12月ボーナス全回復・役職加算の凍結解除!市が組合に提案


 小樽市(山田勝麿市長)が、一般会計の累積赤字が減少していることを理由に、2010(平成22)年度12月分の期末手当(ボーナス)で独自削減中の0.35ヶ月分を全て回復し、さらに役職加算(5~20%)の凍結を一部解除したいと、市役所職員労働組合(岩本毅執行委員長)に提案していることが分かった。
 市は、2008(平成20)年度、地方交付税や税収の落ち込みが激しく、一般財源に約5億5,000万円の不足が生じることから、6月と12月の年2回のボーナスの約1か月分の削減と役職加算を凍結し、予算をひねり出した。関連記事 
 一般会計の累積赤字は、2006(平成18)年度の11億8,000万円から、2007(平成19)年度には12億9,700万円に増額したが、この職員手当等の削減と、企業会計からの借入れ、特定目的資金基金の取崩しで、2008(平成20)年度6億3,800万円、2009(平成21)年度決算見込みで1億5,600万円と減少した。
 このため、市は、今月に入り、全職員に対し、12月分の期末手当の独自削減0.35か月分を全て回復し、係長以上の管理職の減額幅を緩和させるため役職加算の凍結を一部解除したいと、市職労に提案した。年度途中の独自削減回復は異例の対応だが、12月分期末手当の支給基準日である12月1日よりも前に条例改正が必要のため、9月の市議会第3回定例会に補正予算案を提出するとしている。
 提案を受けた市職労では、「職員の給与は、10年以上削りっぱなしなので、期末手当の全回復は了解出来る。しかし、役職加算の凍結解除は一部の人だけで、役職加算がない人の方が多い。まずは独自削減回復に向けた道筋をつけることが先決である」としている。
 市の言うところの累積赤字解消は、2009(平成21)年度末で、他会計から24億円、基金から15億円、土地開発基金から5億円の計44億円の借金があってのもので、財政再建には到底及んでいない。この状況下で、全職員に対する12月分の期末手当全回復と併せ、係長以上の給料の傾斜配分役職加算(5~20%)の凍結一部解除が提案されたことは、一部の市職員からも反発が出ている。
 市総務部職員課では、「現在、提案している段階で決まったものではない」としている。
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