認知症の家族に寄り添い33年、小樽認知症の人を支える家族の会(源九美津枝会長)が、地域活動推進功労者の2021(令和3)年度北海道社会貢献賞を受賞し、11月19日(金)15:30から、小樽市役所(花園2)2階市長応接室で伝達式を行い、源九会長と役員の千葉陽子さんが出席し、迫俊哉市長と小山秀昭副市長らが、これまでの活動や弛まぬ努力に敬意を表した。
同賞は、日常生活を明るく住みよい環境にするため、住民運動やボランティア活動等の自主的な運動を実践し、豊かな地域社会づくりに顕著な功績のある個人と団体に贈られる。
1988(昭和63)年4月から認知症に関する相談会などを中心に、認知症高齢者等の介護にあたっている家族介護者の支援や適切なアドバイス、市民の啓発を通じて、認知症についての理解を広げる活動を行い、認知症を支える地域づくりに大きく貢献していることが受賞理由。
源九会長は、1987(昭和62)年に塩谷の高齢者施設寿楽荘施設長として勤務。同年同会が設立され、翌年1988(昭和63)年に入会し、1997(平成9)年から会長を務め、仕事と両立させながら活動に専念してきた。
千葉さんは1995(平成7)年に入会。2人とも両親の認知症がきっかけで入会。
今回の受賞は、「当時、認知症の人に対してボケと言っていた時代。事務所がなくても、皆さんの協力で33年やってこられ、私たちにとっても嬉しい。相談会では、認知症を抱える家族に寄り添って話を聞き、帰る頃には明るい顔になっていた。包括センターの人たちの協力もあり、解決できたと思う」と表彰を喜んだ。
家族の異変に気付き認知症と診断され、支える家族にとっては初めてのことで、どう対処して良いのか悩みや負担は大きい。源九さんたちにとっても、様々な事例に対応する中で、初めて若年性認知症に関わったことが強く印象に残っているという。
子どもたちにも認知症を知ってもらいたい想いから、認知症を学ぶ機会を作り、手作りの紙芝居で指導している。授業に参加した子どもたちからは、「祖父母が認知症だと分からず、あまり言葉を交わしていなかったが、これからは話をしてみよう」と感想が書かれ、もっと、子どもたちに認知症を知る機会を作りたいと思っているという。
2005(平成17)年にスタートした認知症サポーター養成講座での講師も務め、これまでのべ1万人が受講。認知症に関する講演会や会報の発行などにも取り組んでいる。
同会は、家族で認知症を介護している人、すでに看取った人、関心と理解をもって支援したい人、本会の目的に賛同する法人等が入会でき、現在会員約100名で、奇数月の第2金曜日13:30〜15:00、小樽市総合福祉センター内で相談会を行っている。
事前連絡先:090-7050-4408 源九美津枝会長
FAX兼用:0134-33-7300 斎藤英秋事務局長