近藤 順子ママ
榎本武揚没後100年祭や潮まつりの地域のイベントで、着付けやメイクに大忙しだった美容室ヴィーナスの三代目ママ。「イベントをすれば、市民は外に出てくる。小樽を活気づけるには、何かイベントをしないといけないと感じた」と振りかえ
る。
ヴィーナスは創業100年を超える小樽の老舗。美容専門学校時のインターシップ先がここだった。卒業後、同店で働きながら修業を始めたが、見て覚えるという古典的な教えに反抗して上京。ネイル・メイクの専門的な資格を取るため、昼も夜も勉強漬けに。
1年後、東京で就職が決まったものの、両親から「北海道に戻らなければ仕送りを止める」と脅されて、泣く泣く帰樽。「もう一度学校に行く」
と嘘をついて、仕
送り付きで数ヶ月東京で遊んだ。「親のお金だから遊ぶことが出来たが、自分でやりくりしていたら絶対出来なかった。でも楽しかったわ」と当時を懐かしむ。
小樽に戻り、またヴィーナスで働き始め、二代目の長男と結婚。その後、三代目として大活躍。地域の美容室として、潮まつりでは、ミス潮の着付けやメイクに協力。旅行好きのママは、オランダ・ベルギー・スペイン・フランスなど様々な国を訪れ、ショーを見ては潮まつりの参考にしている。
「第1回の潮まつりから、ミス潮のメイクや着付けを担当した。40年の間、他の店も回ったが、最近はまたうちでしている。商大に応援団があった頃は、商大・北大の対面式で、メイクや着付けも手伝ったりした。地域に密着した美容室だと思う」
美容専門学校の教師としても活躍。働きながら資格を取るとはどんなものかと、55歳でエステの勉強もした。学校の卒業生たちは、“ママ元気!”と頻繁に店を訪れる。
おっとりとした口調で優しさがにじみ出る小樽の美容師のタマゴたちのお母さん。