小樽市消防本部は、1月26日の文化財を火災から守る意識を高める「文化財防火デー」の啓発行事の一環として、10:30から、ニトリ小樽芸術村の国指定重要文化財の旧三井銀行小樽支店(色内1)で消防訓練及び立入検査を実施した。
消防職員6名とニトリ芸術村支配人で杉本扶美枝自衛消防隊長ら隊員6名が参加し、地下のボイラー室から出火した想定で訓練が開始された。
館内には、火災を知らせる警報器のベルが鳴り響き、地下ボイラー室から発報。自衛消防隊員1名が消火器で初期消火を実施。ほかの隊員は、拡声器で入館者へ火災の周知と避難誘導を行った。
隊員は、それぞれに日本語・英語・韓国語・中国語で表記され、これまでの火災に加え、絵で地震と津波が描かれた避難を伝えるフリップボードを持って誘導。
逃げ遅れはいないかを確認し、段ボール箱に入った文化財の搬出も行い、建物の外へ無事に避難。各班から杉本自衛消防隊長に全員避難した旨を報告した。消防隊到着後は、出火場所や逃げ遅れ等の情報を提供した。
同署消防課・小池範轄予消防係長は、「走りながら拡声器で話していると、聞きづらいことが多いので、立ち止まって拡声器を使うように。自衛消防隊長は的確な指示で良かった。誘導の際、お客さんがいる場合は、もっとオーバーリアクションで避難誘導する方が良い。
初期消火の際、出火場所のボイラー室を開ける時は、ドアを少し開けて中を確認してから中に入るよう心がけてもらいたい。全般について概ね良好だった」と講評した。
その後、立入検査を実施し、消防設備と雪などで避難口を塞ぐことのないよう確認した。
文化財防火デーは、毎年1月26日を中心に、地域住民等が連携協力して、全国で文化財防火運動を展開。市民及び所有者等に対し、防火意識の高揚と文化財保護に対する普及啓発を図っている。
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