田村 智ママ
小樽堺町通りから小路に入ったかま栄の駐車場向いに、自宅を改装して開店した「直産cafe’ななかまど」がある。
代表の田村智さんは、小樽生まれの小樽育ち。堺町通りの歴史を知る66歳。61歳まで事務員として勤め、退職。田村さんの息子や娘が赤井川で農場を営み、そこで収穫したオーガニック(有機栽培)野菜を自宅前のテントで販売していた。
“70歳くらいまでは、何かできそう!”と、同じ職場だった友人の原田千恵子さん(66)を誘い、今年の4月27日ゴールデンウイークに、産直cafeを開店し、ふたりで協力して店を切り盛りしている。(写真左:田村さん・右:原田さん)
店名の“ななかまど”は、店舗横にななかまどの木があり、ずっと見て過ごしてきたため、その名前を付けた。店内は、どこか温かな雰囲気で、2人の会話も穏やか、ゆっくりとくつろげる。
産地直送の赤井川のカボチャや赤唐辛子、放し飼いの鶏の玉子や、ドライフラワー、知人の紹介で余市教育福祉村の手作りヤーコン茶、ハーブソルト、ブルーベリーやハスカップジャムなどが並ぶ。
また、原田さんや手作り好きの作家の作品、小物入れや、クリスマスのオーナメントなども販売している。12月6日から2週間に渡り、手作り品の展示即売会「三人展」」を開く予定で、原田さんは、小物やクリスマスリースを出展する予定。
体に優しい食材を使ったcafeは、開店10:00から11:30までモーニングセット、昼のランチセットも好評で、ミニセイロやキーマカレー、ベーコンとキャベツのハーブソルトソテー、豚肉と季節の野菜の黒酢風味のななかまど丼と、たっぷりの野菜を中心とした家庭の味を提供している。
コーヒーは、ドミニカ共和国のコーヒー農園の豆を販売する「カフェ・ミ・カーサ」(天神)から仕入れ、素材にもこだわっている。手作りのケーキも味わえる。それぞれに長年の経験を活かした得意な料理やデザート、手芸を担当し、お互いの知恵を出し合い、2人の力は大きい。
そんな2人のエピソードは、事務の仕事で「ご苦労様」や「お疲れ様」と言うことが多かったため、帰るお客さんに「ありがとうございます」がなかなか出てこなかった。笑顔で接するように心掛けているが、接客経験がなく、声掛けは難しいと痛感したという。
訪れたお客さんがほっとするような店を心掛け、営業するからには、もっとお客さんに来てもらい、地域の方々にもどんどん利用してもらいたいと願っている。
開店して、料理を食べて喜んでもらい、「美味しい!」と笑顔で言ってもらえた時が一番嬉しいという。ここの野菜と食べ比べてみると美味しさの違いが分るという。休日には、赤井川へ野菜の収穫に行ったり、他店へ行き勉強も怠らない。
「気軽に休んでいただきたい。体に良い野菜を見に来てもらい、時間があれば、美味しいコーヒーでも飲んでいただければと思う」と笑顔でPRした。