山田勝麿小樽市長が、日経BP社の日経ビジネス5月31日号に登場した、雑誌記事での発言が波紋を広げており、開会中の市議会でも論議を呼ぶことが必至の状勢となっている。
「日経ビジネス」は、日経BP社が発行する週刊誌。5月31日号の“人物”欄に「敗軍の将、兵を語る」として登場。「国よ自治体倒産の危機を知れ」との見出し記事中で、“日本一の貧乏都市”の市長として、2004年度の市の19億円の赤字予算を組んだことを赤裸々に語っている。
この中で、19億円の赤字予算は「こんな予算、日本一の貧乏都市だと世間に恥をさらしているようなもの」とし、「赤字予算は仕方のないことで、ある意味では必要なことだと思っている」と言い切っている。
中でも論議を呼びそうなのが、これまで市議会質疑の中でも明らかにされなかった旧マイカル破たんでの税収未納額だ。「滞納額は年間4億7,000万〜4億8,000万円かな。2年で10億円ですよ」と、明らかにしてしまった。
これは、市議会での論議でも、今まで公表しなかったもので、議会より先に雑誌に述べたことで「議会軽視」として、問題化しそうだ。
また、市長は、小樽市が「最悪、財政再建団体に陥落する危惧が迫っているが、このままではそうなる一番手でしょうな」とし、財政健全化で浮かした額が、国の三位一体改革ですべて吹っ飛んでしまったと、自らが招いた赤字予算を、国の責任へと転化させる発言が続いている。
そして、市の経費削減には限界があり、国を動かすためには、赤字市町村を増やすしかないとして、「北海道でも赤字目前の市町村は沢山あります。バタバタ倒れれば、国も考えると思いますよ」と述べている。
この雑誌記事での発言に、市議会共産党などが手ぐすねを引いており、開会中の第2回定例会での論議の行方が注目される。