市立小樽美術館(色内1・苫名真館長)では、小樽運河100年を記念して、6月21日(水)~7月2日(日)、小樽在住の写真家・眞柄利香氏による個展「#小樽暮らしの中の運河」を多目的ギャラリーで開催している。
同氏は大阪生まれの東京育ちで、1996(平成8)年から小樽に移住。2006(平成18)年から小樽市総務部広報広聴課に勤務し現在に至る。
2012(平成24)年から写真を撮り始め、2019(平成31)年3月に小樽市公式インスタグラム「#小樽暮らし」をスタート。市民として感じる小樽の魅力を多くの人と共有するため、日々まちを歩き、小樽の魅力を発信している。
今回は、小樽運河に足蹴く通い、様々な表情と出会い感動した作品を発表。四季折々の小樽運河を捉えていて、小樽市民であっても見たことのない新しい表情に出会うことができ、改めて小樽運河の魅力を知る機会となっている。
会場には、同氏選りすぐりの2014年~2023年の19作品が、年代を追うように展示されている。旧手宮線が見える会場の窓を額に見立てたコラージュ作品は「時」と題し、緊急事態宣言下の静まりかえった運河と人が戻った今の運河を1つに、倉庫のある風景と無くなった風景写真を交互に組み合わせ、表情の違いから時間の経過を感じさせる工夫が施されている。
作品はすべてインクジェット用の和紙を使用し、マットな質感に仕上げている。会場正面には、無くなったものと残ったものに注目し、北運河の最後の艀の解体寸前の朝に撮影した「最後の朝」と、ライトアップを始めた頃の北海製罐第3倉庫「息を吹き返す」の2点を展示している。
写真と合わせて、小樽運河と書かれたはしけの柱と第3倉庫で見つけたコンクリート破片と錆びた部品、倉庫に生えていた食物も展示。
他にも、中央橋から運河上空に見える月と火星・皆既月食と運河・氷紋・大雪の日の運河、青の運河のライトアップ時に花火の煙が幻想的な光景を醸し出し、これも小樽運河かと見たことのない表情に見入ってしまう作品など。
同氏は、「運河は観光客だけのものじゃなくて、暮らしに密着しているもの。いろいろな運河の表情を見て、歴史ある街並みに想いを馳せていただきたい」と来場を呼びかけた。
会期中、タイミングが良ければ同氏が在廊していることもあるが、掲載の写真については、QRコードで詳しい説明を見ることができ、芳名帳もQRコードからとペーパーレスにも繋がる取り組みも。
また、ミュージアムショップには、美術館の活動資金にもなるポストカード5枚セットの販売もある。
眞柄利香写真展“#小樽暮らし”の中の運河
6月21日(水)~7月2日(日)10:00~17:00 月曜日休館
市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリー 入場無料