文化の日で入場無料となった小樽市文学館(色内1)で、11月3日大古本市が開かれ、約2,500冊の古本に、本好きの人が訪れ賑わいをみせた。
文学誌の展示室に、所狭しと並べられた古本は、約2,500冊。文庫・新書は全て20円、全集のバラ売り1冊200円、諸々の雑誌100円、きれいな芸術本300円と、どれも格安での提供。中には、学校図書館の廃棄本もあり、無料での提供とあり、本好きの来場者は1人で手に何冊も抱えて、自分の好きな古本を購入していた。
コーナーの角には、市内で古書店を営む「本物の古本屋さん」(岩田書店・花園2-4-6)も出店。JJ’a Cafeでコーヒーを飲みながら、本を物色する人も多かった。
「本物の古本屋さん」の岩田書店の岩田泰さん(54)は、「古本屋の世界は、ネットや携帯の普及や新古書店の出現で、厳しい状況になっている。20年間古本屋をやってきたが、新刊と古本との区別が定かでないほど流行が速く、古書はデフレ状況で価格も下落の一方で、経営的にも苦しい。想像力を鍛えるのには、活字を追わないといけないのだが・・・」と、現今の活字離れと古書状況の厳しさを嘆く。
この大古本市と併せ、同館の亀井秀雄館長による文学講座「貸本屋さんと古本屋さん」が、14:30より1階の研修室で開かれ、ここにも本好きの来場者が集まり、熱心に耳を傾けていた。