独立行政法人国際協力機構(JICA)の海外協力隊として、タンザニアに派遣されていた小樽在住の佐藤文音さんが、延期となっていた市長表敬訪問を、3月11日(木)9:30に行い、写真を交え派遣先での様子を報告した。
迫俊哉市長は、「タンザニアで経験され良い1年半だったと思う。日本でずっと生活をしているより、考え方も変わり視野も広がり、研究者として進む人生に大きな影響を与えてくれたと思う。ますますの活躍を期待している」と、激励した。
佐藤さんは、2018(平成30)年10月に、タンザニア最大都市のダルエスサラームのスポーツ評議会・陸上競技連盟に派遣され、小学校やナショナルチームの選手や指導者に、短距離・跳躍(走り幅跳び・高飛び)・長距離・投擲(槍投げ・砲丸)などを指導。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、2020(令和2)年9月までの任期が半年早まり、同年3月に帰国していた。
佐藤さんは、市立末広中学校(現北陵中学校)、小樽桜陽高校、北海道教育大学教員養成課程保健体育専攻、筑波大学大学院人間総合学科研究科修士課程に進み、陸上競技を14年間続けた。
大学院時代に競技記録が伸びず、選手よりも指導者の方が向いていると、JICA海外協力隊としてタンザニアのコーチ募集を知り応募した。
アフリカは未知の世界で、タンザニアの隣、ケニアは陸上が強い国。タンザニアに指導者がいないなら役に立ちたいと決めた。
協力隊として、現地の小学生に陸上が楽しいと思うような指導をし、トップアスリートに対しては、記録を向上させるために技術を身につけさせた。
2019年(令和元)年8月開催の20歳以下の選手が出場する東アフリカ大会で、過去最多の16個のメダル獲得に導いた。
現在は、小樽商科大学学術研究員及び北海道大学産学・地域協働推進機構産学連携推進本部イノベーション創出部門共創人材育成ユニット産学協働アドバイザー。3月で退職する。
4月からは、北九州市立大学でスポーツ地域活性化特任教授として勤務し、カナダで博士号を取得する予定。
「青年海外協力隊員を経験して、生きる力がついた。食中毒やなぞのアレルギーなどを経験し、仕事よりも生活を整えることが難しいことや、自分が外国人だと意識することも学んだ。
1年半、現地の人と密着した中で、考え方や価値観の違いを肌で感じられた。経験しなければ分からなかった」と話した。
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