蕎麦屋で一杯やりながら、“今様滑稽はなし”に耳を傾ける。こんな粋な会が、静屋通りにある日本蕎麦店「籔半」で、17日18:30から開かれた。
「明朝そばと落語の会」の17年ぶりの復活で、満員となった店内での通算21回目の“そば落”に、大きな拍手と笑い声が沸き起こっていた。
蕎麦屋「籔半」(稲穂2-19)は、小樽のニシン漁三大網元の1つ、白鳥別邸があったところで、石蔵が残り、内装はかつての豪邸旧金澤邸を移築した、趣のある日本蕎麦店。
同店の開業50周年、観光カリスマとなった現店主の小川原格さんが、店を継いで30周年ということもあって、今回の“そば落”の17年ぶりの復活となった。
石蔵の堂々とした厚い扉を背景にした舞台は、落語には格好の雰囲気を漂わす。演じるのは、市内の人形店主人「竜之家明朝」で、これまで同店の休日を利用して、20回も演じてきて好評だった。
今回の演目は、「天災」と「柳田格之進」の二席。17年ぶりの登場とあり、明朝(めいちょう)氏も最初は戸惑い気味も、二席目の人情噺となると、玄人はだしの話芸を披露し、店内を埋めた観客から、大きな拍手が送られた。
話の中休みには、同店の樋口板長が打った新そばと柚子切りそばが供され、参加者は舌鼓を打って、そばを楽しんでいた。
「明朝そばと落語の会」は、小樽運河保存運動で大きな役割を果たした、ポートフェスティバルの若者グループと籔半とのジョイントで、定休日を利用して始まったもので、これまで昭和59年5月から昭和62年11月まで、通算20回にも及んでいた。
今回は17年ぶりの復活で、21回目の記念すべき会となった。