稽古の成果披露 「能を楽しもうプロジェクト2010」  


noutanosimu1.jpg 6月から2ヶ月間、「能を楽しもうプロジェクト2010」(旧岡崎家能舞台を生かす会主催)に取り組んだ参加者たちが、8月29日 (日)14:00~16:00、小樽市公会堂に併設の旧岡崎家能舞台(花園5)で、「鶴亀(つるかめ)」と「羽衣(はごろも)」の2曲を舞った。
 このプロジェクトは、同会が、「能舞台を有効に活用しながら、能楽を気軽に楽しんで頂きたい」と昨年初開催。2年目の今年は、高校生以上対象の「能楽仕舞体験教室」、小学1年生から中学3年生までの「能楽こども教室」、「能楽ものづくり子供教室」を企画した。
 参加者は、市内だけでなく、余市町や札幌市、北広島市から33名(子供6・大人27)。6歳から85歳までの幅広い世代が、6月から8月までの2ヶ月間、宝生流師範・菅田昌義、宝生流教授嘱託・佐々木裕志さんらから能楽を学び、日本の伝統文化を楽しんだ。
 発表会では、紋付袴を着た参加者が、中国を舞台とした国家の長久を祈念して祝福する能「鶴亀(つるかめ)」と、羽衣伝説をもとにした能「羽衣(はごろも)」の2曲を披露。昨年は、インフルエンザの影響で3人の子供しか参加がなかったが、今年は21人の子供と大人が参加し、80年もの歴史ある能舞台に立ち、扇子を持ちながらゆったりと舞い、2ヶ月間の稽古の成果を発表した。
noutanosimu2.jpg 昨年も参加した柴野初音ちゃん(10・花園小5)は、「鶴亀を歌えるようになった。だいだいOKだったかな。歌う時に、緊張したせいかちょっと声が出なくなった。けれど出来は良かった」。耕輔くん(8・花園小2)は、「人の動きを見なくても踊れるようになった。踊る時に背中がだらっとしたので今日は90 点」と話していた。
 この能舞台は、荒物雑貨業で財を成した豪商・岡崎謙氏が、1926(大正 15)年、入船町の自邸に建設したもの。江戸幕府が定めた能舞台をつくる際の格式の中で、大名屋敷につくられる最上級の形式でつくられている。岡崎氏の遺志で、小樽能楽堂の本舞台と橋懸かり部分が市に寄贈され、1960(昭和35)年に現在地に移築された。
 旧岡崎家能舞台を生かす会の三ツ江匡弘会長は、「素晴らしいお宝が小樽市にあるのだが、中々良いように使ってくれないので、我々が頑張っている」。
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