若松 睦美ママ
小樽花園のビルの2階のカウンター10席に、常連が集うスナック「カンパニー」のママ。手宮西小、石山中、昭和高校に。高校の時から付き合っていた人と20歳で結婚。25歳でバツイチに。「それからが青春だったね。」
洋服店に勤めていると、店に来るスナックのママに、ウチに来ないかい。1日でも2日でも良いからと言われた。酒が飲めなかったので、夜の仕事は嫌で、死んでもやりたくないと思っていた。
しかし、次々と店から声がかかり、スナック店で6年間の修業。そのうち、お客さんたちが応援してやるから自分でやってみたらと言われ、現在の店を平成6年3月にオープン。お金も預金もなかったのに、まだきれいだったからかなと笑う。それから10年が経った。
「最初の店から知っている常連さんは、ママの体型は変わるな!お前はそのままで良い。絶対に痩せるなと言われる」と、太めの体型をゆすって笑う。
「上品にオホホッなんて笑うとか、敬語でいらっしゃいませなんて言えないの。あら!いらっしゃい!くらいしか言わないの」と言うカウンターに常連が並ぶ。カラオケの歌合戦が始まる。ママの飾り気のない性格にアットホームな雰囲気が広がる。
「小樽は離れられない。旅行をしてどんな楽しいことがあっても、やっぱり小樽が良い。明日雨降りだという時は、運河の匂いが上がってくると雨になる。駅の向こう側の食品工場の匂いもなつかしい」と、小樽の匂いが染みついている樽っ子だ。
「店をやってこれたのは常連さんのおかげ」「ちょっと新しいスーツを着てくると、何かあったのかと聞かれる。私だって新しい服着たいでしょ!」「ちょっと変わっていると言えば変わっている店ですよ」と、ワハハと笑い飛ばす。昭和38年生れ。花園暮らし通算16年になる。