小樽市制100周年を記念し、市民や市民の暮らしを守る公的機関の役割等を紹介し理解を深めてもらおうと、8月28日(日)10:00から15:00まで小樽港第2号ふ頭岸壁9番・10番・11番と第3号ふ頭岸壁12番・18番で、港湾関係船舶の一般公開を行った。
参加船舶は、小樽海上保安部・巡視船えさん(1,500トン・全長約96m・幅約11.5m・25ノット)、海上自衛隊余市防備隊・ミサイル艇くまたか(200トン・全長50.1m・最大幅8.4m・深さ4.2m)、水産庁北海道漁業調整事務所・漁業取締船白竜丸(1,598トン・全長84.22m・幅12.5m)、北海道開発局小樽開発建設部・港湾業務艇みずなぎ、小樽市ひき船たていわ丸(196トン・全長33.41m・幅9.6m・深さ4m)と、小樽港発着・飛んでクルーズ北海道のにっぽん丸が、タイミング良く利尻島から羅臼までの周遊を終えて第3号ふ頭に帰港し、イベントに華を添えた。
すべての船舶には、祝いの時に掲揚する国際信号旗の満船飾が風に棚引き、100周年の祝いムードを高めた。
一般公開に先立ち、関係機関が出席して開会式が開かれ、迫俊哉市長は、「市民の皆さんが港をより身近に感じる機会となり、関係機関が港で果たす役割について理解するきっかけになるよう期待している」と挨拶。その後、小樽潮太鼓保存会による打演が披露された。
小樽港みなと見学会として、午前・午後の2便ずつ運航する港湾業務艇みずなぎの港内周遊に、開始前から長蛇の列ができていた。
ひき船たていわ丸は、にっぽん丸帰港に合わせ任務遂行のため出港。ミサイル艇くまたかは10名ずつの人数制限、他の船も見学者の人数を制限しての実施となり時間を要した。
巡視船えさんは、通常の停泊場所での公開となり、乗船後に人が集中してしまい、先に進めない状態に陥るなど、どの船も混雑していた。
同船は、2016(平成28)年11月、38年ぶりに小樽に配備された新造船で、ヘリコプターが離着陸できるヘリ甲板があり、ヘリコプターの燃料補給も可能。新装備のヘリ甲板の下に多目的室を備え、大規模災害発生時の緊急物資の格納や輸送、支援者の収容などに活用できる。
また、火災などの備え放水銃を装備し、小型船の対応時に使用するゴムボートも2隻に増やした。定期的な領海警備パトロールや海難救助など、事件事故にも対応している。
2022(令和4)年4月から小樽港を定けい港とした水産庁漁業取締役の白竜丸は、最上階のコンパスデッキに巨大な無線機や、航海用レーダーなどを配備している。
船橋などを公開し、違法な操業及び漁具の設置を行う外国漁船などの指導・取締りを行うことを任務としているため、武装する時のヘルメットやベスト・警棒なども展示紹介。船内には取り調べ室もあった。
余市港を母港とし、大湊地方隊余市防備隊所属のミサイル艇くまたかは、機動性・即応性及び打撃力に優れた小型高速艇で、敵艦艇を撃破するとともに潜搬入など不法行動に対象する沿岸防備艦艇。
62口径76mm速射砲(最大射的は約16km・最大発車速度100発/分)や、艦対艦ミサイル(SSM-1B)、12.7mm重機関銃を主要兵装として装備している。
1度に5隻の公的機関船の公開と、にっぽん丸も見ることができる貴重な機会となって、大勢の人が楽しんでいた。
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