市立小樽文学館(色内1)で8月15日(日)まで開催中の「朝倉かすみ展」を記念して、7日(土)14:00から、講演会「極私的日常生活行動地図(小樽編)」が行われ、事前予約の30名が、小説家の貴重な話に時間を忘れて聞き入っていた。
小樽出身小説家の同氏は、1960(昭和35)年生まれで、市立入船小学校・東山中学校を卒業。16 歳まで小樽で過ごし、札幌手稲高校を卒業し、武蔵女子短期大学教養学科に進む。
40歳を過ぎてから小説家となり、たちまち注目を集め、数々の小説を発表し、賞を受賞。小樽で過ごした子どもの頃の記憶が、度々小説の中に使われている。
子ども時代は、好奇心が旺盛で想像力が豊か。ごく普通の日常であっても、同氏には印象深く記憶に残り、まだ使い切れていない小樽の記憶があるという。
今回の講演会では、小説の舞台についてや、小樽を舞台にした小説「ぼくは朝日」を基に、懐かしい小樽の記憶を語った。
小樽について同氏は、「小説を書く時、小樽は特別な場所。子どもの頃に過ごした摩訶不思議な場所で、懐かしさやロマンチックさ、切なさが伝われば」と述べ、子どもの頃に過ごした場所が小樽で良かったとも言い、坂を上って振り返ると景色がぱあっと広がる場所で、元気づけられ、時には、突然違う時代にタイムスリップしているのではと想像が膨らむことも。
自身が住んでいた家や学校、当時にしては珍しい土足OKの美容室、近所のおじさんやおばさんの家などの地図をボードに描きながら、独自の小説の描写について、小説のページと照らし合わせながら説明し、来場者もその頃の時代を共有した。
交番には、花を持って行ったことやその花を挿した花瓶、お財布を拾って届けた話など、多少の空想をエッセンスに、楽しそうに語る様子には、来場者からも笑みがこぼれた。
特別展「朝倉かすみ展」 8月15日(日)まで
市立小樽文学館(色内1)2階企画展示室
入館料:一般300円、市内75歳以上・高校生150円、中学生以下無料
休館日:8月9日を除く月曜日・ 8月10日(火)・11日(水)
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