多喜二祭墓前と記念のつどい 6/5開催

 小樽多喜二祭実行委員会(荻野富士夫・琴坂禎子・倉田稔・寺井勝夫・中井秀紀共同代表)は、プロレタリア文学の代表的な作家・小林多喜二の没後88周年となる多喜二祭を、2021(令和3)年度から6月5日(土)に変更することを決定した。

 

 多喜二は、88年前の1933年2月20日に侵略戦争に反対し平和を求め、治安維持法により特高警察の手で虐殺された。2月20日の命日に多喜二祭の開催を続けてきたが、共同代表らメンバーの高齢化に伴い、厳しい寒さの冬を避け、多喜二の功績を讃える運動は続けようと、多喜二が墓を建立した6月2日にちなみ、今年からは、6月5日(土)に変更して実施するとした。

 

 同会の小樽商科大学・髙橋純名誉教授は、「若い人が多喜二の文学を知らないのは惜しまれること。多喜二を通じて、これからの社会を考えるべきで、より良い季節での開催を選んだ」と述べた。

 

 同祭は、これまでの墓前祭を墓前のつどいに変更。今年の送迎バスは中止とし、各自、現地集合とした。13:00から奥沢墓地の多喜二が建立した墓前で、恒例の赤いカーネーションを献花する。

 

 この他の詳細については、8日(土)開催の実行委員会で決定するが、牧野時夫さんによる多喜二の思い出曲、ショパンのノクターン第20番 嬰ハ短調(遺作)をヴィイオリンで奏でる。

 

 記念のつどいは、市民センター(色2)マリンホールを会場に、17:30から20:00まで実施。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、ホール定員半分の225名に限定し、事前チケットを1,500円で販売。当日券なし。チケット取扱いは、小樽運河プラザ内喫茶一番庫と小樽市民センター。

 

 北海道在住のトリオ・マモーレ(ヴァイオリン:牧野時夫氏、ピアノ:安河内真樹氏、フルート・ソプラノ:瀧田まゆみ氏)による、コンサート「愛を込めて自然と平和を護れ、子どもたちの未来を守れ」を開催。

 

 また、北海道の心臓と民の力~多喜二の見た小樽~と題して、小樽商科大学グローカル戦略推進センターの高野宏康氏による記念講演会を開く。

 

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