小谷 弘子ママ
生きるのは100歳まで、仕事は90歳まで。「死にたくないし、出来れば動ける間は現役でいたい」と、元気いっぱい69歳の現役美容師。
母親の“身に付いたものは、はらっても落ちない。腕に職をつけよ”との一言から現在に至っている。手宮地区で生まれ育ち、“手宮のひろさん”と長年親しまれている。
石山中学校を卒業し、美容専門学校に1年通った。市内の美容室で8年間修行し、24歳で自分の店「ひろ美容室」を開業。結婚への願望も憧れもなく、仕事に生きがいを感じ、突っ走ってきたが、27歳でお見合いをして思いもよらず結婚。2女の母に。現在は長女が、「お母さんの代で、今のお客さんをなくしたくない」と、開業45年となる店を手伝ってくれている。
母親の一言から歩み始めた美容師の道だが、高校に進学したかったという“ひろさん”は涙したこともあった。しかし、今は「女は家で仕事すべきね。子供たちが家に帰ってきた時に“おかえりなさい”と言ってあげられるもの。幸せです。最高の仕事についた」と母親への感謝を忘れない。
今年で4期(8年)目の小樽美容協会会長を務め、市内120ほどの美容室をまとめる。小樽市内で若い美容師たちが次々に開業しており、「意欲ある若者が自分の店を小樽で開き、小樽と美容室の活性化のために大変良いことだと思う」とニッコリ。
今年7月の「第40回潮まつり」の潮ねりこみコンテストでは、小樽美容協会を率いて参加した。美容協会の若者たちと一緒になって、ユニークなネコメークの衣装による踊りで市民を驚かせ、見事2度目の優勝を果たしている。
いつでも元気な“手宮のひろさん”は、地区の女性ファンからの信望が厚い。生涯現役をモットーに、ひろさんの美容ハサミの音が今日も響いている。