道指定無形民俗文化財の松前神楽を保存・伝承する「松前神楽北海道連合保存会」(本間清治会長)は、11月6日(土)13:00から、小樽市民センター・マリンホール(色内2)で合同公演を開き、歴史ある舞いの数々を披露した。
松前神楽の起源は、350年ほど前。江戸時代のはじめに道南の松前周辺で行われていた神楽や田楽などの伝統芸能を集め、城内神事として伝承され、33事23座によって構成されている。
松前周辺の神社の神職によって演じられ、家ごとにその技術が伝えられ、その後、全道各地へ広がった。鰊漁の北上とともに道南から後志方面へと渡り、小樽には、1893(明治26)年に福島町の常磐井家によって伝えられた。
現在は、小樽、道南の松前、函館、福島で、江戸時代以来の伝統的な舞・奏楽の保存伝承活動が行われ、1999(平成11)年には連合保存会を結成。小樽での合同公演は、17年ぶり2回目。
この日は、道内各地から保存会の会員約100人が集まった。冒頭、本間会長は、「神楽は、自然の恵みを喜び、収穫の祭に神様に感謝するもの。人から人へと伝えられ、今日に至っている。道指定無形民俗文化財の1号に指定され、国選択無形民族文化財として国の仮指定になっています。我々は、連合会は国指定に向けて頑張っている」と挨拶した。
小樽や後志、神恵内、松前、函館など各地の保存会が、五穀豊穣を祈る「福田舞」、海鳥をまねて舞遊ぶ姿を山神に供する「山神舞」、戦勝成就を祝った「兵法舞」などを、ステージ上に設置された神籬(ひもろぎ)で優雅に舞った。400席の会場は満席となり、来場者たちは、歴史ある北海道の民族芸能をじっくりと鑑賞していた。
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