後志管内消防指令業務共同化 2026年4月運用開始

 迫俊哉小樽市長、岩内・寿都地方消防組合管理者の木村清彦岩内町長、北後志消防組合管理者の齊藤啓輔余市町長、小樽市消防本部・見山義秋消防長らが出席し、後志管内消防本部から協議を進めてきた後志管内消防指令業務の共同化について、11月28日(火)15:00から小樽市役所(花園2)2階市長応接室で記者会見を開いた。

 

 国は、人口減少が現実のものとなる中、市町村が災害の多様化、大規模化に対応し、その消防責任を十分に果たしていくため、消防体制の整備及び充実強化を推進している。

 

 そこで、特に複数の市町村からの119番通報の受付、災害現場の特定及び消防車や救急車への出動指令などを共同で設置した消防指令センターが行う、消防指令業務共同化の実施を行うこととした。

 

 これにより、地震や台風などの大規模化・複雑化する災害発生時に広範囲で正確な情報収集や分析を行い、複数の地域での災害発生時においても効果的な災害対応が行え、人員や物資の調整により災害の拡大を防ぐことができる。

 

 動画などの映像やテキストでの通報など、高度化する119番通報に対応した最新の機能を備えた消防指令センターにより、市町村及び消防本部の規模に関わらず、同一の住民サービスを提供することが可能となり、消防指令センターを共同で整備し費用の軽減を図る。

 

 構成は、小樽市・岩内町・寿都町・島牧村・黒松内町・共和町・泊村・神恵内村・余市町・古平町・積丹町・仁木町・赤井川村の計13市町村(管轄面積合計2742.62㎢)。

 

 名称は後志共同消防指令センターとし、小樽市消防庁舎3階(花園2)に人員20名(総括責任者1名及び運営員1名、通信員18名)を6名・3交代で配置。2025(令和7)年3月完工及び試験運用開始、2026(令和8)年4月上旬の本運用開始を予定している。

 

 迫市長は、「小樽市、岩内・寿都地方消防組合、北後志消防組合の3消防本部13市町村において、同一のサービスを提供することが可能となり、消防防災体制の強化が図られる。

 

 共同化の実施に関わる覚え書きの締結を機に、今後も住民生活の安全安心のため、各消防本部と町村との間で必要な取り組みについて協議を進めてまいりたい」と述べた。

 

 木村町長は、「急速に進むIT化の中、ハードルの高い課題と認識。小樽市から声をかけてもらい、隣接する北後志消防組合と3者で共同でシステム構築できることとなり、心強く感じている。

 

 目的は、年々増える救急要請や地域で進む高齢化の対応、3者で取り組むスケールメリットを生かして、設備や管理運営に対して効果的な整備ができる。住民ニーズに的確に答える消防組織体制の構築できること。

 

 最新技術の導入により119番通報された方への的確な位置情報が素早く把握でき、災害や現場に緊急車両が急行でき救命率の向上などが図られる。連携を深め消防力の向上に努めたい」と、述べた。

 

 齋藤町長は、「議論されていたところ、小樽市からの声かけで、共同で指令システムを利用できることとなり、様々な災害対応に迅速かつ効率的な対応により、住民の安心安全を守ることができると実感している。

 

 少子高齢化が顕著にみられ、救急要請も年々増加している。後志自動車道の開通により様々な事案が発生している。このような事例に対応すべく共同化によって119番が集中管理され、被害の軽減や救命利率の向上に繋がると考える」と述べた。

 

 今後のスケジュールは、2023(令和5)年12月の第4回定例会補正予算で、実施設計予算要求し、2024(令和6)年12月の第4回定例会に、機器費・庁舎改修費及び施工管理費予算要求し、2025(令和7)年度4月上旬には、必要となる小樽市消防庁舎の改修工事や機器整備を行う。

 

 地方自治法に規定される消防指令業務委託に関する規約の策定を行い、2026(令和8)年4月の運用開始を目指す。