小樽人から圧倒的な人気を得ていた“伝説”のらーめん店『一番』が、先代の直伝で味を引き継ぐ2代目店主により、10月9日(土)から、復活オープンした。
らーめん『一番』は、先代の森元東海男さん(68)が奥さんと二人で、小樽駅前の国道5号線の隣で、30年に渡り営業していた人気店だった。当時の小樽のラーメン店は、スープを買って営業していたのが大半だったが、森元さんは、個性のある味を出そうと自前のスープの研究を重ねたと言う。味噌味がメインのこの「一番」のラーメンは、小樽人に圧倒的な支持を受け、1日にコンスタントに300食を出す超人気店となり、順番待ちの客で溢れていた。
森元さんは、奥さんを亡くしてからも一人で、仕込みから全部をやっていたが、狭心症になり4年半前に店を辞め、らーめん『一番』は、伝説の店として小樽人の記憶と舌に残されていた。
今回、この先代の直伝で、2代目店主として10月9日から新店をオープンさせたのは、血縁関係はない前田登さん(44)。樽っ子の前田さんは、子供の頃から「一番」に週4回は通い続けた常連。札幌のバリ屋でラーメン修業をしていたが、舌に残る「一番」の味が忘れられず、店を辞めていた森元さんに、なんとか教えて欲しいとお願いしたと言う。独立して店を持ったら教えても良いとのことで、先代の店に隣接する船見坂と国道5号線の交差点の角に新店をオープン。
らーめん『一番』の暖簾を譲り受け、先代の直伝で、伝説のラーメン店が4年半ぶりに復活した。
『一番』の看板が出たとたんに、先代の味を知っている開店時からの常連が顔を見せ「先代の大将がまた店をやるのかと思ったら、新しい店主なので、しっかり先代の味を本当に出して欲しい」と熱い要望を寄せる。
新店主の前田さんは「一番の看板の大きさにビックリしている。プレッシャーがすごく大きい」と言いながら、先代の味の継承に懸命だ。
先代の森元さんは「店の味をいろんな人が教えてくれと言ってきたが、誰にも教えなかった。今回、新店主に暖簾を譲り、味を伝えた。一番の味が引き継がれて良かった。これからもちょくちょく店に顔を出したい」と暖かい眼差しで、新店主の仕事ぶりを見守っていた。
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らーめん 『一番』 |
小樽市稲穂3-8-10 |
電話 |
0134-22-5517 |
営業時間 |
午前11時~午後10時 |
味噌700円、醤油650円、塩650円 |