小樽商科大学(緑3・山本眞樹夫学長)が、7月7日に創立百周年を迎えることを記念した展示会・企画展・特別展が、7月2日(土)から、商大史料展示室・市の総合博物館・文学館の3会場で始まった。
商大附属図書館にある史料展示室では、記念展示会「商大百年 緑丘の青春」が開かれている。緑丘に集った学生たちの、のびやかな青春を彷彿とさせる一コマ一コマが刻まれた写真が集められ展示されている。このほか、数多くの貴重な資料とともに、商大の通史が辿れ、その歩みを、一堂に目にすることができる。(入場無料)
小樽市総合博物館では、企画展「商大百年―小樽市民と高商・商大」が、7月2日(土)から9月25日(日)まで開催中。大学の歩みと小樽市民との関わりを、博物館所蔵の写真などを用いて紹介している。前身の小樽高商の誘致には、官民挙げた取り組みがなされ、特に、土地の無償提供や多額の建設費を、当時の小樽の経済人の、北垣国道や榎本武揚たちが負担したことが決め手になったことを貴重な資料で解明している。このほか、大学と市民のつながりのエピソードなども展示されており、商大百年と小樽の街との連携ぶりが伝わってくる企画展になっている。(通常入館料)
市立小樽文学館では、特別展「小樽高商・商大ゆかりの文人経済学者たち―大熊信行・早川三代治・大西猪之」を、7月2日(土)?8月28日(日)まで開催中。小樽商科大学開学100年にちなみ、狭い経済学の範疇にとどまらず文学・芸術を含めた広い視野に立ち、青年たちに強い影響を与えた3人の文人経済学者たちに新たな光を当てている。(通常入館料)
会場で熱心に見学していた早川三代治氏の長男・早川治男さん(79)は、「展示は本当に良くできており、やっぱり、亀井館長さんのお力だと思う。親父が亡くなってから、50年が経つので、今の小樽の人は知らないだろうから、島崎藤村と有島武郎の2人を師として、世界的な著名人との交流があったことなどを展示した頂き、感慨深いものがある。親父は、非常に几帳面で、曲がったことが出来ない、学究一筋だった。展示されている資料は、東京にいる弟が整理していてくれた。文学館では、前にも展示会を行ってくれたが、商大百年と合わせて、また早川を取り上げてくれて、ありがたい」と、話してくれた。
商大百周年記念の3会場での展示会・企画展・特別展を巡って、商大の往時を偲べば、小樽の街が、立体的に理解できるようになる。
なお、3会場巡りのスタンプラリーも用意されている。3会場のスタンプを集め、各会場の応募箱に投函すると、抽選で100名に、小樽商大100周年記念グッズ(100周年記念ボールペン・100周年記念絵はがき10枚セット)がプレゼントされる。
◎小樽商科大学史料展示室のご案内
◎企画展「商大百年―小樽市民と高商・商大」
◎企画展「名曲の楽しみ 吉田秀和展」