旧三井銀行小樽支店 国重要文化財指定記念式典

 

 

 公益財団法人似鳥文化財団(色内1・似鳥昭雄代表理事)が所有する旧三井銀行小樽支店が、2月9日(水)に国指定重要文化財の告示を受け、5月21日(土)14:00から小樽芸術村にある同支店内で、似鳥代表理事をはじめ、鈴木直道北海道知事、迫俊哉小樽市長ら来賓が出席し記念式典を行った。

 

 1926(大正15)年8月に起工し、1927(昭和2)年12月に竣工。関東大震災を教訓に耐震技術を取り入れた、鉄骨鉄筋コンクリート造り地下1階地上3階建で、1階は、客溜と営業室の広い吹き抜け・金庫室・書庫があり、2階に会議室・応接室、地下には銀行時のままを保った保護預庫などがあり、外壁は北米産花崗岩が使用され、ルネッサンス様式の軒に装飾が施されたアーチ窓が連なり、歴史的な景観をより印象付けている。

 

 2002(平成14)年に三井銀行小樽支店としての営業を終了し、2016(平成28)年株式会社ニトリが所有者となった。

 

 小樽芸術村として、同支店をはじめ、周辺の歴史的建造物の旧荒田商会・旧高橋倉庫(ステンドグラス美術館)、旧北海道拓殖銀行小樽支店(似鳥美術館)、旧浪華倉庫(西洋美術館)の5棟を所有。

 

 似鳥代表理事は、「小樽には歴史ある建物が沢山あり、保存して活用して後世に伝えていきたい」と挨拶した。

 

 伝達式で、鈴木知事から重要文化財「指定書」が手渡され、「道内外の多くの皆さんに、同支店の魅力が一層広まるとともに、先日オープンした西洋美術館の小樽芸術村の文化などが、観光振興と北海道の活性化に繋がると確信している」と祝辞が述べられた。

 

 迫市長は、「歴史的文化的価値を国から認められ大変嬉しく思う。新しい観光資源として、より滞在型でより消費型の観光にとっても、力強い後押しになる」と述べた。

 

 その後、北海道大学・角幸博名誉教授による、「北海道の重要文化財から〜保存・修復・改修事業〜」と題した記念講演が開かれ、ニッカウヰスキー「余市蒸留所」の10の建造物が重要文化財に指定されたことに触れ、同支店については、「昔の銀行の風格が残っている」と高く評価した。

 

 15:00からは「旧三井銀行小樽支店の価値」をテーマに、5名による記念講演会が開かれた。

 

 市内にある国指定の重要文化財は、旧日本郵船株式会社小樽支店、旧手宮鉄道施設に続き、3件目となる。

 

 ◎小樽芸術村公式サイト似鳥美術館(外部)

 ◎関連記事