小樽市長選挙が、任期満了に伴い、7月31日(日)告示・8月7日(日)投開票で行われ、候補予定者の現市長の迫俊哉氏(63)、元保健所所長の秋野恵美子氏
(70)、日本共産党小樽地区委員長の野呂田博之委員長(64)が、それぞれの公約を掲げ、選挙戦に突入する。
2期目を狙う迫氏は、これまで市民と約束した「対話の重視」・「経済と生活の
好循環」・「未来への3つの備え」の政治姿勢はこれまでと同様としながら、小樽
の可能性と魅力を引き出し、自然減に歯止めをかけることは難しいが、転入を増やし転出を抑える社会減に歯止めをかける政策を重点的に進め、小樽に住んでみたい・小樽に投資したいという選ばれるまちを目指し、持続可能なまちづくりを強調。重点公約を5項目にまとめた。
(1)子育て支援策を着実にすすめる。医療費は保育料など軽減、保育士の確
保、安全で安心して過ごせる子どもの居場所を充実させる。
(2)子ども学習環境、先生の働く環境を改善する。耐震化など計画的に学校の
改修を行い、専門知識を持った外部人材の登用し、学習環境の改善に努める。
(3)子どもの豊かな感性を育み、潜在的な可能性を引き出す環境づくりを進め
る。文化・芸術・スポーツに取り組む児童生徒の活動を支援する。
(4)創業支援を充実し、起業人材の移住を進める起業を目指す人へ、相談体制の強化と創業支援策の充実に努める。
(5)小樽の個性を活かし、人や企業に共感されるまちづくりを目指す。歴史的建造物で形成される個性的な町並みなど、小樽の魅力を発揮したまちづくり。
4年間の社会情勢を見て、新たな公約として、コロナ対応や温暖化による気象変動、多様性を認め合い、ひとり親世帯の支援充実やヤングケアラーの支援に繋げる体制を整備する安全安心なまちづくり。
ブランド化を進め、高い技術力を有した製造業の製品開発や販路拡大を支援し、市民の健康といきがいづくりを支え、キャリア教育や企業説明会の充実、女性の復職支援により地元雇用の拡大、身近な商業環境を維持など、活力あるまちづくり。
デジタル化による行政サービスの利便性向上、小樽駅前地区、小樽港第3号ふ頭の整備、新幹線の活用、歴史的景観の保全など、将来を見据えてまちづくりを行う。◎はざま俊哉公式サイト(外部)
後援会などの組織はなく、1人で市長選に挑む意気込みの秋野氏は、6つの公約を掲げた。
(1)人口減少が続く現状を懸念し、小樽をどういう町に変えていくか、市民自身で決めるためにも、住民自治協議会の創設を掲げる。
(2)なんでも相談できる市役所にして、すべての職員が困っていることを受け
て、様々な機関へ相談して回答するシステムを構築。
(3)市職員の勤務時間内で、小樽市民の活動に参加できる体制にする。
(4)小樽の子育てを楽しくするため、今の子育て世代が切望していることはなにか、子育て世代が集まり施策を考える。
(5)小樽で暮らすための雇用の確保について、他から小樽に企業が来る必要
はなく、小樽の大事な企業を守り育て、地元の企業をしっかりと次世代に繋げる。
(6)除雪の改善を図るため、除雪検討委員会を新設。何度も除雪して雪を溜めてから排雪するのではなく、雪が降ったらすぐに排雪を行うことが合理的かどうか、違う方法でじっくり検討したいとした。
取り組みとして、女性の部長職は未だになく、市役所から男女平等を率先して始め、温水プール付体育館建設や市役所分庁舎の新築計画、JR小樽駅前広場再整備基本計画を白紙に戻し、廃校となって小中学校校舎を、芸術・文化に携わる人々に開放する。
買い物に不自由を感じている人のために、どうのような施設が必要か当事者に聞き施策化し、JR長万部~小樽間の廃止に伴うバス路線の新設について考え直
し、小樽〜余市間は、JR利用者に意向調査し慎重に考えたいなどと思いを述べた。
野呂田氏は、市長選挙政策の市政を変えるまちづくりに5つの提案を掲げた。
(1)子育てを応援し、人口減少を抑制するまちづくり
(2)大型公共工事から老朽化対策公示に転換し、地元企業応援のまちづくり
(3)公共交通網をまもり、市民の移動する権利を保障するまちづくり
(4) 国・道のいいなりの市政を改め、市民の暮らし応援する福祉のまちづくり
(5)小樽の自然を守り、平和を発信するまちづくり
この中で特に力を入れたいこととして、「学生は、コロナ禍で入学しても学業に専念できない苦しい状況。小樽に住んでみたいと思い、高齢者にも優しい小樽をつくり、安心して暮らせるまちにしたい。
これまでの大型公共事業中心の財源の使い道を、しっかりと地元企業を応援しながら、市民が収めた税金が無駄のないような市政を作りたい。
核の搭載の有無に関わらず、すべての軍艦については入港を認めない。親善の目的であれば客船できてもらいたい。商業港としての小樽の地の利を活かし
た港として活用したい」と述べた。
公約の実現への財源として、「どこにどのようにお金を持ってくるか?石狩湾新港問題、新しい小樽駅前の開発、小樽駅の再開発など、経済界の要望に基づいた財源の使い道を中心としているが、この部分をしっかりと手当し、財源を生み出す」とし、並行在来線に関しては、「新幹線開通まで8年間あり、バス転換を見直し、しっかりと住民に理解してもらうためにも、鉄道維持を図っていきたい。小樽に住み札幌に通える交通体制を維持したい」と述べた。
迫・秋野両氏は小樽在住で地名度も高く、野呂田氏の知名度の得策については、「投票日まで25日しかなく、限られた期間で、市民へしっかりと政策について最善を尽くして訴え、支援してくださる方の力を借りて、選挙戦を取り組み、挽回していきたい」と述べた。