国立大学法人北海道国立大学機構小樽商科大学(緑3・穴澤眞学長)では、今年で痛ましい飲酒事故から10年を迎え、亡くなった学生を追悼するとともに、事故再発防止の誓いを新たに、連休明けの5月9日(月)12:15、2022(令和4)年度の追悼式を同大学体育館前で執り行った。
穴澤学長をはじめ、和田健夫前学長・遺族・学校関係者・学生ら23名が出席して行われた。
穴澤学長は、「ひとりひとりが飲酒の危険性を充分に認識し、どのような場面でも自分を律する強い意思を持つこと。10年の月日が流れたが、どれだけの月日が流れても、尊い命が亡くなったことは決して消えることはない。教職員と学生も忘れてはならない。大学は、学生にとって安全安全な場所でなければならない。
私たちは、飲酒事故を未然に防ぐことが出来なかったことを深く反省し、2度とこのような事故を起こさないと強く誓い、毎年この時期に、誓いの日の前で故人を追悼し、全学挙げて、飲酒事故防止に取り組む強い決意を心に刻む」と述べた。
学生を代表し自治会事務局・佐藤来未さん(3年)は、「悲しい事故は起きてしまたったが、決して繰り返してはいけないことを、先輩から後輩へ、今も語り継がれている。私たちは、このことを忘れずに戒めていく。今日この碑の前で、改めて飲酒事故再発防止に努めることを固く誓う」と約束した。
その後、遺族と穴澤学長、学生代表の佐藤さんの4名で献花し、1分間の黙祷を捧げ、故人の冥福と飲酒事故の再発防止を誓った。
式が始まる前に事故現場を訪れていた遺族は、「10年経っても気持ちは変わらない。毎年この時期を迎えるのは堪える。
元気だったら29歳になり、もしかしたら家庭を持っていたかもしれない。せっかく大学に入ったのに、1ヵ月の大学生活しか送れなかった。ちゃんとした大学生活を送らせてあげたかった。19歳で亡くなるなんでお酒は怖い」と、涙ながらに語った。
2012(平成24)年5月7日に同大アメリカンフットボール部の部員が、大学内のグランドでバーベキューパーティを行った際、過度な飲酒による死亡事故が発生。新入部員だった1年生男子学生(19)が死亡する事故が起こった。部員50人を無期停学などの懲戒処分とし、同年7月に同部を廃部にした。
◎関連記事