国際緊急援助隊・塩見猛氏 トルコで支援活動

 2月6日(月)トルコ共和国南東部カフラマンマラシュで発生した大規模な地震に対し、トルコ共和国政府から要請があり、日本政府が派遣したJICA国際緊急援助対・医療チーム第1次隊メンバーとして、2月12日(日)~3月2日(木)の3週間、現地で支援活動を実施していた小樽市花園にあるしおみ接骨院の塩見猛院長(49)が、無事帰国し、3月13日(月)11:30から市役所(花園2)2階市長応接室で報告会を行った。

 

 北海道地域防災マスターで北海道柔道整復師小樽ブロック副会長の塩見氏は、2004(平成16)年から国際緊急援助隊医療チームの隊員に登録されている。

 

 派遣要請メールから2時間以内に決断し48時間以内に出国できることを条件として、派遣要請メールから2時間以内に決断し48時間以内に出国できることを条件として、パスポートはもちろん、指定の予防接種を済ませ、約2,000人のうち、医師・看護師・薬剤師・医療調整員など75名が第1次隊として参加。

 

 柔道整復師としては塩見氏1名が派遣され、トルコ共和国南東部のガズィアンテップ県オーゼリー地区に、約18時間かけて到着した。

 

 東日本大震災でも福島に1週間派遣され、その後災害医療を学んだ。熊本地震にも派遣され、胆振東部地震では、道庁の災害対策室で指揮を執り、昨年11月には日本初となるタイプ2「野営病院」運営の訓練にも参加していた。

 

 到着した日から試練が始まり、壁のない野営宿泊サイトを設置し、朝晩はマイナス3℃〜マイナス5℃の冷え込む中での就寝。診療施設は、ここでも初となるタイプ2の野営病院を運営し診療開始まで5日を要した。入院可能で診療科も増え、血液検査・透析・隔離施設も設けた。

 

 資機材の管理をはじめ、テント設営・医療行為を行うための環境整備・水・電気の管理など、安心安全な活動と生活を担う部門として活動し、派遣後半には、リハビリテーション室での勤務も増え、1日に約20人以上の患者に対応。骨折・捻挫・靭帯損傷などの処置も行った。

 

 地元の医療施設が崩壊していたため、コロナやインフルエンザ、結核や慢性疾患などの患者など、3週間で約1,000人以上が診療に訪れた。

 

 派遣先では、長期の避難所生活により肩関節に強い痛みがある高齢女性にマッサージのリハビリを行うと、「あなたの手は日本の神様の手だ」と泣きながら感謝されたという。

 

 塩見氏は、「医療チームの隊員として参加した経験を、災害の医療はどういうものか伝えてきたい。資機材の不足で、段ボールでギブスを作って代用した。日本での経験を活かし、物がなくなった時に代用品の準備も必要だと改めて感じた。過酷な環境での生活、電気があるありがたさ、なんでも許せるようになった」と当時を振り返った。

 

 迫市長は、「高い使命感を持っている」と敬意を表した。

 

 現地で日本人はとても信頼が厚いが、派遣は第3次隊までとし、地元の医療にバトンタッチしている。

 

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