昨年5月に閉店した妙見市場から、市役所通りに移転したCSAショップ(ミリケン恵子代表・花園2)では、4月からこども食堂を始めた。
広々とした同店舗内には、赤井川などの農家から仕入れた獲れたてのアスパラやキュウリ、フキやタケノコなどの山菜をはじめ、市内の店舗が作る総菜や手作りケーキ・パンなどが並ぶ。
じつはら社会福祉士事務所からの提案で、実原氏が提供する1枚500円の食券(100枚)を、こどもだけではなく様々な事情から必要としている人に、同ショップ内での飲食や買い物をしてもらうスタイルでスタートした。
同ショップや市民団体「シングルマザーふぉーらむ」が、会員へ郵送し、小樽市生活サポートセンター「たるさぽ」でも、相談者に該当する人がいれば話してもうなど、動き始めたばかり。
救済ではなく共生を目的とし、この事業を継続させるために、店内に募金箱を設置。ミリケンさんが発行するミニコミ紙「おむすび」と合わせて、今年5月からエコフェミニズムをテーマにした「おむロール」(1部50円)を創刊し、活動資金にしたい考えだ。
コロナ禍で仕事がなくなったり、こどもの体重が減ったなど切実な話を目の当たりにし、シングルマザーもシングルファザーにも利用してもらいたいという。
開催日は、こどもと一緒に来店できる土曜日としているが、平日でも対応できるという。
ミリケンさんは、「みんなで支え合うことを、当たり前に感じてもらいたい。支援されるとか特別なことではなく、皆で分かち合いたい。この店は、農家を支えることが目的のひとつ。誰かに支えてもらえるのも良い。せっかく美味しいものを仕入れているのだから、みんなに食べてもらいたい。今後は、小樽中でこども食堂の券が使えるように、市内での展開を期待している」と話した。
商品価値のある不用品を持ち寄るコーナー「もっていってください箱」を、今年2月から始めた。2週間経過しても箱にあった場合は、提供者に下げてもらう決まりを作り、まだ使えるものをほしい人に無料で提供している。
生活で困っている人の相談窓口「たるさぽ」の職員は、「地域共生や多年代交流などが注目され、こども食堂の取り組みも全国的に増えてきている」と話している。
市内での子どもの居場所の件数は、後志振興局HPに掲載。昨年6月で4件の情報を把握している。
子ども食堂・認知症カフェ・地域食堂などの取り組みをしている人たちが集まり、情報交換などでつながる場所「たるかふぇネット」(市民ネットワーク)のHPでは、子ども食堂やカフェの紹介やマップ、開催カレンダーを掲載している。
現在、緊急事態宣言下のため、休止している所もあり、確認が必要。
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