おタテによる小樽の活性化 まちづくりシンポジウム

 小樽ホタテブランド化推進プロジェクト実行委員会(久末智章実行委員長)は、12月11日(土)16:00から小樽経済センター(稲穂2)7階大ホールを会場に、「おタテによる小樽の活性化の可能性」と題し小樽まちづくりシンポジウムを行った。

 

 事前申込の約80名が参加し、北海道立総合研究機構水産研究本部企画調整部専門研究員の宮園章氏による基調講演「北海道ホタテガイと養殖漁業につい
て」と、ファシリテーターの小樽商科大学グローカル戦略推進センター・高野宏康氏と中村貞夫同副実行委員長ら5名によるパネルディスカッションが行われた。

 

 冒頭、久末実行委員長は、「稚貝の出荷のため知られていないが、祝津のホタテは小樽の漁業のトップで、抜群の新鮮さと安定した供給、調理方法も多彩。ニシン・ウニ・シャコに続く、食の観光資源にならないかと、6月に正式に実行委員会を立ち上げた。観光は裾野の広い産業。小樽のホタテにより、更なる交流人口の拡大とまちづくりに関わっていきたい」と挨拶。

 

 宮園氏は、ホタテ貝の構造や生態について、特徴である外套膜(内臓を覆う体壁)についてや、食べ物をすりつぶす役割・消化酵素の塊の晶桿体(しょうかんたい)の優れた生態を持つことを説明。2020(令和2)年には、全道漁業の水揚げ量114万トンのうち、42万トン(37%)をホタテが占め一番多いと解説。

 

 明治時代、祝津ではホタテが獲れ漁獲技術を持っていて、小樽は北海道のホタテ貝漁業発展に重要な役割を果した。

 

 1982(昭和57)年、祝津沖でホタテ養殖の事業化に成功。時化があるのが難点ではあるが、餌あたりも良く、種苗生産基地のひとつとなりホタテのふるさととなった。

 

 16:50からは、おタテによる小樽活性化の可能性~小樽祝津産ホタテの6次産業化を目指して~をテーマに、中村副実行委員長、ホテルノイシュロス小樽・兼崎義明代表取締役、株式会社たるしぇ・斉藤哲治代表取締役社長、小樽水産加工業協同組合・田宮昌明専務理事、株式会社水族館公社・梅津真平参与が出席し、パネルディスカッションが開かれた。

 

 観光庁の地域の観光の磨き上げを通じた域内連携推進に向けた実証事業の採択を受け、“おタテ”とネーミングしてブランド化を目指し、地域経済の活性化につなげる同プロジェクトの取り組みについて、それぞれが担当した内容を説明。

 

 ホタテ貝の養殖漁業を営む中村副実行委員長は、「おタテフェアでは、飲食店100店舗にホタテの提供が仕事。安定供給を約束しこれからも続けたい」と述べた。

 

 後志産の商品を伝えるために始まった駅なかマートたるしぇは、来年4月で10周年。お弁当の日で、市内5店舗からホタテを使った丼や炊き込みご飯などを販売し、3日間限定で787個を販売した斎藤社長は、「“おタテって何?”から会話が生まれ、販売して良かった」と振り返った。

 

 田宮専務理事は、小樽水産加工グランプリ受賞商品など、ホタテを使った水産加工品を紹介。金賞受賞のホタテdeポン(有限会社入久三浦水産)をはじめ、ホタテの素材を活かした多彩な商品が誕生している。

 

 梅津参与は、10月16日(土)に開催したおタテモニターツアーについて説明。小学4年生以上の親子を対象としたところ、264名の応募がありその中から20名が参加し、ニシン漁やホタテ漁の歴史・養殖を学び、浜の母さんが作ったホタテづくしの昼食を味わい、生きたホタテの観察や生態など、ホタテについて見て食べて学んだ。

 

 兼崎代表取締役は、「期間中ディナーの中でホタテを提供して評判が良かった。おタテの語呂が良く、どんどん使っていきたい。地元愛が強い人も多く、今後、ニシン・シャコ・ウニも含めてまつりなどもしていきたい」と述べた。

 

 12月24日(金)・25日(土)の15:00~20:00に、小樽運河浅草橋街園(港町5)で、Canal Christmasを開催し、小樽産おタテのクリームシチューを各日先着300名に無料提供、12月26日(日)は15:50から、UHBでおタテソングを歌う「HAMBURGERBOYSのマチのウタ作ってイイっすか?」を放送予定。

 

 ◎おタテ〜小樽ホタテブランド化推進プロジェクト(外部)

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