高島おばけ(=上位蜃気楼)発生状況について
日時:2023年7月9日(日)14:00過ぎ~16:30頃
撮影場所:小樽・朝里海岸
撮影者:柴田進(札幌市在住)
この日の石狩湾の海水温は約20.5℃。小樽の最高気温が30.1℃と手稲山口では31.7℃までに達した。
14時過ぎに小樽・朝里海岸に到着。周りの地形や風景を目視及び双眼鏡で確認すると、特に変化は
なかったが、高島おばけが発生しそうな独特の雰囲気があった。(あくまで個人的な感覚だが…)
しばらくすると、石狩湾新港に停泊中の船舶操舵室が伸びたり、元に戻ったりを繰り返し始めた。およそ1時間後、隠れていた甲板の反転像が短い時間であったが出現した。(停泊中の貨物船蜃気楼A)
さらに比較的近い距離(10Km弱)の銭函海岸の砂浜が伸び上がり、車やテント等も伸び上がる姿はとてもユニークでおもしろい。(銭函海岸[ドリームビーチ西端]砂浜蜃気楼/銭函海岸[ホリエビーチ]テントの蜃気楼)
続いて、石狩湾新港の防波堤や消波提が伸び上がり、タンク群・火力発電所等の足元も伸び上がってきた。(石狩湾新港防波堤蜃気楼/タンク群の蜃気楼)
今回、特に注目するのは15時35分過ぎから北石狩衛生センター手前に見える停泊中貨物船2隻が反転像を伴った変化かもしれない。操舵室や船舶側面が伸び上がるのはよく見かけるが、反転像を伴う瞬間をとらえたのは珍しいでしょう。( 北石狩衛生センターと船舶蜃気楼)
さて、全般的に各画像には黄~オレンジ色の洋上風力発電用の基礎構造(ジャケット)が映り込んでいる。この形状に注目するのも楽しいかもしれない。X印のような直線状の筋交いが蜃気楼現象で歪んだり、丸くなったり、伸びているのがわかる。光の屈折現象は実におもしろい姿を見せる。ぜひ自分の目で見てみよう。
一方、小樽側は高島おばけの発生はなく、高島岬下に見える岩礁がしばらく下位蜃気楼のような状態だった。しばらくして通常状態に戻った。(写真提供:柴田進氏)
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