9月15日(金)・16日(土)、小樽市指定の歴史的建造物・小樽市能楽堂(旧岡崎家能舞台)を会場に、吉松派若柳流旭甫会主催・2022小樽市制100周年記念協賛事業「和の幻想と現代を 万代(よろづよ)に語りつがへと」を開催する。
吉松派若柳流は、1962(昭和37)年若柳吉章郎が初代旭甫となり設立。1997(平成9)年に初代愛弟子の宗家光玉が三代目旭甫を襲名。2005(平成17)年、宗家福凰氏が4代目旭甫となり、2022(令和4)年に若柳弌與氏が5代目若柳旭甫を継承している。
今回の公演では、小樽・札幌・苫小牧の3歳~80歳代の約30名が出演。年明けから練習を重ねてきた。8月30日(水)能楽堂で熱心な稽古が行われる中、5代目若柳旭甫氏に公演会について話を聞いた。
「小樽市制100年のサインを見て、記念に小樽で何かできかいかと思ったのがきっかけ。能楽堂の存在を知ってはいたが、公演は初めてで、100周年を記念できるよう盛り上げ、地域を元気にするためにも、日本の文化を根づかせ、文化を継承していきたい」と開催の経緯について語った。
「能の影響を沢山受け、能から出てきた踊りを原形にし、能を分かりやすく表現したのが日本舞踊。能に因んだ曲を選曲し、文化の繋がりを体感する。
能舞台の重々しさや人が色を添え、会場は屋外が自然に囲まれ、非日常的瞬間を楽しんでもらえる。自然のロケーションがマッチしていて、場所も見どころのひとつとなる」と説明。
デジタルアートの最先端文化も取り入れ、これからの文化の旗揚げ公演でもあり、小樽で初出演の方々による三味線と鼓の生演奏に、小樽の人が本物に触れる機会となっている。
「能舞台は能以外では使用が許されない時代もあったと思うが、現代は使うことで価値が生まれる。
子どもたちが能楽堂の舞台に立つことは、年を重ねた時に、小樽のここで踊ったことをひとつのストーリーに入れてもらいたい。子どもが出演することで、大人や友だちにも伝えることができる」と、文化の継承に期待を寄せている。
また、9月9日の重陽の節句の別名・菊の節句にちなみ、菊酒や甘酒を振舞う。
9月15日(金)17:30 デジタルリアルタイム映像×日本舞踊 長唄囃子連中
長唄 五條橋 若柳旭輝師範と愛娘による共演
長唄 静と知盛
長唄 乱菊沈滋童 5代目若柳若柳旭甫出演
明治大学総合数理学部・福地健太郎教授による光や映像の演出の中で、日本舞踊を展開する初の試み。全国の日本舞踊や歌舞伎公演・長唄演奏会などで多忙を極める三味線演奏家・杵屋五吉郎氏を招き、生演奏を披露する。
9月16日(土)11:30 茶道裏千家淡交会呈茶席小樽支部×日本舞踊
和室で茶道の人と人との関わりを大切にするおもてなしの文化を嗜み、小樽支部保存会(小樽潮見ヶ岡神社)による国指定重要無形民俗文化財・松前神楽に始まり、小樽の子どもたちが出演する花かげ・月のお姫様と和洋合奏波などの19の演目で行う。箏曲藤の会による演奏と尺八の増井黎山(札幌市)・大佐賀博童(小樽市)の共演。
チケットは、ローソンチケット・道新プレイガイド・小樽市民会館(0134-25-8800)で販売。
前売券(1日券)3,500円・(2日券)6,000円・当日券(1日券)4,000円
特別券(小樽市在住18歳以下無料、事前申込必要)