。
お勧めメニューは、小豆を炊くところからあんこを作ったぜんざいや、餅を専用のワッフルメーカーで焼いた「モッフル」。チーズとハンバーグやオニオンとベーコン、エビとコーン、栗と自家製あずきをサンドしたワッフル形の新感覚スナック。スコーンやクレープ、カスタードクリームなども手作り。
コーヒーは、自家焙煎し豆の小売もしている。樹の部屋からパスタやカレーなどを取り寄せることも可能。
沼に住み着いたカモメの子育てを見守ることが、百枝さんの楽しみのひとつで、毎年6月~7月頃、雛が孵るそうだ。
デザートメニューを増やして充実させ、ゆっくりくつろげるよう展開したいと話し、「日常の喧騒を忘れて、ゆったりしてもらいたい。春は芽吹き、力強さを感じ、山草が咲き始め、自然の営みを感じる」とPRした。