自然生態観察公園である小樽市の長橋なえぼ公園(幸1)では、園内情報センター”森の自然館“オープンが5ヶ月間の冬期休館が終わり、4月11日(火)に2023(令和5)年度の開館期間を開始し、待ちわびた市民らが早速訪れ、山本謙也同館指導員やスタッフと挨拶を交わし、長かった冬が過ぎて春の訪れを実感していた。
同公園は、旧営林署苗圃跡地(31.1ha)を活用し、野鳥やリスなどの小動物・珍しい植物などが観察でき、1年を通じて、市内外から多くの人々が散策に訪れている。
雪融けと共に座禅草や水芭蕉が咲き始め、春の到来を告げ、その後も四季折々の植物が咲き、どの季節も楽しめる場所となっている。
同館は、月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)の休館日以外の11月10日(金)まで、9:00〜17:00(10月〜16:00)に開館し、身障者用トイレも設置され、休憩所としても利用されている。
館内は、学習室や長橋二三会寄贈の図書コーナー・なえぼの鳥紹介コーナー・小樽キノコの会によるキノコ写真展・みんなのギャラリーで、植物の絵画や写真の展示など、なえぼ公園の情報センターの役目を果たしている。
4月9日(日)には、散策路脇の水芭蕉の池にエゾサンショウウオの卵が産み付けられているが確認された。
同公園にオールシーズン通っている和田さんは、エゾサンショウウオの卵を守ろうと、昨年2度にわたり卵を自宅に避難させた。カルキ抜きした水道水を使い、乾燥したイトミミズを与えて成長させ100匹ほどを池に還したという。
キクザキイチゲ | エゾサンショウウオの卵 | ベニバナイチヤクソウ | サイハイラン |
今年も産卵の季節が到来し、持ち帰らないようにと願っている。また、散策路を歩きやすく整備するなど、公園環境に貢献している人の1人で植物にも詳しい。
水芭蕉の池の横の散策路をさらに進むと、早春に黄色い花をつける落葉低木「ナニワズ」の小径が、今年から新たに登場した。本日、和田さんと山本指導員が立て看板を設置。
早速、ナニワズの小径へ行くと、左右の木には沢山の黄色い小さな花を付け一生懸命に咲いている。今後1週間ほどは楽しめるという。ナニワズは雄株と雌株の別株で、雌株は秋口に赤い実をつける。
ナニワズの小径の奥にはカタクリの群生地がある。カタクリも3〜4日前から日当たりの良い場所から咲き始め、今後1週間〜10日後には見頃になるという。
エンレイソウ | カタクリ | カエルの卵 | ナニワズ |
園内には、エゾエンゴサクやキクザキイチゲが咲き始め、サイハイラン・エンレイソウ・ユキザサ・ベニバナイチヤクソウなど、地面に葉が顔を出していた。これから続々と野花の芽生えが楽しめる。
山本指導員は、「今年は雪融けが早く、桜の開花までいろいろな花がどんどん咲きそうだ。例年通りと思って来てみると、花が終わっていることもあり得るので、早めに来てほしい。1週間早く進んでいる」と話していた。
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