2011年2月のベストママ
焼魚おでん ふるさと小樽 さかな旨い処 きらく
荒町 不二子ママ
稲穂第一大通りより一本港側の旧日蓄小路に、さかな旨い処「きらく」を構える荒町不二子ママ(74)。
忍路の漁師の娘。「家が貧乏だったので、早く勤めて一人前になりたかった」と、中学卒業後、歯科医院に住み込みで働き、一生懸命貯金をした。「いつか自分で店を持ちたいという夢があった。お金をまったく使わない時は、給料を丸々貯めることが出来た」
市内のウナギ屋やスナックで働き、客商売のイロハを学び、46年前に花園で店を開いた。「自分で開いた小さい店。花園の店舗を変え、今の場所が5軒目。自宅なので家賃がかからないの。最初は景気が良かったけれど、ここ10年ぐらいは全然だめ。それでも、昔からのお客さんが来てくれるか続けている」
今は、娘と妹と、妹の娘の4人で切り盛りしている。漁師の娘だけあって魚にはこだわる。「足腰が痛いけれど、やっぱり自分で作った料理が美味しいと言ってくれるから頑張る」。中でもしめ鯖は自慢だ。
映画監督の山田洋次や俳優の蟹江敬三、安達祐実などなど、有名人も新鮮な魚を求めて店に来る。「その時期のものを食べられるようにしているし、魚の種類は豊富だよ」とニッコリ。
「小樽は景気が悪くて本当に何とかしてもらいたいよ。ま、ここまで店を続けたらもう少し頑張るさ。アハハ」
明るい笑い声を店に響かせる。