市立小樽美術館協力会主催「舞踏と美術」のサプライズ展が、12月21日(火)〜26日(日)に、同館1階多目的・市民ギャラリーで開催されている。
今年8月に開催を予定し、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で臨時休館となって数日間のイベントのみの開催で閉会した、特別展「舞踏と美術—田仲ハルと舞踏に魅せられた美術家たち“小樽晩夏光”」を改めて企画。
舞踏家の田仲ハル氏とこれまで仕事などを通じて関係のある小樽ゆかりのアーティスト5名による、多彩なジャンルの60点が並び、見応えのある展示会となっている。
踊るハル氏をモデルに躍動感溢れるAkiYo氏のドローイング作品は、前回と違う29点を出展。2015(平成27)年からハル氏を描き続け、その作品は3,000点にも及ぶという。
ハル氏が舞踏で着用する衣装を手掛けている、ファッションデザイナーの石岡美久氏は、新作も含めて衣装5点を出展。
このメンバーの中で、ハル氏と一番付き合いが長いという上嶋秀俊氏は、舞台美術で使用した作品を含むインスタレーション作品2点を展示した。
市内にアトリエを構える彫刻の福江悦子氏は、ハル氏をモデルにした彫刻3点や、木から生まれるものを顔で表現した「産す」・「惚け」・「背中」・「消える」の新作など14点を出展。展示に工夫し360度鑑賞できる作品もある。
初参加の写真家Cicako氏は、2020(平成2)年に、市内で撮影した素顔のハル氏の写真10点を出展。舞踏とは違ったハル氏が捉えられている。
グラフィックデザインを手掛けるハル氏の作品も展示され、前回の舞踏「晩夏光」の映像を、プロのカメラマンが撮影編集した動画を上映するなど、じっくり楽しめる内容となっている。
ハル氏は、「前回は幻の展覧会となり残念な思いをしたが、仕切り直しが実現した。
出展作家は、常に新しい作品を作るために前へ進んでいる人たちで、新たな出展でリベンジできてありがたい。最終日には展示会場でソロで踊り、締めくくりたい」と話していた。
星田七重学芸員は、「終わったものと同じものはもうできないと感じるなど、新しい発見があった。多目的ギャラリーの窓から差し込む日差しも良い空間を創り、今回は、スタイリッシュで浄化された美術館らしい展示となった」と、来場を呼び掛けている。
「舞踏と美術」SURPRISE!—田仲ハルと舞踏に魅せられた美術家たち
12月21日(火)〜26日(日)10:00〜17:00
市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリー 入場無料
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12月26日(日)16:30展示会場で、田仲ハルBUTOHパフォーマンス
観覧料:投げ銭
◎特別展 舞踏と美術—田仲ハルと舞踏に魅せられた美術家たち<小樽晩夏光>(外部)
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