小樽市(中松義治市長)が進める市立2病院の統合新築で、市病院局(並木昭義局長)は、13日(火)、「今般、9月12日付で、北海道知事から市長へ、新市立病院の実施設計に係る起債同意等(許可)予定額の通知がなされました」と発表した。
新病院の実施設計費は、1億2,000万円で、この全額を起債に頼っている。新病院の建設を急ぐため、山田勝麿前市長が、実施設計を久米設計に起債同意を得る前に、見切り発車で発注していた。このため、総務省の窓口となっている北海道が、起債の同意を何時出すかに関心が集まっていた。
9月12日(月)に、この起債同意等(許可)予定の通知が、市に届いた。起債額は、1億2,000万円で、病院事業債と過疎債が6,000万円ずつの内訳となっている。
実施設計費の起債が同意されたことで、新病院建設が一気に加速することになった。市は、量徳小を廃止し、その跡地に、388床の新病院を128億円(起債)で建設することにしている。
今後の予定は、
9月末 道に起債許可申請
10月末 道から起債許可通知
12月 議会に新病院建設関連予算案提出
1月 入札公告
2月末〜3月 入札執行
3月末 建設着工
病院局は、「道との実施設計の起債協議では、当然、新病院本体の建設計画を示してきており、実施設計だけを認めて、本体の建設の起債を認めないということにはならないと思っている。今後は、新病院建設を粛々と進めていくだけ」と安堵していた。
並木局長は、「医師会をはじめ、皆さん大変心配してくださいまして、何とか準備をして今日に至った。若い職員達に言ったら大変喜んでくれた。今日これが得られるまで、ちょっと自信もないときもあったが、これからは本式に申込をしていきたい。平成26年夏には開院するが、その時には、スムーズに運営できるように考えていきたい」と、笑顔で語った。
市は、これまで、起債同意を得るために、なりふり構わず、一般会計からジャブジャブと病院会計に税金を投入してきた。この結果、平成22年度での不良債務の解消、平成25年度までの地財法の資金不足比率の解消、職員給与の適正化、住宅手当の廃止など4つのハードルをようやくクリアして、起債同意を取り付けた。
しかし、豪華病院を建てても医師不足などで、その後の運営に行き詰まる例も後を絶たない。128億円の借金(起債)で建てる新病院の借金返済は、小樽の次世代の若者にそのツケが回されることになる。
小樽では、このほか、北海道済世会小樽病院(梅ケ枝町・近藤真章院長)が、築港地区で258床の新病院建設を12月から始める。
過疎地小樽に2大病院が並立することになるが、関係者からは、将来的には共倒れの危険性もあると指摘されている。
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