小樽市立塩谷小学校(塩谷2・加藤俊明校長)では、11月18日(金)5時間目(13:20~14:05)の総合的な学習の時間を活用し、北海道・北東北縄文遺跡群に関する出前授業を行い6年生17名が受講した。
北海道教育委員会が主催する、縄文時代に学ぶ・世界遺産を活用した次世代育成事業の一環で、世界文化遺産を生かしたふるさと教育を推進する。
講師は、考古学専攻の学芸員として勤務経験もある、株式会社ジオ・ラボアートディレクターの熊谷誠氏が務めた。
北海道・北東北縄文遺跡群は、2021(令和3)年7月27日に世界文化遺産に登録され、同校児童が6月の修学旅行で訪ねた北黄金貝塚や小樽地区の縄文時代の遺跡も含めて説明があった。
縄文人にどんなイメージを持っているか、末端を使って児童それぞれに持つイメージを書き入れ、北黄金貝塚の360度VRツアーを末端から操作して体験した。
上空から見ると、同遺跡が高台にあることや、洪水や津波の影響を受けないように高い場所を選んでいることなどが分かった。
同貝塚では、儀式で使用されたクジラの骨で作った骨刀や縄文人が食べた貝殻や動物の骨、マグロなどを獲るために使用した道具などが見つかり、沢山の種類の動物を食べいろいろな道具を使っていた。
ハマグリの貝殻からは今よりも暖かい海だったこと、温度の変化に合わせた暮らしをしていたことも分かり、針で動物の毛皮を縫い合わせて服を作り、石や骨から作ったネックレスやくしなども見つかり、おしゃれに気を使っていたことが想像できるなど、縄文人の暮らしについて話を聞いた。
千歳市から出土した石器や土器に実際に触れ、小樽市忍路土場遺跡からは火おこしの道具が沢山見つかり、当時、漆がなかった小樽で漆塗りの加工をしたくしが沢山作られ、小樽から千歳方面へ運ばれていたこと、漆は本州から運ばれたものが使用された話などを聞き、縄文人はどんな暮らしをしていたか考え、興味深く聞いていた。
荒井翔央君は、「アクセサリーやくしなどから、おしゃれをしていて綺麗好きなことが分かり、もったいないことをしないイメージ。近くの遺跡にも行ってみたいと思う」と話した。
加藤校長は、「子どもたちが修学旅行で行った北黄金貝塚を、再びバーチャルで体験した。とても興味を示し、修学旅行を振り返ることができた。縄文の詳しい勉強もできて良かった」と話していた。